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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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> 『ヒトラー ~最期の12日間~』 ~問われているのは、僕らの心。~
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満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7点)

『ヒトラー ~最期の12日間~』(2004、独)
   監督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル
   出演 ブルーノ・ガンツ  アレクサンドラ・マリア・ララ



エンドロールが終わって劇場が明るくなっても、すぐに立ち上がれなくなるような映画が、ときどきある。

『ヒトラー ~最期の12日間~』は、僕にとってまぎれもなく、そういう映画だった。

重い。あまりにも、重い。

「ヒトラーってとんでもない奴だったんだね!あーー、怖い。」
そう言ってこの映画の存在をすぐに忘れてしまうのは、簡単だ。
でも、この映画が伝えたかったことは、たぶんそんなことじゃない。

さて、簡単なあらすじ。
1942年、ヒトラーに個人秘書として雇われたユンゲは、それから2年半、彼の最期のときまで共に地下要塞で過ごすことになった。戦況は悪化し、敗戦は免れない状況。にもかかわらず、ヒトラーは将校たちの意見を全く聞き入れず、降伏しようとはしない。しかし、忠臣の裏切りがつづき、ヒトラーは自殺を決意する。ユンゲは、彼の側で最期を看取る決意を固めるが・・・。

<以下、ネタバレ含みます。内容を知りたくない方は、ご注意ください。>

僕の個人的な考え方としては、映画を観るからには、スクリーンに映し出されることは全て理解したいと思っている。共感できるかどうかは別として、だが。
でも、この映画の中のヒトラーという人物だけは、どうしても僕には理解できなかった。

彼の世界は、全て地下要塞の中で完結してしまっている。地上で、罪のない市民にどれほどの被害が出ているのかなんて、彼は全く把握していない。というか、興味がないのだ。

いったい、彼のどこにカリスマ性があったのだろう。映画の中のヒトラーは、神経質で、横柄で、すごく器の小さい人間に僕には思えた。
そして実際、少なからぬ腹心たちが、彼に対していろいろ不満も抱えていたようだ。

一方で、親しい女性たちに彼が見せる態度は、なんだか妙にやさしい。どこか頼りなげで、母性本能をくすぐるような素振りさえ覗かせる。

そう、ヒトラーは世界史に突然現れた怪物のような存在として語られることが多いが、彼だって、ただの1人の人間だったのだ。そんな当たり前のことを、この映画は一貫して僕たちに示しつづける。

何か恐ろしいことが起こると、僕たちは、すぐに何かに原因を押し付けたがる。
例えば、JRの脱線事故だってそうだ。運転手に全ての責任を負わせて、それでおしまい。JRの態度には、そうやって事態を収束させたい思惑がありありと感じられた。

ドイツが、世界があんな風になったのは、ヒトラーのせい。彼さえいなくなれば、もう安心。
この映画を、そんな風に消化してしまうことは、少なくとも僕はしたくない。

この映画のベースになっているのは、ヒトラーの秘書ユンゲが、死ぬ直前に語った回想録。
そういう意味では、非常に史実に近いことが描かれているのだろう。

映画のラストで、ユンゲが死ぬ直前に応じたインタビューがスクリーンに映し出される。
そこで彼女は、こんなことを言っている(正確な引用ではありませんので、あしからず)。

「私は、当時まだ若くて、何も考えずにヒトラーのもとへ飛び込んだ。
でも、だからといって、自分には何も責任がなかったのだとは絶対にいえない。
若かったとしても、私にも、自分で判断できたはずなのだ」と。

そう、ことはヒトラーだけの問題ではない。
怪物を生んだのは誰?怪物は、本当にヒトラーだけだったのか?

この映画の監督、オリヴァー・ヒルシュビーゲルは、2001年に『es』という映画を撮った人だ。
『es』という映画は、ある心理実験によって、普通の被験者たちが怪物になっていく様をドキュメンタリー形式で撮った、非常に興味深い作品だった。

誰の中にも、怪物はいる。
もしかしたら、僕やあなたが、ヒトラーになっていたかもしれないのだ。

全ての責任をヒトラーに押し付けて、安らかな日々を過ごそうとすることは簡単だ。
でも、それは決して真実じゃない。
ヒトラーの周囲には、彼を暴走させる様々な要素があったのだ。戦争とは、それほどまでに恐ろしいものなのだ。

映画の終盤、ヒトラーが死に、ユンゲはベルリンを脱出する。
そこで、はじめて目撃する光景。
そこらじゅうに転がっている死体。砲撃のあと。

そのとき、ユンゲは何を思ったのだろう。
彼女は、ヒトラーを慕って、彼を信じた。
しかし、その彼が作り上げた世界は、あまりにも悲惨なものだった。

これから先、もしも戦争が起こったとして、そのとき僕たちは、何に原因を求めようとするのだろう?
テロリスト?独裁者?マスコミ?

問われているのは、僕たちひとりひとりの心、なのだ。
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by inotti-department | 2005-09-26 21:28 | cinema
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
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