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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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> 『四月の雪』 ~”ヨン様でしょー?”と侮るなかれ~
e0038935_21164923.jpg満足度 ★★★★★★☆☆☆☆(6点)

『四月の雪』(2005、韓)
    監督 ホ・ジノ
    出演 ペ・ヨンジュン  ソン・イェジン

「『四月の雪』観たいなー」なんて人前でうっかり言うと、「えー、あのヨン様(あるいは、ヨンと呼び捨てにする人も多い)の映画でしょー?全然観たくない!」と一蹴されてしまう。

ペ・ヨンジュンという俳優に関しては、溺愛するか嘲笑するか、どちらかの選択肢しか許されないようなところがあるように思う。溺愛派は、徹底的に韓流ブームを追いかける。一方、嘲笑派は、「ヨン様、キモーーい」と言って韓国ドラマなどには見向きもしない。

で、僕はどうなのか。実は、ヨン様の演技というものを、生まれて1度も見たことがなかった。もちろん、『冬ソナ』もいまだ未見。とりあえず、時々テレビで目にするペ・ヨンジュンをカッコイイと感じたことは1度もないが(笑)

ただ、僕は韓国映画に関しては、かなり評価している。『オールド・ボーイ』の衝撃はいまだに忘れられないし、『ブラザーフッド』『殺人の追憶』『JSA』など、感動作や力作も非常に多い。”韓流”という言葉はあまり使いたくないが、韓国映画のパワーは、今のところ間違いなく日本映画のそれを超えていると思う。

だから、この『四月の雪』に関しても、別にヨン様が出ていることなどどうでもよかったのだ。むしろ、ホ・ジノ監督が以前に撮った『八月のクリスマス』という映画がなかなか良かったので、それで観に行ったというほうが正解。

そして期待通り、『四月の雪』は、ヨン様がうんぬんというのは別にして、なかなかの良作であった。

では、あらすじ。
照明ディレクターのインスの妻スジンが、交通事故で病院に運ばれた。駆けつけたインスは、事故に遭ったスジンが乗っていた車には別の男が同乗していたことを知り、ショックを受ける。同乗者は、ギョンホという男。病院には、ギョンホの妻ソヨンも駆けつけていた。インスとソヨンは、事故の被害者家族のところへ一緒に謝りに行くなどしているうちに、同じ立場であるという親近感もあり、次第に心を通わせていく。そして2人は、許されぬ恋へと踏み出していく・・・。

<以下、ネタバレ含みます。未見の方は、ご注意ください。>

ダブル不倫という素材自体は、決して目新しいものではない。そして一歩間違うと、昼メロのようなドロドロの展開になりかねない。

この映画にも、そういうチャンスは何度もあった。インスとソヨンが密会しているホテルの部屋を、スジンの父親が訪れたとき。インスとソヨンの熱愛が最高潮に達しているときに、スジンが意識を取り戻したとき。ドロドロにしようと思えば、いくらでもそういう方向にもっていけたはず。でも、ホ・ジノ監督は、それはしなかった。説明的なセリフやわかりやすい展開はことごとく排除し、2人の心理を丁寧に丁寧に拾いあげていくことに専念した。

『八月のクリスマス』という映画もそうだった。静かに丁寧に、抑制した心理描写を重ねることで、味わい深さを出していく。これは、この監督の最大の持ち味だと思う(一方で、刺激的な展開が好きな方にとっては、全くもって物足りない監督だろう)。

僕の記憶では、ペ・ヨンジュンという俳優は、「微笑みの貴公子」と呼ばれていたような気がする。しかし、この『四月の雪』において、彼は常に悲しげな表情を浮かべており、ほとんど笑顔を見せない。さしずめ、「物憂げな貴公子」とでも呼びましょうか(笑)

でも、僕の印象では、彼はすごくこの役柄にハマっていたように感じた。ヨン様の笑顔を期待していた人にとってはどうだったかわからないけれど、とても巧みに、丁寧に演じていたのではないかと思う。韓国ではボロクソに言われているという噂も耳にするが、僕の中では確実に彼に対する印象はアップした。

ストーリーに話を戻すと、正直言って、僕には主人公2人の関係が”恋愛”と呼べるものなのかどうか、途中まで判断できなかった。好きとかっていうんじゃなくて、ただ寂しくて寄り添いあってるだけでしょ?という風にしか感じられなかったのだ。2人がすぐに互いの身体に手を触れ、肌の温もりを最優先に求めようとするのが、その何よりの証拠だろう、と。

でも、最後、僕はハッとさせられた。意識を戻した妻との生活に戻ったインスを見つめる、ソヨンの涙。ソヨンのいなくなった部屋で感情を爆発させる、インスの涙。

そうか、最初、それは”恋愛”ではなかったにせよ、いつしか2人の間には確実に”愛”が芽生えていたのだな、と僕は思い知らされた。愛には、いろいろな形があるのだ。誰にも理解されず、誰にも応援されなかったとしても、やっぱりそれは紛れもなく”愛”なのだ、と。

ラスト、2人を包み込む”四月の雪”。
たとえ許されない愛だとしても、それでも一緒にいていいんだよ。
そう、語りかけているような気がした。
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by inotti-department | 2005-11-03 22:09 | cinema
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
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