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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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> 『カーテンコール』 ~素材は良いけど、料理がヘタね~
e0038935_2201921.jpg満足度 ★★★★★☆☆☆☆☆ (5点)

『カーテンコール』(2005、日)
     監督 佐々部清
     出演 伊藤歩 藤井隆 鶴田真由

日本版『ニュー・シネマ・パラダイス』。
これ、この映画の宣伝用コピー。

なるほどなるほど。こういうあらすじなのである。

東京の出版社で働く香織は、仕事でのミスが原因で、福岡への異動を命じられる。そこで彼女が興味を抱いたネタ。それは、下関の小さな映画館に昭和30年代から40年代にかけて、映画と映画の間に形態模写や歌を披露して観客を沸かせていた芸人がいた、というもの。取材のため、しばらく会っていない父親が暮らす故郷でもある下関へ向かう香織。取材を重ねるうちに、映画館「みなと劇場」における、芸人・安川修平とその家族を巡る悲しい物語が浮かび上がってくる・・・。

ね。要するにこれ、古きよき時代の映画館を舞台にした物語、なのである。
まさに、『ニュー・シネマ・パラダイス』じゃないですか!というわけで、相当な期待をして劇場へ向かったわけなのだ(ちなみに、『ニュー・シネマ・パラダイス』は、僕の大好きな映画なのです)。

で、感想。
うーん、なんだか、すごくもったいない感じがした。つまらなかったわけじゃない。だけど、なんだかスッキリしない感じ。もっとスゴイ傑作になりそうな感じだったのに、いまいちパッとしない映画に終わってしまった、という印象なのだ。

素材は、最高と言ってもいいぐらい魅力的なもの。小さな映画館。幕間芸人。よだれが垂れてきそうな、絶好のキーワード。こんなおいしいネタ、よく見つけてきたなー。映画のアイデア自体は、100点満点だと思う。

というわけで、前半はとっても面白い。藤井隆演じる幕間芸人・安川修平の物語。すごく良い。そして、どうやら現在、修平は「みなと劇場」にはいないらしい。彼に何があったのか?いま、彼はどこに?映画の種蒔きとしては、申し分ない。

しかし、主人公・香織が修平の行方を追う展開になってから、物語がおかしな方向へ。

<ここから、内容に関してネタバレ入ります。未見の方は、ご注意ください。>

安川修平。彼は実は、在日朝鮮人だった。そんな修平に対する差別。そして、娘・美里もそんな生い立ちに翻弄され、やがて安川一家に悲しい別れが訪れる。

うーーーん。これ、必要だったかー!?映画館を舞台にした心温まる話かと思いきや、映画のテーマが少しずつブレはじめる。在日朝鮮人に対する差別。確かに、昭和という時代を語るうえで避けて通れない重大な問題なのだが、果たしてこの映画で扱うべきテーマだったのかどうか。。。こんな言い方も何だが、『GO』や『パッチギ!』を意識したんじゃあるまいか?と勘繰りたくもなる。

そして、この安川父娘の物語に、香織の青春時代の苦い恋の思い出が絡んでくる。これもよくわからん(笑)。なんだか、とってつけたようなエピソードに感じられた。話が、どんどん「みなと劇場」から離れていくことに、戸惑うばかり。

さらに映画は欲張る。安川父娘にダブらせるように、香織と父親が絆を取り戻すエピソードをくっつけていく。えーー、香織と父親の話なんて、前半ではろくに触れてなかったじゃん?それで泣かせようなんて、虫がよすぎる。僕はちっとも泣かなかった(むしろ、修平が妻と娘とともに最後のステージに立つ前半のハイライトシーンのほうが、何倍もグッときた)。

ひとことで言えば、語り口がヘタクソなのだ。例えば、修平の思い出を、映画館で働く絹代に語らせることだけで描くこと。例えば、韓国へ渡ってから、修平と出会うまでの道中の描写。例えば、美里が修平にやっぱり会いに行こうと思い立つまでの盛り上がりのなさ。過去と現在の繋ぎ方に、また感動の演出の仕方に、あまりにも芸がないのだ。

ツッコミどころはまだまだある。最初に出てきた伊原剛志が最後に登場しなかったこと。安川修平という人物の生涯が、1本の線として繋がって見えないこと。もうやめましょう、このへんで(笑)。

素材が良すぎたがために、欲張りすぎちゃったのだと思う。

映画と映画の間に芸を披露する幕間芸人が、かつて映画館には存在した。映画の斜陽化が原因で、彼は引退を余儀なくされた。そんな彼が、映画館が閉鎖される最後の日、数十年ぶりにステージに立つ。

これだけで十分だったのだと思う。余計なエピソードなどいらない。ただこれだけのことで、十分、感動的な映画になっていたはずだ。

もったいない。実にもったいない。この苦言のオンパレードは、すごく素材に魅力を感じたがゆえの、愛情溢れるものなのです。いや、ホントに(笑)。

ちなみに、本家『ニュー・シネマ・パラダイス』は、12月23日から期間限定でシネスイッチ銀座にて公開されます。こちらは、余計なエピソードのない、すごくシンプルな名作です。

観たことのない方は、ぜひこの機会にどうぞ。
そして気が向いたら、『カーテンコール』と見比べてみてください。
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by inotti-department | 2005-12-19 23:02 | cinema
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
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