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> 『古畑任三郎ファイナル第2夜 フェアな殺人者』 ~イチロー、堂々たる俳優デビュー~
『古畑任三郎ファイナル第2夜 フェアな殺人者』 ~イチロー、堂々たる俳優デビュー~_e0038935_2335824.jpg『古畑任三郎 フェアな殺人者』

脚本 三谷幸喜
出演 田村正和  イチロー


3夜連続ファイナル、第2夜の注目は、何といっても犯人役。
イチロー。言わずと知れた野球界のビッグスター、衝撃の俳優初挑戦である。

正直言って、僕は心配していた。この『古畑』シリーズは、ただでさえセリフが膨大なうえに、登場人物が少ないため、犯人役ともなるとほぼ出ずっぱり状態。ましてや、古畑と犯人のスリリングで軽妙なやりとりの面白さこそ、このドラマの生命線である。もしもイチローの演技がド下手かったら・・・・・。おそらく、観ていて体じゅうがかゆくなるような、悲惨な結果となってしまう。

しかし、いい意味で裏切られた!ビックリビックリ、イチロー、堂々たる俳優デビューであった。

演技がウマイとかヘタだとかいうことではなく、とにかく堂々としていることが、何よりも素晴らしかった。スポーツ選手って、CMなんかでもスラスラ喋れる人と棒読みになっちゃう人とハッキリわかれる(イチローなんかは、典型的な前者タイプ)けれど、その分かれ目は、”照れずにやれるかどうか”。少しでも恥ずかしさを残してしまうと、その”照れ”が動きやセリフに出てしまうのだ。

で、『古畑』のイチロー。全くといっていいほど、”照れ”がなかった。おそらくすごくドキドキしていただろうし、緊張も恥ずかしさもあっただろうけれど、彼はそれを決して表には出さなかった。演技のプロではないにせよ、出るからには最大限の力を注ぐ。そういう彼の本気っぷりが、観ていてとても清々しかった。スポーツ選手がオフにテレビではしゃいだりするのって、ともするとイメージダウンになりがちだけれど、イチローに関しては相当イメージが良くなったんじゃないかな。視聴率もすごく高かったようだし。

イチローって、普段のインタビューでもちょっと芝居くさい喋り方(よく考えてから言葉を発することが原因と思われる)をするから、それが幸いしたという面もあったと思う。それにしても、あそこまで自然にやれるっていうのは、素人としては驚異的。イチローよりヘタなアイドル女優なんて、星の数ほどいるからね(笑)。それにスタイルもいいから、絵になるしカッコイイんだ、これが。

しかし!ストーリーはどうしたことだ、ストーリーは。三谷さん、もうちょっといい話書いてあげてよ、せっかくイチロー出てくれたんだから(笑)。

といっても、三谷さんもまた彼なりに、自分自身にチャレンジを課してこのシナリオ作りに取り組んだのだと感じた。僕が購読している新聞の夕刊に週1回掲載される三谷幸喜の連載コラムによると、今回の脚本を書くにあたって、イチロー選手からは「ドラマの中でも自分はフェアな人間でありたい」という要望が出されたらしい。おそらく三谷さんはそのときに、”フェア”というキーワードを軸に脚本を書くことを決意したに違いない。

そういうテーマ設定は面白いんだけど、うーん、もうひとつ消化しきれなかったのかな。いろいろと無理が生じていたというか。ウソをつかないというわりに1回ついちゃったり(”お兄さんのためだから”という説明が後からなされていたが、どうせなら1回もウソはついてほしくなかったなぁ)、「私もフェアにいきます」と言いながら、最後の古畑の追い詰め方が全然フェアじゃなかったり、そもそも、あの素朴な向島さんが殺人に加担しちゃうっていう設定自体もあんまり個人的には好きじゃない。

でも、この第2夜は、コメディだったのだと思う。第1夜が王道ミステリーとしての『古畑』だとすれば、この第2夜はコメディとしての『古畑』。向島とイチローが腹違いの兄弟だという設定(こういうフザけた設定自体は、いかにも三谷幸喜的で大好き)しかり、向島が元甲子園球児だったというどうでもいいミニ設定しかり。「犯人は、世界一の肩と足を持つ男だ」っていうくだりも、くだらなくて大好き(笑)。トリックとか推理のもっていきかた自体は、本当に他愛のないものだったけれど、十分に楽しませていただきました。

さぁ、いよいよ『古畑任三郎』も次でファイナル。こうなってくると、ものすごく寂しくなってくる。さぁ、最終夜はどんな締めくくりになるのやら?
by inotti-department | 2006-01-07 23:40 | TV
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
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