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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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・四月の雪(2005、韓)  ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
     監督 ホ・ジノ
     出演 ペ・ヨンジュン  ソン・イェジン
<story> 照明ディレクター・インスの妻スジンが、交通事故で病院に運ばれた。駆けつけたインスは、事故に遭ったスジンが乗っていた車には別の男が同乗していたことを知り、ショックを受ける。同乗者は、ギョンホという男。病院には、ギョンホの妻ソヨンも駆けつけていた。インスとソヨンは、事故の被害者家族のところへ一緒に謝りに行くなどしているうちに、同じ立場であるという親近感もあり、次第に心を通わせていく。2人の関係はさらに深まっていき、ついに肉体関係を結んでしまう。そんな中、スジンが意識を取り戻す。病院の医師から、インスとスジンがソウルの大きな病院に移ることになったと聞かされたソヨンは、ショックを受ける。しかし、インスはソヨンのことが忘れられず、再び2人は結ばれる。インスと抱き合ったあと病院へ向かったソヨンは、医師からギョンホの死を知らされる。ソヨンは、インスの前から姿を消す。一方、インスは、ギョンホの死をスジンに告げる。号泣するスジンを置いて、インスは病室をあとにする。ソヨンは荷物をもって列車に乗ろうとするが、できずにホテルへ戻る。そこでインスの姿を目にし、涙を流す。一方、インスもまた、ソヨンのいなくなったホテルで、号泣する。もとの生活に戻り、仕事を再開するインス。すると、現場に雪が舞い降る。それは、かつてインスがソヨンに見たいと言っていた、春に降る季節外れの雪だった。雪を見て、互いのことを想いあうソヨンとインス。インスは車にソヨンを乗せ、どこに行くともない旅路へと出発するのだった。
<ひとことreview> ヨン様主演で話題になった韓国映画。とかくヨン様ばかりが注目されがちだが、それはさておきなかなかの良作である。ダブル不倫という、ともすると昼メロのようなドロドロの展開になってしまいそうな素材だが、ホ・ジノ監督はそれを避け、2人の心理の揺れを丁寧に丁寧に拾い上げていく。感情を抑制し、説明的な描写を排除した演出が非常に効果的だ。ヨン様も、持ち前の微笑みを封印して、巧みな”泣きの芝居”で好演している。途中まで、2人の関係が”恋愛”と呼べるのものなのかという疑問が抜けなかったが、最後まで相手を想いあう2人の強い”愛”に、最後は納得した。誰にも理解されなくとも、それもまた確かに、ひとつの”愛”の形なのだ、と。

・疾走(2005、日)  ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
  監督 SABU
  出演 手越祐也  韓英恵  中谷美紀  豊川悦司
<story> とある街。”浜”と呼ばれる場所で暮らす人々にとって、かつて海だった”沖”と呼ばれる場所は、蔑視の対象だった。”浜”で暮らすシュウジは、ある日”沖”でヤクザの鬼ケンと出会い、親切にされる。しかし数日後、鬼ケンは死体で発見される。数年後。中学生になったシュウジは、クラスメイトで思いを寄せるエリの影響もあり、”沖”の教会に通うようになる。そこの神父とも親しくなるが、カンニングで停学になり精神を乱しはじめていた兄のシュウイチによると、神父には殺人の前科があるらしい。シュウイチが神父を狂ったように問い詰めると、神父は、自分の弟が恋人一家を皆殺しにして死刑目前だという事実を告白する。その後、”沖”で連続放火事件が起こる。犯人として捕まったのは、シュウイチ。そのことでシュウジはイジメに遭い、さらに両親もいなくなってしまう。同じ頃、事故に遭って歩けなくなったエリが、東京へ引越してしまう。エリが神父に宛てた手紙には、両親が心中し、さらに引き取られた叔父からレイプされた辛いエリの過去が綴られていた。神父は、シュウジを監獄の弟に会わせる。しかし、弟は「オマエはオレと同じだ」と言い放ち、シュウジはショックを受ける。街でばったり鬼ケンの彼女アカネに会ったシュウジは、アカネとセックスする。しかし、それをアカネの恋人であるヤクザの新田に見つかり、ボコボコにされる。シュウジは、アカネと力をあわせて新田を殺す。現場から逃げたシュウジは、エリのもとへ。壁に「私を殺して」と書いたエリに対し、シュウジは「誰か一緒に生きて」と記す。道で会ったエリの叔父を、シュウジは包丁で刺す。2人は逃げるが、ついに警察に囲まれてしまう。発砲されるシュウジ。そのとき、シュウジの携帯が鳴る。壁にメッセージとともに残した電話番号を観て、どこかの少女が掛けてきたのだった。シュウジは死ぬが、アカネは彼の子を出産する。そしてエリは、松葉杖を外し、神父の待つ教会へと歩いてくるのだった。
<ひとことreview> 暗い。どうしようもなく暗い。世の中の”どうにもならない部分”を見つめる視線は、たしかにリアルでシャープだが、一方で映画としてのまとまりには欠け、さほどのインパクトもなかった。ただ、ラストはなかなか。何も解決されてないのに、それでも未来に微かな希望を感じさせ、好感がもてた。良くも悪くも、好き嫌いは分かれる映画。個人的には、SABU監督にはもっとエンタテインメント性を追及してほしいな、と思う。

・SHINOBI(2005,日)  ★★★☆☆☆☆☆☆☆(3点)
     監督 下山天
     出演 仲間由起恵  オダギリジョー  黒谷友香  椎名桔平
<story> 1614年。長く続いた戦乱の世は終わり、平和な日々が訪れた。そんな中、ぽつりと残された2つの里、伊賀と甲賀。そこでは、妖しい力を持ち、戦うことしか生きる術をもたない”忍”たちが、ひっそりと暮らしていた。伊賀と甲賀は、互いにライバル関係にあり、長年に憎しみあっていた。一方、徳川家康は、強い力を持つ彼らの存在に、危機感をおぼえていた。そんな中、伊賀の朧と甲賀の弦之介は、互いの素性も知らぬまま、許されぬ恋に落ちる。そんな2人に、家康より残酷な指令が下る。それは、伊賀と甲賀の代表5人ずつが戦い、生き残った者が次期将軍を決するというもの。ともに里を背負う立場である2人は、激しく混乱する。弦之介は、その指令の真意を疑い、家康に会いに駿府へと向かう。甲賀の4人は弦之介に同行し、伊賀の5人は彼らを追う。弦之介は戦おうとはしないが、他のメンバーは激しい戦闘を繰り広げ、次々に命を落としていく。朧も最初は戦いに積極的ではなかったが、妹のようにかわいがっていた蛍火が殺されたことに怒り、甲賀勢に戦いを仕掛ける。残るは、互いに2人ずつ。伊賀の天膳は、弦之介を呼び出し、ことの真相を告げる。家康の狙いは、伊賀と甲賀の里に総攻撃を仕掛け、生き残った”忍”を掃討することなのだ、と。甲賀の陽炎と天膳が刺し違え、いよいよ残るは朧と弦之介のみ。弦之介は、わざと朧に殺され、彼女に”忍”の未来を託す。朧は、駿府へ上り、家康と謁見する。伊賀と甲賀への攻撃を指示しつづける家康に、朧は、忍術の源である自分の両目を潰し、攻撃をやめるように願い出る。彼女の覚悟に心動かされた家康は、攻撃の中止を決める。こうして、”忍”たちは、その後も数百年にわたって生き続けたのだった。
<ひとことreview> 良くも悪くも、”形”からはいった映画。そのため、映像やキャストにはこだわりが感じられてそれなりの魅力があるのだが、そこにストーリーが全くついてこない。「こういう映像を撮りたい」という意欲は伝わるのだが、「こういうことを伝えたい」というテーマや哲学が少しも見えてこないのだ。キャラクターの使い方も中途半端だし、主役2人の愛情の深さも全く描けていないから、話に説得力がない。悲劇性も出ない。なんとなく戦って、それで終わってしまったという印象だ。映像は、チャン・イーモウの『HERO』をかなり意識したな、という印象。パクリといってしまえばそれまでだが、スタイリッシュな活劇を描こうとした意欲は、大いに評価しても良いと思う。そういう日本映画は、もっとあっていい。ただ、問題は、中身がないこと。それが全てだ。

・シュガー&スパイス~風味絶佳~(2006、日)  ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
   監督 中江 功
   出演 柳楽優弥 沢尻エリカ 夏木マリ
<story> 高校を卒業した志郎は、大学へ行く気にもならず、とりあえずガソリンスタンドで働きはじめる。両親は反対するが、自分のことを”グランマ”と呼ばせるアメリカかぶれの祖母は、志郎の決断を応援する。そのガソリンスタンドに、女子大生の乃里子が新たなバイトとして加わる。志郎は、乃里子に次第に惹かれはじめ、初めての恋心を実感する。一方、乃里子は矢野という彼氏と別れたばかりで、志郎の純粋な優しさに居心地の良さを感じる。彼女を家まで送ったりしながら、2人は次第に打ち解け始める。そして、乃里子が何気なく言った「好き」という言葉に、志郎は心を躍らせる。ある日、乃里子が矢野から渡されていた合鍵を返しに行くことになり、志郎も一緒について行く。しかし、乃里子と矢野が話しはじめたのを見ると、志郎は先に帰ってしまう。自分を置いていった志郎を激しく責める乃里子。そんな彼女に志郎は自分の想いをぶつけ、2人は結ばれる。それから、2人は毎日を一緒に過ごすようになる。乃里子は、「志郎くんが19歳になったら、一緒に暮らそう」と約束する。今まで経験したことのない幸せを感じる志郎。ししかしある日、乃里子を喜ばせようと彼女のずっと欲しがっていた指輪を購入したその帰り、志郎は自分の部屋を出て行く矢野の姿を発見する。矢野は乃里子に復縁を申し出ていたのだ。動揺する乃里子と、そのことに触れたくても触れられない志郎。2人の間に、微妙な空気が漂い始める。ある日志郎は、乃里子が試験に集中するためという理由でガソリンスタンドのアルバイトを一時休むことを申し出たことを知りショックを受ける。しかし、志郎はそれを隠して、クリスマスイブにグランマのバーでパーティをやるから来てほしいと招待状を渡す。そして、2人は顔を合わさない日々が続き、ついにイブの夜に。バーでずっと乃里子を待つ志郎。しかし、とうとう乃里子は姿を現さない。荒れる志郎を、グランマは優しく包み込むのだった。翌日、志郎がバイト先へ行くと、数分前に乃里子が現れ、バイトを辞めることになったという。志郎がロッカーを開けると、乃里子からの手紙が。そこには、「ごめんね」という言葉と「ありがとう」という言葉が書かれていた。志郎は自転車で乃里子を追いかけるが、乃里子は矢野の車に乗り、遠ざかって行ってしまう。泣き崩れる志郎は、初めて味わう失恋の苦味を噛み締め、来るべき次の恋へ向けて再び前を向くのだった。
<ひとことreview> シンプルかつ王道の青春ラブストーリー。柳楽くん&沢尻エリカという旬のフレッシュなキャスティングが魅力的だ。柳楽の初々しい純粋さを百戦錬磨の沢尻が翻弄するという設定もピッタリの組み合わせ。大きな驚き・大きな感動こそないが、丁寧に若者の恋愛を描いていて好感がもてる。このぐらいの年代の恋愛って、たいてい女の子が一枚上手なもんなんだよね。自転車の志郎がどんなに頑張っても、車の矢野には追いつけないという描き分けが実に象徴的で上手い。周りが見えなくなるほど自分の全てをぶつける初めての大恋愛。共感をおぼえる男性は多いのでは?

・ジョゼと虎と魚たち(2003、日)  ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 犬童一心
     出演 妻夫木聡  池脇千鶴  上野樹里
<story> ジョゼとの出会い。それは、バイト先の雀荘からの帰り道。坂から落ちてきた乳母車を覗くと、中にジョゼがいたのだ。乳母車をひく老婆の家で、恒夫は朝食をごちそうになる。ジョゼは老婆の孫で、半身不随で歩けないのだという。恒夫は、ジョゼの家に通うようになる。一方、恒夫は大学の同級生・香苗に想いを寄せていた。2人は次第に親しくなり、付き合うことに。一方、恒夫の勧めで、ジョゼの家をリフォームすることに。そこに現れた香苗。彼女は福祉関係の仕事への就職を希望しており、バリアフリーに興味があって見学に来たのだ。恒夫と親しげな香苗にジョゼは嫉妬し、「もう来るな!」と恒夫を拒絶する。数ヵ月後。恒夫は、ジョゼの祖母が死んだという噂を聞きつけ、久しぶりにジョゼの家へ。頑なな態度をとるジョゼ。しかし、帰ろうとする恒夫を、ジョゼは泣いて引き止める。2人は、そこで結ばれる。動物園でデートし、念願の虎を見るジョゼ。幸せなジョゼのもとに、香苗がやって来る。2人は、ビンタを張り合う。1年後。恒夫とジョゼの交際は続いていた。恒夫の親に彼女を紹介することも兼ね、旅行をすることに。そんなある日、恒夫は香苗と再会する。香苗は、街頭でタバコ配りをしていた。恒夫と別れてから、恋も仕事もどうでもよくなったという香苗を、恒夫は優しく慰める。恒夫は、ジョゼと車で旅に出る。しかし、親に紹介する気持ちは、恒夫の中ではなくなっていた。ジョゼ念願の水族館は休み。代わりに、海へ行き、さらに魚が部屋じゅうに描かれたホテルへ。そこでジョゼは、別れへの不安を口にする。数ヵ月後。2人は別れる。恒夫がジョゼから逃げたのだ。ジョゼの家を出た恒夫を、迎え入れる香苗。恒夫は号泣する。そしてジョゼは、ひとりでたくましく買物へ出かけるのだった。
<ひとことreview> 障害者と健常者(言葉が適切かは別にして)の切ないラブストーリー。2人は丁寧に時間を積み重ねるが、それでも間に立ちはだかる高い壁を越えることはできない。物語の筋だけを追うと、恒夫の優柔不断で身勝手な行動ばかりが目につき、それに振り回される2人の女性はかわいそう、という印象を受けるかもしれない。が、実はその逆。映画がエンディングを迎えたとき、ジョゼと香苗はどちらもたくましさを増している。ジョゼはひとりで生きる強さを身につけ、香苗はさらにしたたかさを増し恒夫を取り戻す。一方、恒夫は、自分の弱さだけを思い知り、香苗の前で号泣する。2人の女優が輝きを放っていて、それぞれがとても魅力的。そして忘れてならないのは、それを引き出したのが妻夫木だということ。妻夫木聡という俳優は、彼自身にはさほどの個性は感じられないが、そのナチュラルな透明感で共演者を引き立たせる力をもっている。3人のハーモニーがとても心地よい良作。

・シン・シティ(2005、米)  ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 ロバート・ロドリゲス  フランク・ミラー
     出演 ブルース・ウィリス  クライヴ・オーウェン
<story> 犯罪と裏切りがはびこる街、”シン・シティ”。その夜も、”謎の男”が金髪の美女を抱いたあと、その命を奪った。”罪の街”と呼ばれるこの街で、愛する者を守るため、3人の男が立ち上がる。①ハーティガン警部は、誘拐された11歳の少女ナンシーを助けるため、犯人を追いかける。犯人は、街を牛耳るローク上院議員の息子(ジュニア)。ハーティガンはジュニアを仕留めるが、ハーティガンの相棒ボブの裏切りにあい、警察に捕えられてしまう。②前科者のマーヴは、傷だらけの顔のせいで、女に愛されたことがない。そんな彼に愛を教えてくれたのは、高級娼婦のゴールディ。しかし、マーヴが寝ている間に、彼女は彼の隣で殺されてしまう。ゴールディの仇討ちを誓うマーヴは、犯人を追う。たどり着いたのは、ケビンという青年。さらにその背後には、ローク上院議員の弟”ローク枢機卿”の存在があることを知る。マーヴはケビンを倒しロークに迫るが、そこにやって来た警察によって捕まってしまう。マーヴは、死刑を執行される。③ドワイトは、恋人シェリーを殴ったジャッキー・ボーイの暴走を止めるため、彼を追う。ジャッキーが向かったのは、女たちが支配する街”オールド・タウン”。そこでは、警官たちに楽しみを提供するかわりに、女たちに自治権が与えられていた。ドワイトは、オールド・タウンを仕切る元恋人ゲイルの協力もあり、ジャッキーを殺す。しかし、ジャッキーの死体から出てきたのは、彼の警官バッヂ。女たちは慌てる。オールド・タウンの秩序は、警官がどんなに羽目を外しても、決して彼らを殺さないというルールのもとで保たれていたからだ。ドワイトはジャッキーの死体を隠しに車を走らせるが、娼婦ベッキーの裏切りでゲイルがギャングに襲われてしまう。”オールド・タウン”に戻ったドワイトは、女たちと力を合わせて、ギャングたちを一掃する。④ハーティガンは、全ての罪を着せられて、長い獄中生活に入った。そんな彼の唯一の支えは、週に1度ナンシーから届く手紙。しかし、8年が経ったある日、パッタリと手紙が届かなくなる。刑務所を出たハーティガンは、ナンシーのもとへ。美しい大人になったナンシーとの再会を喜ぶハーティガンだが、ジュニアの魔の手が忍び寄る。ジュニアは瀕死の状態から回復し、以来ハーティガンへの復讐を計画していたのだ。ジュニアはナンシーを人質にとるが、ハーティガンはジュニアを倒し、ナンシーを救出する。ハーティガンはナンシーを先に家へ帰らせ、ローク上院議員との抗争にナンシーを巻き込まないために、自らの頭に銃を放つ。⑤ベッキーは、病院のエレベーターで、ある青年に声をかけられる。その男は、美女をつけ狙っては命を奪う、”謎の男”だった。
<ひとことreview> ”映画のような漫画のような映画”。原作はアメリカの人気コミック。その大ファンであるロドリゲス監督が、コマ割もほぼコミックのままに忠実に映像化したのが、この作品だ。監督として原作者のフランク・ミラーも一緒にクレジットされているのも、映画の世界観がほぼコミックのそれを踏襲したものであるからだろう。全編モノクロで描かれた映像が、最高にカッコイイ。モノクロの中で美女の紅いドレスだけが彩りを放つオープニングから、グイグイそのスタイリッシュな世界に引きずり込まれてしまう。豪華キャストも、全員が伸び伸びと各々のキャラクターを演じている。クールでオシャレでカッコイイ、新しいスタイルの映画の誕生だ。

・シンデレラマン(2005、米)   ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 ロン・ハワード
     出演 ラッセル・クロウ  レニー・ゼルウィガー
<story> 1930年代。世界チャンピオン目前までいった元スターボクサーのジミー・ブラドックは、日々の食事にも苦労する貧しい毎日を過ごしていた。アメリカを襲った大恐慌。さらに、故障が原因で冴えない試合を続けたことを理由に、ライセンスも剥奪されてしまう。いよいよ追い込まれたジミーに追い討ちをかけるように、妻のメイが3人の子供たちの身を案じて、彼らをよその家に出そうとする。家族を守ることを誓うジミーは、プライドを捨てて、ボクシング協会にカンパを募りにいく。そんなジミーのもとを、かつてのマネジャーであるジョーが訪ねてくる。彼がもちかけたのは、一夜限りの試合。手当てを得るために出場した試合で、ジミーは見事勝利。ライセンスを取り戻し、さらに連勝を伸ばすジミーに、苦しい生活を強いられている庶民は熱い声援をおくる。いよいよ次は、タイトルマッチ。しかし、王者は、過去2回リングで対戦相手を殺している超強敵。メイは止めるが、ジミーは戦う決意を固める。いよいよ当日。熱い応援に支えられ、ジミーは善戦。見事15ラウンドを戦いきり、判定勝ちをおさめるのだった。
<ひとことreview> きわめて”マジメ”な映画。奇をてらうことなく、気持ちがよいほどの直球勝負を見せてくれる。ストーリーに個性こそないが、グイグイとスクリーンに引き込む力強さは、なかなかのもの。大恐慌に苦しむ庶民の姿がしっかり描けていることが素晴らしい。それによって、ジミーの復活の感動度合いがさらに深まっている。もう少し後半のストーリーに”浮き沈み”が欲しかった感はあるが、実話である以上、それも仕方ないだろう。
by inotti-department | 2006-02-21 12:34 | 映画ネタバレstory<サ・タ>
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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