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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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> 『雪に願うこと』 ~そして今日も人生はつづく~
e0038935_2320774.jpg満足度★★★★★★★☆☆☆(7点)

『雪に願うこと』(2006、日)
   監督 根岸吉太郎
   出演 伊勢谷友介 佐藤浩市

北海道・帯広のばんえい競馬場。東京からやって来た学は、なけなしの全財産をウンリュウという名の馬に注ぎ込むが、あえなく惨敗。無一文になり、ばんえい競馬の調教師をやっている兄の威夫を訪ねる。会社を興すために母親を置いて東京へ出て行った弟の13年ぶりの帰宅を、威夫はそっけない態度で迎える。威夫は、厩舎を手伝うことを条件に家に学を住ませることにする。しかし、学は、実は東京で事業に失敗し、会社も家族も失ったことを兄に言えずにいた・・・。


こんなに真面目な、直球勝負の映画を観たのは、なんだか久しぶりな気がする。家族を、仕事を、つまりは人生を、丁寧に誠実に力強く描いた良作である。

ストーリーだけじゃなく、映像に関しても同じことが言える。北海道の雄大な景色を、そして馬と人間が共生している厩舎の豊かな息遣いを、決して派手さはないがこれもまたやはり誠実なカメラワークできちんと表現している。

こういうストレートな映画には、高い実力を持った俳優の存在が不可欠なわけで、この作品に関していえば主人公の兄である威夫を演じた佐藤浩市の好演がそれにあたる。ウマイウマイとは思っていたけれど、この俳優は本当にウマイ。

威夫の弟に対する屈折した愛情。「どの面さげて・・・」と表面的には悪態をつくが、実は裏では「うちの弟は東京で社長を・・・」と自慢に思っていたり。自慢に思っていたからこそ、ふぬけた状態になりさがっている弟の堕落ぶりが許せなかったり。かと思うと、次第に力強さを取り戻していく学を気に掛け、「戸籍をこっちへ移せ」と提案したり。このお兄ちゃんの懐の深さは、この映画全体の魅力に繋がっていると思う。

一方で、主人公の伊勢谷友介に関しては、健闘はしていると思うがやや物足りなさも残る。もちろん、主人公のクールなキャラクターの問題もあるのだが、セリフや表情への感情の込め方がどうもパンチ力不足なのだ。個人的には、学の変化を演技としてももっと的確に表現してほしかったと思う。ただ、彼にとっては、力のある俳優(佐藤浩市はもちろん、小泉今日子や吹石一恵も素晴らしかった)と同じ時間を長く過せたことが、きっと貴重な経験になっただろう。今後に期待。

この映画って、愚直なまでにストレートな映画なんだけれど、それでいて全然押し付けがましくないところがまた素晴らしい。例えば、兄弟と母親の関係、あるいはクライマックスとなるウンリュウのレースシーンなど、もっとベタベタに盛り上げようと思えばいくらでもやりようのあるシーンはたくさんあったと思う。でも、この映画は、無理に観客を泣かせようとはしない。あえて淡々と描くことで、人生のシビアさ、そして奥深さをいっそう際立たせることに成功している。

ひょっとすると人によっては、最後の終わり方に物足りなさを感じた方もいたかもしれない。「もっと号泣させてよーー!」っていう不満も、それはそれで正しい感想だと僕も思う。

でも、人生って、そんなに甘いものじゃない。ハッピーエンドの映画みたいに、「めでたしめでたし♪」なんていうキリのいい瞬間なんて、おそらく永遠に訪れない。ある戦いが終われば、また別の戦いが幕を開ける。その繰り返しが、人生なのだ。

根岸監督は、あのラストシーンに、そんな想いを込めたのではないだろうか。レースの結果がどうであれ、僕たちの人生はつづいていく。大切なことは、”今日も明日も走りつづける”ということなのだ。
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by inotti-department | 2006-07-08 23:57 | cinema
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
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