> ご案内
当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
> 最新のトラックバック
welsh blacks
from welsh blacks
テラびしょびしょw
from お・な・に・ぃ
gilroy high ..
from gilroy high sc..
luniz videos
from luniz videos
mortgage loa..
from mortgage loan ..
elizabeth ar..
from elizabeth arde..
animator fro..
from animator from ..
負けても勝ち組w
from ドンパッチ
korean women..
from korean women n..
pcbyte
from pcbyte
> 『麦の穂をゆらす風』 ~人は武器をとってはいけない。~
e0038935_20574581.jpg満足度 ★★★★★★★★☆☆ (8点)

『麦の穂をゆらす風』(2006、英・愛・仏)
  監督 ケン・ローチ
  出演 キリアン・マーフィー 
      ポーリック・デラニー

1920年、アイルランド。人々は、イギリスによる強圧的な支配に苦しめられていた。テディとデミアンの若き兄弟もまた、仲間を次々にイギリス警察によって処刑されるなど、イギリスに対する憤りを深めていた。2人は、仲間とともに立ち上がり、イギリスに反撃する。やがて戦いは終わり、アイルランドは自由を勝ち取るが、テディとデミアンの意見が食い違いはじめ・・・。


非常に骨太な、実に見応えのある作品です。

戦争というものを悲劇性を、真正面からしっかりと捕らえている映画です。「反戦」というフレーズが声高に掲げられてはいませんが、だからこそ余計に、戦争というものの無意味さ、悲しさが絶望的なまでに強く伝わってきます。

戦争をテーマにした映画を観るたびに感じるのですが、なぜ人は、戦争に関わるとあんなにも残酷になれるのでしょう?なぜ簡単に、「他人を殺す」という行動を選択してしまうのでしょう?

それが、「戦争」という”装置”の最も危険な部分だと思います。「相手を殺してしまうのも、やむをえないよね」そんな許可を社会が個人に対して出してしまう、それこそが戦争の一番恐ろしいところなんだと思います。

この映画の主人公であるテディとデミアンの兄弟もまた、「戦争」によって人生の歯車を狂わせてしまいます。そして最後は、悲しい結末を迎えてしまうのです。

最初はある意味、迷いなく登場人物に感情移入できるストレートな映画になっています。明らかに理不尽で、決して許すことのできないイギリスの武力による制圧。「アイルランド頑張れ!」と、ついつい肩入れしてしまいます。ここまでは、おそらく誰もが一緒でしょう。

しかし中盤から、映画は方向性を見失い始めます。「イギリスを倒す!」それが何よりも優先されるようになるにつれ、本来守られるべきはずの社会的弱者たちが、「イギリスを倒すためには、あなたたちには我慢してもらわなくちゃならない」という粗末な扱われ方をされるようになります。裁判で有罪になった悪徳武器商人をテディたちが救おうとするシーンは、最も象徴的なシーンです。

そして、観ているこちらも、不思議な気持ちに襲われはじめます。「いったい、誰が正しいんだ?」と。反乱軍の秩序を保つために、親友を処刑するデミアン。「自由を勝ち取るためには、やむを得ない犠牲だ!」果たして本当にそうなのでしょうか?なんだか誰が悪いのか、わからなくなってきます。

その思いは、テディとデミアンの亀裂によって、いよいよ取り返しがつかないほど強くなります。たとえ完璧な自由ではなくても、これ以上の犠牲を出さないためにイギリスに歩み寄ろうとする兄。本当の自由を掴みとるため、さらに武器を取り、今度はまずアイルランド政府に襲いかかろうとする弟。おそらくどちらも間違っていないし、どちらも決して悪者ではないんです。しかし、物語は悲劇的な結末へ進んでしまいます。

もはや理想論でしかないのかもしれませんが、「やはり人は武器を手にしてはいけない」のだと僕は思います。どちらかが武器を取ってしまうと、必ず相手もまた武器を持ってしまう。これが、悲しいですが人間社会のサイクルなのだと思うのです。

どちらも間違っていなかろうが、明らかにどちらか片方が正義であろうが、やはり人は武器を取ってはいけない。武器による、暴力による解決を図ってはいけない。そんなことを改めて強く感じました。
[PR]
by inotti-department | 2007-01-11 21:28 | cinema
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
> フォロー中のブログ
> ファン
> ブログジャンル
> 画像一覧