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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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> 『イカとクジラ』 ~シュールでズレてる家族映画~
e0038935_00411.jpg満足度 ★★★★★★☆☆☆☆(6点)

『イカとクジラ』(2005、米)
監督 ノア・バームバック
出演 ジェフ・ダニエルズ ローラ・リニー

ブルックリンで暮らす4人家族、バークマン家。父は元売れっ子作家だが、最近は鳴かず飛ばずで大学講師暮らし。一方、母は作家デビューが決まり、父はあまり面白くない。2人の息子、ウォルトとフランクは、カフカやディケンズという言葉が普通に食卓で飛び交う環境で育ったためか、少し変わった一面を持っている。そんな中、夫妻に離婚話が持ち上がる。2人の息子は、1週間の半分ずつを父母それぞれの家で暮らすことになるが・・・・。


『イカとクジラ』。なんだかユニークなタイトルですが、ストーリーもまたとってもシュールな映画です。

家族の映画、ということになるんだと思います、一応。「ホームドラマ」というようなほのぼのした響きは全く似合わない映画ですが、そこで描かれているのは、ある1つの家族の姿です。不思議なストーリーに身を委ねているうちに、気が付いたらエンドロールになっていた、そんな感じでした。

面白い!という風に表現していいのかは正直わかりません。かといって、よくわからない、というような複雑な映画というわけでもありません。なんと言えばいいのか、本当に不思議な映画、としか言いようがないです。

少し変わった家族なんですが、元凶は誰だ、となったらやっぱりお父さんでしょう。このお父さん、全然人間ができてないんです。偏った理屈ばっかり述べては息子に悪影響を与えてしまうし、仕事がうまくいかないことに対しても言い訳ばかりだし、12歳の息子とテニスや卓球をプレイしてはムキになってしまうし。要するに、ただの子供みたいな人なんです。

かといって、お母さんが大人なのかといえば、そうでもありません。このお母さん、本心が非常に見えにくいのですが、僕にはナンダカンダで子供たちのことを深く愛しているようには感じられませんでした。本音を言ってしまえば、自分のことが誰よりも可愛い、というタイプの人なんだと思います。

そんな両親のもとで育った2人の息子。当然と言ってしまえば当然なんでしょう、少し変わったキャラクターになってしまっています。

お兄ちゃんのウォルトは、自分でも認めているように、お父さんに似たところがあります。プライドだけはやたら高いので、ほぼ女性経験がないのにプレイボーイぶったり、プロのロック歌手が作った曲を自作と偽ってコンクールで演奏してしまったり、読んでもいない小説を駄作と批判してみたり。

弟のフランクは、性に目覚めはじめ、そこらじゅうで自慰行為を繰り返しては精液をあちらこちらにこすりつけるイタズラを繰り返します。

要するに、4人とも、大人と子供の中間にいるような感じなんですよね。両親は大人なのに子供みたいな面をたくさん持っているし、息子たちはまだ子供なのに大人ぶろうと背伸びをしています。そして誰も、互いの本当の気持ちを掴むことができません。家族なのに・・・。

皮肉がきいているなぁと思いますが、とてもシャープな視点だよな、と感心しました。家族というものの本質を、ある意味とても鋭くついていると思います。子供たちは、自分たちが大人に近づくにつれ、自分たちの親が実はそれほど大人ではないということに気付きます。そんな時期のことを、「思春期」と呼ぶんですよね。こういう家族の現象って、万国共通なのではないでしょうか。これがもう少し成長すると、子供ももっと寛容になるんですけどね。そして、改めて親への感謝の思いを強くする。そういうものではないでしょうか。

普通の映画だと、そんな関係が、後半何らかの変化を見せるものなのですが、この『イカとクジラ』に関してはそのままパタっと終わってしまいます。「あれ、もう終わり?」というのが僕の感想でした。

最後に少しだけネタバレしちゃいます。この家族は、最後に少しはわかりあうことができたのか?非常に微妙なところです。お母さんとの子供の頃の記憶を思い出したウォルト。お母さんに「覚えてる?」と聞きますが、結局その答えはウヤムヤになってしまいました。僕は、なんとなくの感覚として、お母さんはきっと覚えてないんだろうなぁと感じました。

一方、お父さんは、その無駄に高いプライドをかなぐり捨てて、お母さんに復縁を提案します。でも、お母さんはその提案を、鼻で笑ってしまいます。これ、お父さんには相当ショックだったろうなぁと思います。きっと、お母さんなりの、お父さんに対する復讐という意味もあったんだと思います。ちょうど、オープニングのテニスシーンで、お父さんがお母さんに対してしたことと同じように。

ただ少なくとも、エンディング近く、家を出て行った猫を追いかけたあの瞬間、やはりあの4人は家族になっていたと思います。わかりあうことも出来ていないし、何も状況は改善されてはいないのだけれど、それでも家族であることをやめることはできないんですよね。

チグハグなダブルスをこれからも続けていくであろうその家族の未来を案じつつも、うまくいくといいなぁって、そんなことを感じました。
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by inotti-department | 2007-02-25 00:42 | cinema
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
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