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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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> 『バットマン・ビギンズ』 ~シリーズの新たな1ページ~
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満足度 ★★★★★★★★☆☆(8点)

『バットマン・ビギンズ』(2005、米)
   監督 クリストファー・ノーラン
   出演 クリスチャン・ベール  マイケル・ケイン 


シリーズものの途中で、キャストやスタッフが変わることはよくあること。
最近だと、『ハリー・ポッター』がそうだし、今年新作が公開された『マスク』なんかもそう。

そして、たいていの場合、新キャスト&スタッフに対するシリーズファンの風当たりは、恐ろしく強い。
まぁ、よく考えれば、それも当然なんだけれど。だって、そのシリーズのファンになるっていうことは、シリーズ第1作に魅了されてそうなったというパターンがほとんどなのだから。急にキャストとか世界観が変わったら、なにかとケチをつけたくなるのがファン心理というものだ。

だから、シリーズの途中から登板する人たちって、本当にかわいそう。「お手並み拝見」って感じで厳しく見られるうえに、結果を褒められることはほとんどない。

そしてまた、ひとりの若き映画監督が、そんな厳しい戦いに身を投じた。クリストファー・ノーラン。『メメント』で一躍脚光を浴びた、ハリウッドのニューウェーブの旗手ともいえる存在だ。

シリーズは、なんとあの『バットマン』。観たことはなくても、ほとんどの人がその名前ぐらいは知っているだろう、超有名シリーズだ。

『バットマン』といえば、なんといっても初期2作を撮った奇才ティム・バートンのイメージが強烈だ。さぁ、果たして若き天才は、ハリウッドNo.1の奇才を超えることができたのか?

さて、簡単なあらすじ。
幼いとき、目の前で両親を殺されたブルースは、心に闇を抱えたまま大人になる。闇の正体は、恐怖。恐怖に打ち勝つ強さを手に入れるため、ブルースはヒマラヤで修行をする。修行を終えたブルースは、故郷ゴッサム・シティへ戻る。そこは、悪と汚職がはびこる犯罪都市となっていた。ブルースは悪を掃討するため、バットマンとなり、夜のシティへ飛び出して行くが・・・。

『ビギンズ』というタイトル通り、この作品は、スターウォーズでいうところの「エピソード1」のような位置づけだ。いかにして、バットマンは誕生したのか?ブルース・ウェインが抱える心の闇とは?

両親が目の前で殺されたエピソードに関しては、バートンが作った第1作でもチラっとは触れられていた(実際には、第1作ではその犯人はジャック・ニコルソン演じる”ジョーカー”ということになっていたから、この『ビギンズ』とは別の話ということになるのだが)。しかし、ここまでバットマンの心の闇に迫ったのは、シリーズの中でもこの作品だけだ。

バートンが作った2本の作品は、明らかに娯楽路線。さらに、そこに監督独特のオタクパワーが注入されることで、見事なファンタジー世界が構築されていた。派手な映像、個性的な悪役たち、シンプルなストーリーと、とにかく楽しい映画になっている。実際、いま改めて見直しても存分に楽しめる、見事な娯楽大作だ。

しかし、ノーランは、バートンの土俵には上がらなかった。娯楽路線、コミカルなファンタジー路線では、バートンが作り上げた”バットマン・ワールド”を超えることはできない。だったら、自分にしか描けない”バットマン”を作ろう。そして、ノーランが出した答えが、バットマンの内面に鋭く迫ることだったのだ。

この選択は、大成功だったと思う。結果、『バットマン・ビギンズ』は、シリーズ中最も暗いが、シリーズ中最も壮大で、そしてシリーズ中最も見ごたえのある傑作となった。「楽しい映画」となるとバートン作品に軍配があがるが、「面白い映画」となると、僕はノーラン作品の方が一枚上手だと思う。

<以下の感想、ネタバレ含みます。未見の方、ご注意ください>

正直言って、最初の修行のくだりは長すぎる。ここで退屈してしまう人もいるかもしれない(日本人の場合、ケン・ワタナベが出てくる唯一のところだから、別の楽しみ方ができるのだが)。ただ、結局ここで悶々と描かれることが、この作品の根幹なのだ。恐怖の正体とは何か?その恐怖に打ち勝つにはどうすればよいのか?本当の正義とは何か?

この苦悶のときを乗り越えて、ブルースが出すひとつの結論。
自分は、悪を倒す。シティから、悪を全て一掃する。そしてそれは、自分の中に棲みついた恐怖を追い払うための戦いでもある。
こうして、バットマンが誕生するのだ。

そして見逃せないのが、物語の展開の巧みさ。豪華キャストを配してたくさんのキャラクターを登場させているが、そのそれぞれがとても効果的なのだ。ファルコーニが黒幕と見せかけて、裏にはラーズの存在が・・・という飽きさせないスリリングな展開も良い。

ラストも素晴らしい。バットマンの正体を知ったレイチェルが、ブルースに告げる言葉。
「あなたの本当の顔はバットマン。ブルースは去った。でも、きっといつか会える」
バットマンとしての終わりなき戦いをスタートしたブルースにとって、もはやブルースという人格こそが陰の存在になってしまうのだ。しかし、その宿命を、ブルースは静かに受け入れる。

さて、ノーラン監督はバートン路線と別の道を行くことで映画を成功させたと先ほど言ったが、実はこの『バットマン・ビギンズ』、第1作の『バットマン』を随所で上手く利用していることも見逃せない。

まずそもそも、ブルース=バットマンということは皆最初からわかっているわけで、それがあるからこそ最初の修行シーンをあれだけ長く描けるのだ。観客は、「この修行を経てバットマンになるわけだな」と、ドキドキしながら先の展開を期待することができるというわけだ。

バットマンが運転する車”バットモービル”もそう。ティム・バートンがとても魅力的にこの車を描いたために、”バットモービル”はバットマン・ファンにとっては特別なものになっている。それを逆手にとって、ノーランは、車の初登場シーンをやや大げさに描いている。そして、そのシーンには、やはりとても感慨深いものがあるのだ。

そして、ラストシーン。事件が解決し、ゴードン刑事はバットマンを呼び出す。「暴力は暴力を招き、仮面は仮面を呼ぶ。次の敵は、こいつだ」
指し示すトランプのカード。そこに写っているのは、「ジョーカー」。

この「ビギンズ」と旧シリーズは、繋がっているようで繋がっていない部分が多いのだが(設定以前に、そもそもみんな顔が違うしね)、最後は強引に「ジョーカー」で結びつけてしまう。ちなみに、「ジョーカー」とは、第1作でジャック・ニコルソンが怪演した悪役の名前である。ひょっとしたら、これは、”バットマン・シリーズ”をずっと観てきたファンに対する、監督なりのサービスだったのかもしれない。

どこまでも抜け目のない140分。
『バットマン・ビギンズ』のタイトルにふさわしい、シリーズの”エピソード1”にして、最高傑作の誕生だ。
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by inotti-department | 2005-08-26 01:55 | cinema
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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