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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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> 『容疑者 室井慎次』 ~”踊る”シリーズ史上最低の凡作~
e0038935_1459504.jpg満足度 ★★★★☆☆☆☆☆☆ (4点)

『容疑者 室井慎次』(2005、日)
    監督 君塚良一
    出演 柳葉敏郎  田中麗奈  筧利夫

僕は、熱烈な”踊る大捜査線”フリークではない。
映画版の第1作を劇場で観たとき(あれはたしか、公開後すぐの土日だったはず)、周囲の熱気の凄さを実感して(みんな、映画がはじまるまでの待ち時間に、自分たちの”踊る”知識のお披露目会を行っていた)、「あ、こんなに人気あるんだー」と驚いた記憶がある。

特別な大ファンではないのだが、これまで、テレビドラマから映画まで全てのシリーズを一応観てきた。

僕が感じる”踊る”の最大の魅力は、「緩み→緊張」「笑い→涙」「ストレス→カタルシル」への劇的なまでに爽快なジャンプ力。ダラダラ、イライラ、ニヤニヤしながら観ていた軽いタッチの物語が、ある瞬間を機に、突然変化する。そのメリハリがすごい。さんざん笑わされることで生まれる感情の高ぶりは、ふとした展開ですぐに涙に変わってしまう。

そして、それを生み出すのが、愛すべきキャラクターたち。青島、室井、和久さん、真下、すみれ、スリーアミーゴス、などなど。キャラクターがしっかり確立されているから、たとえどんなに事件の内容がつまらなくても、毎回泣きどころや笑いどころが用意されるのだ。とりわけ、キャリアである室井と、現場の所轄のメンバーが心を通わせるシーンなどを見ると、僕はいつも胸が熱くなってしまう。

そんなわけで、要するに、僕は”踊る”シリーズ、けっこう好きなのだ。
と、なぜ最初にこんなことを書くかというと、これから批判・不満をいろいろと述べなければならないからなのだ。”踊る”をそれなりに愛するものとして、それはとても心苦しいのだが。

『容疑者 室井慎次』は、シリーズ史上最低の凡作になってしまった。残念ながら。

簡単なあらすじ。
室井、突然の逮捕。ことの発端は、ある事件だった。若い男が殺され、殺害の疑いをかけられたのは、交番勤務の警官。執拗な取調べに耐えかね、警官は逃走した。その途中、車ではねられ即死。警官の母親は、息子が取り調べで暴行を受け自白を強要されたとして、告訴する。その相手が、捜査の責任者であった室井。一方、警察庁と警視庁は、この一件を権力争いに利用しようとして、責任のなすりつけあいを開始。さらに、エリート弁護士軍団は、執拗なまでに室井を陥れようとし、真相を究明しようと奔走する室井を妨害する。室井逮捕の裏にひそむ、真相とはいったい?

<ここから、ネタバレも含みます。未見の方は、ご注意ください。>

この映画、なんだか最初からちょっと様子がおかしい。
殺人容疑で交番の若い警官が取り調べ。逃走して、事故で死亡。その映像のいいかげんさも含めて、なんだかどうもピンとこないのだ。とりあえずわかるのは、「この事件の裏には、巨大な何かが隠されているのだろう」という予感だけ。

さらに、室井の逮捕。その理由も含め、これもまた全然ピンとこない。『容疑者 室井慎次』っていうタイトルを掲げている以上、ここが話のメインにならなくちゃおかしいのだが、なんだかすごく陳腐なのだ。僕はてっきり、室井に殺人容疑でもかかるんだとばかり思っていた。

しかも、あっさりと釈放される。これも、ピンとこない。なんだか、全然気持ちが乗ってこないのに、話ばかりが進んでいく。気が付いたら、室井は停職を言い渡され、さらに辞職を迫られる。なんだなんだ、話はどんどん進んでるぞ。

事件や謎の素材自体に、僕はこれっぽっちも魅力を感じることができなかった。しかし、物語はどんどん大風呂敷を広げていく。現職警官の殺人容疑と、取調べ中の死亡。警察キャリアの逮捕。そのバックで蠢く、警察庁と警視庁の権力闘争。さらに、何かを企む怪しい弁護士軍団。さぁ、その裏にある真相とは!?製作側は、この時点で観客の気持ちは相当に盛り上がっていると踏んだのだろうが、それは大きな間違い。ピンとこないまま話ばかりが進んでいくから、気持ちが少しもついて行かないのだ。

こうなったら、もうあとは真相に期待するしかない。室井がハメられたことと、警察の権力闘争と、弁護士の陰謀が、どうやってあの小さな殺人事件のもとに繋がるというんだ?さぁ、驚かせてみせろ!スッキリさせてくれ!!(まぁ、実のところは、そんなに真相が気になっているわけではないのだが・・・。)

事件の裏にあったのは、杏子という女性を巡る三角関係。警官と被害者は、杏子をとりあっていた。被害者が邪魔になった杏子は、チンピラみたいな友人に、殺害を依頼。警官は真相を知りながら、杏子をかばっていたのだ。

あれま、またずいぶん陳腐なのね。まぁいいや、それはいいとして、弁護士たちの狙いは?どうしてあんなに室井の邪魔をしたの?

それは、杏子の父親に弁護を依頼されたから。真相を隠すために、被害者の母親に接近し、無理やり告訴させた。室井の動きを封じるため。全ては、お金のため。

・・・・。で、警察の権力争いは、見てのとおりということか。殺人事件に、弁護士や警察幹部たちが関わっていたっていうわけではなかったのね。おしまい。

狙いはわかる。そういう小さな小さなことに振り回される、警察や法というものを描こうとしたのだろう。そして、その狭間で苦悩する室井。そう、室井や青島が現場を通じて戦ってきたものは、いつだってそういう権力の横暴さだったのだ。ある意味、”踊る”シリーズの真骨頂といえなくもない。

しかし、それにしてもちょっとヒドすぎやしないか。これでは、何のカタルシスも、何の盛り上がりもない。あるのは、ただただ虚しさばかり。

無駄に思わせぶりなシーンが多いのもクエスチョン。一瞬だけ登場した大杉漣は、何だったのだ?さも、事件の真相に警察か弁護士が関与していそうな雰囲気をかもし出していたのは、いったいどういうこと?煽るだけ煽って、最後の空虚さをより鮮明に出そうとしたというのなら、ちょっと観客をバカにしている。どうせシリアスにやったって高が知れているんだから、もっとエンタテインメント性を追及しなくちゃ。”踊る”シリーズって、いつもそうしてきたじゃないか?

と、けなしてばかりでも虚しいだけだから、良い点を褒めよう。俳優たちは、それなりに健闘している。柳葉の”静の芝居”も素晴らしかったと思う。ただ問題なのは、やはり主役では、室井の良さが生きないということ。彼の”静”は、青島やすみれの”動”があって、はじめて生きるのだ。でも、これは、柳葉の責任ではない。彼は、主役の責任を、十分に全うしたと思う。

脇役陣もよかった。田中麗奈、柄本明、八嶋智人、筧利夫。みんな、いい味を出していた。脚本がよければ、もっともっと見せ場がつくれたと思う(特に、柄本。最後、彼がビシっと締めると期待してたんだけど。どうして、放置しちゃったんだろう)。

この映画の中で、唯一といっていいぐらい見ごたえがあるのは、室井が学生時代の切ない過去を語る場面。あそこは、確かに素晴らしい。静寂の中で訥々と語られる、室井の独白。一言も漏らすまいと、観客全員が耳をじっと傾けている緊張感が、劇場内にはあった。最も、印象深いシーンだった。

しかし、と僕は思ってしまう。室井のああいう過去。やや嫌な言い方をすれば、”とってつけた”ようにも感じられるぐらい、唐突に語られた過去。果たして、こういうエピソードが、”踊る”シリーズに本当に必要なのだろうか?最初のテレビシリーズで語られるならともかく、今さら明らかになったところで、かえって今後作られるであろう本編第3弾にとって、それは足かせになりやしないか?

あのエピソードは、この『容疑者 室井慎次』というサイドストーリーに色づけするためだけに安易に描かれたのではないか?そんな気がしなくもないが、本当のところはどうなのだろう。
ただの僕の邪推にすぎなければいいのだが。
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by inotti-department | 2005-09-07 11:20 | cinema
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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