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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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『魔女の宅急便』 ~ジブリ映画の最高傑作!~
満足度 ★★★★★★★★★☆ (9点) 『魔女の宅急便』(1989、日) 監督 宮崎駿 声の出演 高山みなみ 佐久間レイ 戸田恵子 仕事から帰ってテレビをつけたら、『魔女の宅急便』をやっていた。 子供の頃、はじめて夢中になった映画、そして心の底から感動した映画、それがこの『魔女の宅急便』だった。 僕の中では、大人になったいまでも、最も大切な作品のひとつになっている。 だから、もう、何度も何度も見ている。ストーリーも、ほぼ完全に把握している。 ちなみに今夜10時から、『魔女』の裏では、TBSで『ドラゴン桜』が最終回。 さーて、どっちを観よう。10時になったら、チャンネルを変えようか。 うーむ。うーむ。 そして結局、僕は最後まで、このアニメ映画を観てしまった。 「ジブリは初期のほうがいい!」という人が多いが、僕も同意見。 とりわけ、『魔女の宅急便』は、『トトロ』と並んで、僕の中ではジブリ史上最高傑作と思っている。 簡単なあらすじは、こんな感じ。 13歳のキキは、自立するために、魔女の村を出て人間社会に飛び込んでいく。相棒は、黒猫のジジ。最初は新しい町に戸惑うが、パン屋のおソノさんら親切な人たちに囲まれ、次第にとけこんでいく。キキは、空を飛べる力を活かして、宅急便の仕事をスタートさせる。 冒頭の旅立ちのシーンから、美しくて気持ちのよい映像に魅了される。 特に、村から飛び立ったキキの姿にタイトルテロップが重なり、ユーミンの歌が流れるオープニングは、本当に素晴らしい。 そして、この映画の最大の魅力は、愛すべきキャラクターたち。 黒猫のジジのトボけたキャラも最高だし、トンボ、おソノさん、その旦那、パイを焼くおばあさん、そのお手伝いのおばあちゃん、画家の卵ウルスラなど、脇役たちがみんな温かくて魅力的な人たちなのだ。 物語は、あえて裏側を読む必要などないぐらいに楽しいストーリーなのだが、あえていうならば、「自分さがし」、そして「子供から大人になる」ということを描いた作品なのだと思う。 せっかく親しくなったトンボが、華やかな友達たちと話しているのを見て、キキは急に元気をなくしてしまう。キキの身なりは、地味で質素。それに、自分は魔女。普通の女の子とは違う。落ち込むキキは、好意を抱いていたトンボを自分から遠ざけてしまう。 こういう気持ちって、別に魔女じゃなくて人間でも、誰しも共感できるはず。そう、13歳って、必要以上に周囲と自分を比べてしまう時期。ちょっとしたことがすごく気になって、落ち込んで、自分に自信が持てなかったりする。 そして、キキは空を飛べなくなってしまう。さらに、ジジの声も、理解できなくなってしまう。 キキの台詞に、こういうものがある。「小さい頃は、何も考えなくても飛べた。でも今は、どうやって飛んだらいいのかわからない。」 この「飛ぶ」という言葉は、そのまま「生きる」という言葉に置き換えられると思う。 小学校ぐらいまでは、ただ毎日をガムシャラに楽しく生きていれば、余計なことを考えなくてもなんとかなったりする。 それが、13歳ぐらいになると、急に「生きる」ということが大変なことに感じられるようになるのだ。そして、ちょっとしたことで、まるで”世界の終わり”が来たかのように、悩んでしまったりする。 混乱状態のキキを、周囲の人々が温かく包みこんでくれる。そして、大切な人・トンボの大ピンチ。彼を助けるため、キキは再び空へ舞い上がる。 生きる力をくれるのは、周囲の人たちのやさしさや励まし。それから、自分は自分、他人と比べる必要なんてない、という気付き。そして何より、大切な誰かを想う気持ち。 キキがフラフラしながらも空を飛ぶシーンは、この映画の中で一番大好きな場面だ。そして、そんなキキに、町の人たちが一斉にエールを送る。僕は、何回観ても、ここで泣いてしまう。 そして、トンボを助けたキキは、少し大人になった自分を感じながら、新たな生活をスタートさせる。もう、飛び方のわからなかったキキは、そこにはいない。いや、また何かに悩み、飛び方が分からなくなる日がくるかもしれない。でも、大丈夫。彼女には、たくさんの仲間がいるから。 この映画が素晴らしいのは、そういういろんなメッセージを含みながら、それを声高に叫ぶことなく、ひたすら爽やかで楽しい映画でありつづけている点だ。『トトロ』にも、同じことが言える。 『千と千尋』や『ハウル』『もののけ姫』にも確かに見所はあるし、そのメッセージ性の高さはやはり素晴らしい。 でも、僕には、『魔女の宅急便』のようなシンプルで楽しい作品のほうが、ずっと心の奥深いところにまでメッセージが届いてくる。 メッセージっていうのは、メッセージそのものとしてダイレクトにアピールするよりも、ストーリーの中でさりげなく表現するほうが、ずっとずっと心に響くと僕は思うのだ。 こんな映画を、もう1度、ジブリには作ってほしいと、いつも思っているのだけれど。 そう、たとえば、僕に子供が出来たら。僕が伝えたいメッセージを、一番シンプルに、そして楽しく表現してくれる映画を見せるとしたら? 僕は迷わず、『魔女の宅急便』を見せたいな、と思う。 というより、隣に並んで、一緒に見たいな、と。 なんか、自分のほうが、夢中になってそうな予感もするけれど(笑)。
by inotti-department
| 2005-09-17 00:21
| cinema
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映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
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