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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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2005年 12月 04日 ( 2 )
映画『春の雪』 ~価値ある日本映画!しかし・・・~
e0038935_2113151.jpg満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7点)

『春の雪』(2005、日)
     監督 行定勲
     出演 妻夫木聡  竹内結子

僕の大学時代の恩師が最も敬愛する作家、それが三島由紀夫だった。そして、その恩師が三島の最高傑作と称してやまなかったのが、『豊饒の海』4部作だった。

また、僕の大学時代からの親友で、卒論で三島由紀夫について書き上げた男がいるのだが、彼は「豊饒の海シリーズの中でも、圧倒的に面白いのが、第一作の『春の雪』」と断言していた。

そんなわけで、生まれて1作も読みきったことのなかった三島作品(実は高校時代に1度チャレンジしたのだが、文章がスーっと入ってこず、やがて挫折してしまった経験がある)に、『春の雪』で今さらながら初挑戦したのだ。よくある”「読んでから観る」or「観てから読む」”論争で言えば、僕は前者の道を選んだのである。

で、先読みの感想。いやぁ、ぶったまげました!すんげえ面白い。そんな陳腐な言葉で表現していいのか悩ましいほどの、圧倒的な読み応え。とにかく素晴らしいのが、その表現力、描写力。ページを10ページ進めても、表面的な物語は何一つ進んでいなかったりもする。しかし、その圧倒的な日本語表現の豊かさによって、激しく心揺さぶられ、感動的なまでにその風景や情感が変化するのだ。まさに、小説を読むということの醍醐味が、その文章には満ち溢れていた。

そして、映画版をついに観た。監督は、『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』でお馴染みの行定勲。僕の大きすぎる期待に見事に応える、堂々たる日本映画の良作に仕上がっていた。でも一方で、原作を先に読んだがゆえの、不満や違和感もチョコチョコと・・・。

では、まずはあらすじ。
松枝侯爵の息子・清顕。汚されることを嫌い、常に冷静さを保つ彼が唯一ペースを乱される相手、それが綾倉家の娘・聡子の存在だった。2人はやがて互いの想いを確認しあい、深く愛しあうようになる。しかし、そんな中、聡子に宮家との政略結婚の話が持ち上がる。2人は別れを余儀なくされるが、聡子を諦めきれない清顕は、許されぬ愛へと踏み出していく・・・。

<以下、ネタバレ含みます。未見(あるいは未読)の方は、くれぐれもご注意ください。>

まず素晴らしい点。それは、ナレーションという手法を用いなかった、ということ。これは驚いた。原作において丹念に丹念に綴られるのは、清顕の繊細で複雑な心の揺れ、葛藤。それをしっかり表現するためには、おそらく映像とセリフだけでは辛いだろうから、ナレーションである程度清顕に語らせるしかないだろう。僕はそう予想していたのだが、行定監督はそういう安易な方法は取らなかった。あくまでも、映像と音楽とセリフと役者の表現で勝負する。その意気込みが、素晴らしいと思ったのだ。

しかし、ひょっとすると、その手法を取ったことが、この映画の方向性を決定したのかもしれない(詳しくは、またのちほど)。

脚本も大健闘。あれだけの壮大な物語だ。どこを使ってどこをカットするか、とても困難な作業だったと思うのだが、ベストとは言わないまでもベターな凝縮版になっていたと思う。行定監督は、原作ものの映画化を好む人だが、決して物語を破綻させない。そのバランス感覚は、いつもながらスゴイなぁと感心させられる。

映像も美しい。大正という時代の空気。現代的かつ中世的、そして東洋的かつ西洋的、そんな特殊で神秘的な時代を、見事にスクリーンに表現できていたと思う(って、オマエ生まれてないやろ、と自分にツッコミ(笑))。話はそれるけど、あの時代の上流階級の人ってオシャレだったよなー、なんてことを感じた。日本人にも、あんな風にオシャレできていた時代があったんだなぁ。

そう、とても良い映画なのだ。今年観た日本映画の中でも、間違いなくトップの方にくる出来ばえだったと思う。それに、三島由紀夫という日本人が世界に誇るべき才能の再評価を新たに促したという点でも(現に、僕はこの映画がきっかけで三島文学と出会うことができたのだ)、とても価値ある日本映画だったと思うのだ。

と、ここまで褒めちぎっておいて、以下に苦言を書きます(笑)これは僕の個人的な感じ方なので、もちろん人それぞれだとは思いますが。

<ということで、以下、ネタバレしつつ言いたい放題。>

ひとつ気になったこと。それは、「原作を読んでいない人にとって、この松枝清顕という人物は、どういう風にとらえられたのだろう?」ということ。ひょっとしたら、ただのクソガキ、ハナタレ小僧。そんな風にしか、映らなかったのではないだろうか?

しかし、原作を読んだ方はおわかりだと思いますが、ことはそんなに単純ではない。この男、ものすごく屈折していて、面倒くさい男なのだ。

清顕という男。彼は、美しいもの、あるいは美しくあることを好む。彼にとって、感情を表に出すというのはとても醜い行為なので、彼は常に冷静でクールでいようとする。また、他人から支配されることも好まない。しかし、そんな彼が唯一そのペースを乱される相手、それが聡子なのだ。

例えば、序盤に、聡子から「私がいなくなったら、清様はどうする?」と問いかけられ、清顕がその晩に聡子が死ぬ悪夢を見るというエピソードがある。これなどは、まさにその象徴。そしてその後、聡子の問いの意味を知り、安心すると同時に自分を弄ぶ聡子に腹を立てた清顕は、聡子に仕返しに屈辱的な手紙を送るのだ。

このあたり、清顕という人物を表現するうえですごく大事なシーンだったと思うのだが、うーん、どうだろう。あれだけサクっと物語を進めてしまって、果たしてちゃんと伝わっただろうか?僕は不十分だったと思う。

それから、本多という友人に関して。原作における彼の位置づけはすごく微妙で、清顕のそういう繊細な面を最も理解し、最も嫉妬し、最も愛した男。それが、この本多という男なのだと僕は感じた。ところが、この映画版においては、本多のそういうカリスマ性のようなものが、全く表現されていないのだ。それどころか、前半の使われ方などは、清顕と聡子の恋愛模様を盛り上げるための一道具のようになってしまっていた。これは、すごく残念な点だった。

小説『春の雪』を読んで、僕が感じたこと。それは、「絶対的な美を愛し、全てを自分の思い通りに支配することを望む男が、その信念(美意識)と、それに反する聡子への感情の狭間で激しく葛藤する物語」ということだった。小説は、その葛藤を堂々と5:5の比率で描いているが、映画版はその比率が若干違うのだと思う。4:6か、あるいは3:7か。とにかく、信念とか美意識うんぬんの話は薄めておいて、ラブストーリーとしての側面が濃くなっているのだ。小説と映画における本多のキャラクターの違いなどは、まさにその象徴だと思う。そして、先に書いたナレーションの有無という問題も、ひょっとするとこのあたりに理由があるのかもしれない。

ちなみに、映画は2時間半あるのだが、聡子の政略結婚が決定するまでがちょうど1時間。そして、その後の禁断の愛が1時間半。このバランス、僕は逆で良かったかな、という気がする。前半部分にもっと時間を使えば、もっと清顕の人物像を掘り下げることができたと思うのだ。

僕が、この物語の最大のハイライトだと思うシーン。それは、聡子の婚約以来、沈黙を守っていた清顕が、ついに意を決して聡子に会いに行くシーン。そして、そこで2人は、ついに結ばれる。

ここ、小説と映画でハッキリ方向性が分かれた象徴的なシーンだと思う。まず、小説。この決断に至る清顕の葛藤の描写が、もう圧巻なのだ。美意識か、聡子への素直な想いか。どちらを取るかで葛藤した清顕の心に訪れる、ある発見。誰もが反対し、絶対に許されぬこの状況で、聡子を愛すること。これこそ、全てを自分が支配するということではないか!これこそ、究極的に美しいということではないか!2つのベクトルで揺れ動いた清顕の心が、ついにひとつとなって飽和する瞬間。動き出す清顕。これがスゴイのだ。

一方、映画。破り捨ててしまった、聡子からの手紙。その欠片を拾いあげた清顕が目にする、「清様」の文字。愛する聡子、僕はやはりあなたを愛している!走る清顕。悪くない。でも、うーん、ちと浅い!でも仕方ない、映画は前半で、美意識うんぬんの話をほぼ放棄しているのだから。恋愛物語として動き出してしまった物語は、こうやって進むしかないのだ。

これを、役者のせいにするのは酷だと思う。確かに、原作をベースに考えるならば、妻夫木聡は清顕の屈折した繊細な心を表現しきれていたとは言いがたい。ひょっとしたら、彼の子供っぽい一面が、今回は悪い方向に作用してしまったかもしれない。でも、彼が演じたのは、小説ではなく、あくまでも脚本なのだ。脚本がラブストーリーとしての側面を重視した以上、彼の演技もそうなってしかるべきだ。そういう意味で、妻夫木聡の演技は、よく頑張っていたと思う。

竹内結子も良かった。特に、僕がハッとさせられたのは、「聡子が書いた手紙を宮家にバラされたくなかったら、僕とこれからも会いつづけろ」と脅す清顕に、困ったような顔をしながら、でも喜びを隠せないという聡子の表情の芝居。これは素晴らしかった。本音を言うと、僕がイメージしていた聡子にはもう少し”魔性”的なところがあったのだが、まぁでも、竹内版聡子も十分に魅力的だったと思う。

長くなりました。でも、こんな風にいろいろと言いたくなる。それだけの魅力が、この映画にはあるということ。そろそろ公開も終わりますが、興味がおありの方は、ぜひ劇場でどうぞ。そして映画を楽しまれた方、ぜひぜひ原作もどうぞ。
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by inotti-department | 2005-12-04 22:44 | cinema
『イン・ハー・シューズ』 ~家族の愛は、全てに勝る~
e0038935_03565.jpg満足度 ★★★★★★★☆☆☆(7点)

『イン・ハー・シューズ』(2005、米)
   監督 カーティス・ハンソン
   出演 キャメロン・ディアス  トニ・コレット

「あなたは、どんな映画が好きですか?」

こんなバックリした質問をされたら、とっても答えに困る。「アクションもの」とか「ハッピーエンドの話」とか、答え方は人それぞれだと思うけれど、僕ならウーンと考えたあと、おそらくこう答える。

「家族もの。もしくは、友情もの。」

家族や友達の物語、僕は大好きなのだ。特に、仲の良くなかった家族(友人)が仲直りする話とか、ケンカばかりしてる友人同士(家族)がナンダカンダで固い絆で結ばれてる話とか、もうたまらないものがある。

で、この『イン・ハー・シューズ』である。
気のせいだろうか、この映画、あまり話題になってない気がする。でも、いいですよ、この映画。すごく良い。とりあえず、僕が先に挙げた2つの要素を、この映画はパーフェクトに満たしている。

女優2人も素晴らしい。キャメロン・ディアスは、魅力全開。この前テレビでSMAPの稲垣吾郎が「キャメロンを嫌いな男はいないでしょう」って言ってたけど、なんかわかる気がする。アップになると、さすがに肌の衰えも見えはじめてきたが、でも持ち前のキュート&セクシーっぷりは相変わらず。姉役のトニ・コレットも、はじめて観たけど魅力的な女優さん。今回は”ブサイク役”だけど、この人、とてもキレイな顔をしていると思う。表情とか仕草の演技がなかなかウマくて、すごくいい味を出していた。

ではでは、あらすじの紹介。
堅物の女性弁護士ローズの頭痛の種は、美人だが生活が乱れっぱなしの妹・マギーの存在。その夜も、ローズが彼氏と過ごしているところに電話が入り、迎えに行くと、マギーはベロベロに泥酔していた。義母から家を追い出されたマギーを、ローズは仕方なく家にあげる。しかし、ローズの家でマギーが起こしたある事件がきっかけで、2人の間には修復しがたい亀裂が生じてしまい・・・。

<以下、ネタバレ含みます。未見の方は、ご注意くださいませ。>

決して派手さはない話だが、その語り口に関しては、ほぼパーフェクトと言っていいぐらい欠点が見当たらない。

主人公の姉妹のキャラクター設定が、それぞれにとても素晴らしい。性格も仕事も恋愛も全く正反対の2人。お互いに、自分の人生観とあまりにも違う生活を送る相手に対してイライラを隠そうとしない。そして妹は、姉に反発するあまり、とんでもない過ちを犯してしまう。

ひょっとすると、映画を観た方の中には、このエピソードの時点で主人公マギーに見切りをつけてしまった人もいたかもしれない。たしかに、このマギーの行動は、許しがたいぐらいに残酷なものだ。でも、この映画の見事なところは、ここに至るまでの描写がとっても丁寧な点。例えば、マギーがこの行動に至るまでの葛藤。彼女なりの孤独と恐怖、そして、それを姉に理解してもらえなかった悲しみと嫉妬。そういった心の揺れを、映画は丁寧に描いているため、余計にこのエピソードが生きるのだ。まぁ、だからといって、許されるってもんでもないだろうけど(笑)

それから、姉妹がカフェで笑いあうシーン。物語を進めるうえではなんてことないシーンなんだけど、こういうシーンをさりげなく前半に織り込んでいるところもウマい。2人が性格が違っても、心の底の部分では固い絆で結ばれているということが伝わってきて、とても微笑ましい。

そして、終盤。ローズの婚約者サイモンは、妹のことなど自分のことをほとんど話そうとしない秘密主義者のローズに嫌気がさし、婚約を解消してしまう。そこでの、涙を流しながらのローズの告白が感動的。「妹の話はできない。それをしたら、妹がサイモンから嫌われてしまうから・・・」

どうだ、この姉妹愛!絶対には許さないとか口では言いながらも、やっぱり妹への愛情は揺るぎないのだ。さらに、母の死因が実は自殺だったということを、妹を守るためにローズがずっとマギーには隠していたことが判明して、僕は完璧にノックアウト。いやぁ、参った。素晴らしき、家族愛。それが女同士っていう点が、またグッドなのだ。家族もののような、友情もののような、どちらにせよ清々しい感動が、この映画にはある。

やっぱりいいよね、家族って。どんなに許しがたいようなことをされても、どんなに救いようのないケンカをしようとも、家族はやっぱり家族なのだ。それは、決して揺るがない。例え世界中が敵になろうとも、唯一守ってくれる人。家族の愛は、全てに勝る。


と、ちょっとクサイことを言ってしまいました。ま、要するに、家族フェチなのです(笑)

もしも同じようなご病気をお持ちの方がいらっしゃいましたら、この映画、ぜひぜひオススメします。あ、もちろん、そうでない方にも(笑)。誰が見ても決して不満のでない、そんな良作だと思います。
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by inotti-department | 2005-12-04 01:01 | cinema
   
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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