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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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2006年 01月 10日 ( 1 )
『ある子供』 ~子供が子供をもつ覚悟~
e0038935_2344298.jpg満足度 ★★★★★★☆☆☆☆(6点)

『ある子供』(2005、ベルギー=フランス) 
 監督 ジャンピエール&リュック・ダルデンヌ
 出演 ジェレミー・レニエ デボラ・フランソワ

20歳の青年ブリュノは、盗んだものを売りさばくことで生計を立てて暮らしている。そんなある日、彼の恋人・ソニアが、子供を出産する。退院したソニアはさっそくブリュノと連絡をとろうとするが、なかなか電話が繋がらない。やっと会えたと思っても、ブリュノは何の喜びも示さず、赤ちゃんに対する愛情も全く見せない。そしてブリュノは、深く考えもせず、盗品を売るかのように赤ちゃんを他人に売ってしまい・・・。

リアリズムVSエンタテインメント。
世の中には、徹底的に現実というものをシビアに直視するような映画もあれば、現実社会をふと忘れさせてくれるようなイマジネーション豊かな映画も存在する。

で、この『ある子供』という映画は、典型的な前者タイプ。
そして、僕はどっちが好きかというと、やっぱり後者のほうが好きなんだよなぁ。

スゴイ映画だと思う。BGMは全くなし。ナレーションも、説明的なセリフも皆無。要するに、映画的な、あるいはフィクションとしての全ての要素を取っ払って作られた映画なのだ。

いっさい装飾がないにも関わらず、圧倒的な力強さ。まるで本当に起こっていることを目撃しているような、そんな錯覚に陥り、気が付くと画面から目が離せなくなってしまう。

俳優もスゴイ。主演の2人。あそこまでいくと、もはや演技なのか素なのかということすら定かではない。究極のリアリズム。カンヌ映画祭で絶賛されたというのも、たしかにうなずけるような力作だ。

でも、なんだろう。僕は、やっぱり、あんまり好きなタイプの映画じゃないんだよなぁ。このブログのタイトルにもなっているように、僕が映画とか小説に求めるのは、エンタテインメントというものなのだ。笑いでも感動でも驚きでもなんでもいいんだけど、その作品と接している間、至福の喜びを感じられるようなもの。リアルを追及するにせよ、それでいてエンタテインメントとしても成立している、そんなものが見たいのだ(うーーん、我ながらヘタクソな説明だ。すみません。)。

この作品が追及するリアリティと、僕が考えるエンタテインメントというものは、残念ながら一致しなかったということだと思う。おそらく監督にとっては、この映画もひとつのエンタテインメントと考えているだろうから、要するに僕とは噛み合わなかったという、ただそれだけのこと。カンヌでグランプリを取っているということは、映画祭の審査員とはその感覚がピタリと合ったということだろう。そして、僕の両隣で観ていた見知らぬ男性たちが2人とも爆睡していたということは、彼らとはその感覚が合わなかったということだろう。ただ、それだけのことなんだと思う。

ただ、感覚的に好きにはなれなかったとはいえ、これだけ1時間半ぶっ通しでリアルな世界を見せられると、やっぱりいろんなことを嫌でも考えさせられる。

”ある子供”。タイトルの子供が差しているのは、売られてしまった”子供”のことだけではないだろう。”子供”を売り飛ばしたブリュノもまた、ただの”子供”でしかない。子供が子供をもってしまったが故に起こった悲劇。でも、僕の中では、ただ単に「あ、コイツ、バカだなぁ」では終わらなかった。なんかわかるなこの感覚、って。

実際、僕はいま25歳だけれど、もしも今自分に子供が突然できたら、おそらく相当パニックになるだろうと思う。情けないけど、自分のことをまだまだ子供だなぁって思うし、人の親になるだけの覚悟がまだ自分には備わっていない。ブリュノもきっと、怖かったんじゃないかな。20歳にして、他人の人生を背負わなくちゃいけないっていう状況が。

すごく絶望的な気持ちになる映画なんだけれど、でも、救いもあった。赤ちゃんを売ってしまったブリュノが、ソニアに叱責されたあとで、渋々ながらも赤ちゃんを取り戻しに行ったこと。それによって、事態はさらに絶望的な方向に向かってしまったけれど、でも、このブリュノの行動にはすごく意味があったと思う。そして、ラストシーン。ネタバレはしないけれど、ここは素晴らしかった。この映画が感覚的にピタリとはまった人にとっては、きっと映画史に残るようなエンディングになったと思う。僕もそこまではいかなかったにせよ、強く心揺さぶられた。

”生きる”ということ、そして命というものの意味を、改めてシビアに考えさせられる力作。いつか自分が”親”になったときに、もう1度観てみたいなって思う。
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by inotti-department | 2006-01-10 00:22 | cinema
   
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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