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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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カテゴリ:映画ネタバレstory<ア・カ>( 11 )
映画ネタバレstory紹介を開設しました!
1回観たはずの映画なのに、どんな話だったかが思い出せない。
大体の展開は覚えてるんだけど、どんな終わり方だったのか記憶がない。

こんなもどかしい経験をしたこと、ありませんか?

自慢じゃないけど、私はしょっちゅうです。
劇場で観たときに面白かったから友達にDVDで観るように勧める。すると、友達がDVDで観てくれて「面白かったよ~!」って、嬉しそうに細かいエピソードを語り始める。でも、観てから半年経ってしまった私には、ほとんどストーリーの記憶がない。「そうだったっけ?忘れちゃったなぁ」あるのは、「面白かった」という記憶だけ。こんな経験です。

この<映画ネタバレstory紹介>は、そんなお悩みをお持ちの方のためのコーナーです。
1回観た映画のstoryを簡単におさらいしたいときに、どうぞご活用ください。

ただ、ひとつだけ注意点があります。そういうコーナーの性質上、やはりネタバレは避けられません。というより、ネタバレだけで出来ているといっても過言ではありません。

ですので、これからその作品を観ようと思っている方は、事前に読まれないことをオススメいたします。あくまでも、予習ではなく復習のためにお使いいただければ、と思います。

あいうえお順に並んでおりますので、簡単に探せるようになっています。どんどんタイトル数を増やせるように、がんばって更新します。

ただ、人間の記憶というのは曖昧なものですので、細かい点で間違いなどありましても、どうかひとつ大目にみてくださいね(笑)
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by inotti-department | 2006-02-21 12:25 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<ア>
※完全ネタバレでstoryを紹介しております。未見の方はご注意ください。

・愛についてのキンゼイ・レポート(2004、米・独)  
                    ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
     監督 ビル・コンドン
     出演 リーアム・ニーソン  ローラ・リニー  クリス・オドネル
<story> 生物学者のキンゼイ博士は、妻のクララに支えられ、タニバチの研究に没頭していた。しかし、クララとの性体験や、学生からの性にまつわる相談に応じているうちに、彼は次第にSEXに興味を抱くようになる。キンゼイは、性に関する講義を開始。学生たちの間で話題になる。キンゼイは、いよいよ本格的に研究をはじめる。しかし、研究しようにも、データがない。性体験に関しては、当時のアメリカではまだまだタブーだったからだ。そこでキンゼイは、助手たちと一緒に、面接による実態調査を開始する。財団からの資金援助も勝ち取り、面接はどんどん詳細なものになり、同性愛者へのインタビューも積極的に行われる。しかし、研究にのめりこみすぎるあまり、キンゼイ自ら同性愛を体験してしまう。そのことを正直にクララに話したことから、夫婦の間に亀裂が生まれる。ついに、キンゼイは本を発表。第1弾は、男性版だ。レポートは、衝撃をもって迎えられる。キンゼイの調査はさらに進められ、つづいて第2弾の女性版を発表。しかし、こちらは賛否両論。また、SEXの実態を撮影するなど、その調査手法にも疑問の声が。バッシングを浴びるキンゼイを、クララはやさしく支える。しかし、心労が重なったキンゼイは、持病の心臓病で倒れてしまう。なんとか一命をとりとめるが、財団は援助打ち切りを発表する。失意のキンゼイのもとに、ある女性から手紙が届く。彼女は、同性愛に対する偏見に、ずっと苦しんできた女性。しかし、キンゼイ・レポートによって、自分が異常なわけじゃない、ということがわかった。だから、自分にとってはキンゼイ博士が命の恩人である、とその手紙には書かれていた。「愛というものだけは科学できない」という結論に至ったキンゼイだが、彼女の言葉によって、勇気を取り戻す。そして、愛する妻とともに、残された人生を前向きに生きていくことを決めたのだった。
<ひとことreview> キンゼイ博士は、実在の人物。この「キンゼイ・レポート」は、実際に大ベストセラーになった有名な報告なのだという。その内容の興味深さが、この映画の最大の面白さ。僕としては、キンゼイの人物像や周囲の人々との人間模様も確かに面白かったけれど、もっと研究の内容を知りたかった。だって、随所で描かれるインタビューの内容が、めちゃめちゃ面白かったものだから。同性愛など、”アブノーマル”とされる行為に対するやさしい視線が、温かくてとても良い。ただ、映画の内容自体には、中途半端な部分も多かった。「夫婦愛」「同性愛」「キンゼイ・レポート」全てを描こうとして、どれもきちんと深く描ききれなかった気がするのだ。僕としては、しつこいようだが、とことんレポートの内容を教えてほしかったと思う。

・『愛の流刑地』(2007、日)  ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
   監督 鶴橋康夫
   出演 豊川悦司 寺島しのぶ
<Story> 子供を3人もつ主婦・入江冬香が、情事の最中に愛人に首を絞められて殺された。逮捕されたのは、作家・村尾菊治。女性検事の織部は、殺意ある計画殺人と確信し、菊治を追い詰める。一方、弁護士の北岡は、「殺して」と頼まれたから殺した「嘱託殺人」であるという線で裁判を戦おうとする。しかし、菊治はそのどちらの言葉にも、空虚なものを感じていた・・・。菊治が冬香と出会ったのは、京都で知り合いの女編集者から、菊治の大ファンとして紹介されたのがきっかけだった。おしとやかで素朴な冬香の佇まいは、菊治の心を捕らえて離さなかった。東京に戻った菊治は、メールで冬香に執拗にアプローチし、再会に成功する。最初は拒む冬香だったが、菊治の強引な求愛に、ついに体を許してしまう。その後も、わずか2時間のデートのために、繰り返し京都を訪れる菊治。2人は、時間を惜しむように激しく体を重ねる。また、菊治はもうかれこれ10年ほど小説を書くことのできないスランプに悩まされていたが、冬香と会うことで新作恋愛小説をどんどん書き進めることができた。やがて、冬香は夫の転勤を理由に東京へ引っ越してくる。週に何度も会うようになる2人。その頃から、冬香はセックスの最中に「殺して」と嘆願するようになる。「死んでもいいぐらい幸せ」と繰り返す冬香。そしてついに、花火大会の夜、菊治はセックスの絶頂時に冬香の首を絞めて殺してしまう。自首する菊治。計画殺人の線で取調べを続ける織部だが、次第に、冬香の命を賭した愛の深さに共感し始める。織部もまた、妻子ある男性と不倫中の身であり、叶わぬ愛に悩み苦しむという意味では冬香と同じ立場にあったのだ。法廷の席で、「あなたは死にたくなるほど人を愛したことがあるんですか!?」と菊治に言われ、織部は何も言い返すことができない。菊治は、裁判でどんなに争ったところで、菊治と冬香の愛の深層を誰も理解するいことはできないと感じ始めていた。そして、判決が下る。懲役8年。菊治は、静かに刑を受け入れる。刑務所の菊治のもとに、冬香の母親から小包が届く。中に入っていたのは、冬香にサインして渡した菊治の本。そこには、冬香が菊治に宛てた手紙が挿んであった。手紙を読み、全てを理解する菊治。冬香は、最初から菊治に殺されるつもりだったのだ。菊治を殺人者として刑務所に閉じ込めることで初めて、冬香は菊治とずっと繋がっていられると考えたのだ。菊治は、「自分はやはり選ばれた殺人者だったのだ」と悟るのだった。
<ひとことreview>新聞連載時から話題になっていた渡辺淳一原作小説の映画化。激しい性描写が公開前から話題になっていたが、オープニングからいきなり脱ぐ、脱ぐ。あまりの脱ぎっぷりに、途中からあまり色気を感じなくなってしまったなどと言っては、あれだけ熱演した寺島しのぶに失礼か。ストーリーは、裁判などでは語ることのできない愛の深さを徹底的に描いていく。しかし、僕にはそんなこの映画が、すごく浅いものに感じられたのだが。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:25 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<ウ>
・宇宙戦争(2005,米)  ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
     監督 スティーブン・スピルバーグ
     出演 トム・クルーズ  ダコタ・ファニング  ティム・ロビンス
<story> 別れた妻から息子のロビーと娘のレイチェルを預かったレイ。すると突然、空に激しい雷鳴が轟きはじめる。雷に乗って地球に降り立った異性人たちは、地中奥深くに昔から埋められていた”トライポッド”を操り、人間を次々に殺しはじめる。彼らはずっと地球を監視しつづけ、侵略の時機を待っていたのだ。レイは、子供たちと逃げながら、妻の待つボストンへと向かう。しかし、息子のロビーは、逃げてばかりで戦おうとしないレイに反発し、異性人を倒すために戦地へと突っ込んでいく。レイとレイチェルは、オグルビーという謎の男と出会い、匿ってもらう。しかし、そこにも異性人の魔の手が忍びより、オグルビーは向かっていく。さらに逃げるレイ。トライポッドに飲まれそうになりながらも、火炎瓶で反撃して娘を守る。そしてついに、ボストンに到着。すると、あれだけ猛威をふるっていたトライポッドはおとなしくなっており、枯れてしまっていた。理由もわからないまま、レイは妻の家へ。出迎える妻。そこにはロビーの姿も。抱き合う家族。異性人は、地球の空気を吸ったことにより、枯れてしまったのだ。彼らを倒したのは、地球に住み、人類と共生する無数の微生物たち。人類を救ったのは、人類の知恵や勇気ではなく、地球の持つ偉大な力だったのだ。
<ひとことreview> 駄作と悪評高い、スピルバーグの超大作。カタルシスのない地味なストーリー展開、そして失笑もののラストのオチ。確かに欠点は多いが、テーマはなかなか興味深い。本当の危機が迫ったとき、私たちは戦うべきか?逃げるべきか?この映画の主人公は、ひたすら逃げることを選ぶ。ロビーとオグルビーから何を言われようとも、レイは家族を守るため、武器を取ろうとはしない。暴力に暴力で立ち向かっても、さらなる悲劇を生むだけだ。ラストのメッセージも同じだろう。人類の知恵よりもずっと偉大な、地球の持つ力に敬意を払おう。「9.11」後のアメリカで、こういう映画が生まれたことに、なんだか希望のようなものを感じる。問題は、そのある意味で地味なメッセージと、娯楽大作としての期待のされ方に、大きなズレがあることなのだ。そしてそれは、娯楽監督スピルバーグが抱える、永遠のテーマといえるかもしれない。

・運命じゃない人(2005、日)  ★★★★★★★★☆☆(8点)
    監督 内田けんじ
    出演 中村靖日 霧島れいか 板谷由夏
<story> 恋人のあゆみが家を出て行ってしまって半年。いまだに失恋の傷から抜け出せない宮田だが、親友の神田のナンパがきっかけで、真紀という女性と出会う。真紀もまた、婚約者と別れ、深い悲しみの中にいた。帰る場所のない真紀を、宮田は自宅へ連れ帰る。するとそこに突然、置きっ放しだった荷物を取りにあゆみがやってくる。突然の訪問者に、真紀は部屋を出て行ってしまう。あゆみを残して、真紀を追いかける宮田。想いはうまく伝わらないが、執念で真紀の電話番号をゲットする――。一方、その数時間前、探偵の神田はあゆみの訪問を受けていた。彼は、あゆみの正体が結婚詐欺師だという事実をつきとめていた。あゆみは、現在の恋人であるヤクザの組長・浅井のところから2000万円を奪って逃げてきたところだった。あゆみの目的は、国外逃亡。しかし、そのためには、宮田の部屋からパスポートを取ってこなければならない。そこで、合鍵をもつ神田のもとを訪ねたのだった。神田は、渋々了承して、あゆみとともに宮田の部屋へ。しかし、ヤクザの怖さを知る神田は、あゆみを説得して、現金の入ったカバンはコッソリ浅井組の事務所の前に返す。あゆみと別れ、宮田と待ち合わせたレストランへ行く神田。宮田のために、隣の席でひとり泣いていた真紀をナンパする。すると、そこには浅井組の追っ手の姿が。捕まる神田。浅井のもとへ行くと、そこにはあゆみの姿もあった。2人とも、捕まってしまったのだ。現金の入っているはずのカバンを開けると、その中身は女性ものの下着。呆然とする神田を、浅井は解放する。神田は気付く。宮田の部屋に入ったときに、あゆみが中身をすりかえたのだ、と。ということは、現金は宮田の部屋に!?急いで宮田のもとへ走る神田。真紀の電話番号をゲットして上機嫌の宮田を無視して、部屋を調べる神田。しかし、部屋から現金は消え去っていた――。一方、その数時間前、浅井は。あゆみが大金を奪って逃げたことを知り、ショックを受けていた。しかし突然、謎の男(神田)がカバンを置きに戻ってきた。中身は下着、そして神田の名刺。神田の事務所に侵入した浅井は、あゆみの正体を知る。さらに、宮田という青年も被害にあっていたと知り、彼の部屋にも侵入する。しかし、そこに宮田と真紀が帰ってきて、浅井は慌ててベッドの下に隠れる。部屋に入った真紀が、なんとなく隅に置かれたカバンを覗くと、なんと中には2000万円が。パスポートを取りに侵入したあゆみが、神田の目をごまかすために、いったんそこに隠していったのだ。突然の幸運に、慌てて自分のカバンに現金を移す真紀。そこに現れたのは、荷物を取りに来たというあゆみ。真紀は現金を自分のカバンにしまい、部屋を出て行く。何も知らずに追いかける宮田。一方、現金を回収にきたあゆみは、お金が消えていることに驚く。そして、ベッドの下から現れる浅井。何が何だかわからないまま、あゆみは浅井に捕まり、事務所へ――。翌朝。宮田はさっそく真紀に電話をかけてみるが、番号は繋がらない。お人よしの宮田は、真紀が現金を持って逃げたことなど全く知る由もない――。一方、突然、大金を手にした真紀の心は揺れていた。自分をやさしく介抱し、追いかけてきてくれた宮田の誠実さ。このままこの2000万円でひとりで生きていくべきなのか、それとも・・・。真紀は、決心する。彼女はカバンを抱え、宮田の部屋へ向かうのだった。
<ひとことreview> 2005年日本映画界、最大の収穫。練りに練られた設計図のような巧妙な脚本。素晴らしい。「あ、あのとき、あの人はあそこにいたんだ」というのが、映画が進むにつれてだんだんと明らかになっていくのが面白い。ラストも、「あ、こういう終わり方なんだ」っていうぐらいナチュラルなんだけど、それが逆にこの映画らしくてとても良い。最後に登場する宮田の同僚(映画の冒頭で、翌朝宮田の家に行く約束をしていたのだ)が、すぐには誰だったか思い出せないぐらい、濃密なある一夜の物語。見事なアイデア、見事な脚本。文句なしに面白い!
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by inotti-department | 2006-02-21 12:24 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<イ>
・硫黄島からの手紙(2006、米) ★★★★★★★★☆☆(8点)
   監督 クリント・イーストウッド
   出演 渡辺謙 二宮和也 伊原剛志
<story>1945年、硫黄島。アメリカ軍の上陸が近づいてくる中、日本軍は疲弊しきっていた。そんな中、新しい司令官として、栗林中尉が島に到着する。アメリカでの生活経験を持つ栗林は、欧米流の合理的な考え方の持ち主。到着早々、兵隊の西郷に体罰を加える上官に「体罰は止めろ」と命じ、さらに海岸沿いの穴掘りを「無駄な仕事」として即刻やめさせる。西郷は、そんな栗林を尊敬の眼差しで見つめるが、一方で軍の上層部の中には快く思わない面々も数多くいた。そんな中、ロス五輪の馬術競技で金メダルを取った西中佐は、数少ない栗林の協力者の1人だった。栗林の作戦は、海岸は放棄し、戦力を後方に温存しながら米軍を迎え撃つというもの。戦力も乏しく、陸海空軍間の連携も全く取れていない状況では、少しでも長く戦いを続けるためにはこれしか手はないと考えていた。開戦を前に、栗林は部下たちに「命を捨てるな。生きろ」というメッセージを伝える。そしていよいよ、米軍が島に上陸。栗林の作戦は最初こそ功を奏すが、次第に兵が尽き始める。西郷の部隊も、彼と清水だけを残して全滅してしまう。清水は当たり前のように自決を提案するが、西郷は栗林の言葉通り生き延びることを選び、渋々同意した清水と共に、持ち場である擂鉢山を離れ別の部隊に合流する。栗林に反意を抱く伊藤は、そんな西郷の姿を見て、自決せずに持ち場を離れたことを激しく非難する。伊藤は西郷を処刑しようとするが、そこに現れた栗林はそれを止める。納得できない伊藤は、栗林の待機命令を無視して1人で前線へと突き進んでいくが、途中で恐怖のあまり怖じ気付き、死んだフリをして身を隠すことにする。西郷と清水は、西が率いる部隊と合流する。途中で捕獲した米兵捕虜を、清水は即刻殺そうとするが、西はそれを止める。そして、米兵に対して英語で話しかけ、コミュニケーションをとるのだった。翌朝、米兵は負傷が悪化し死んでしまう。西は、米兵の荷物の中にあった母親からの手紙を翻訳して兵たちに聞かせる。そこに書かれていたのは、彼らの母親たちと全く同じ、我が子の無事を願う母親の愛の言葉だった。清水は、米兵はただの鬼畜だと思っていた自分の考えは間違っていたことに気付く。彼は、危険思想を取り締まる憲兵隊の出身で、西郷も当初は清水のことを、自分たちを監視するために軍に潜入したスパイだと考えていた。しかし、清水が硫黄島に来たのは、彼が上司の命令に背き憲兵隊をクビになったからだった。清水と西郷は、ようやく心を通わせる。そんな中、西が敵の攻撃によって重傷を負ってしまう。西は、部下たち全員を逃げさせた後で、自ら命を絶つ。そして清水も、米兵に捕らえられて殺されてしまう。西郷らは、やっとのことで栗林の待つ洞窟にたどり着く。栗林は、生き延びた西郷を「立派な軍人だ」と称えるが、西郷は「自分はただのパン屋です」と謙遜する。西郷は、故郷に妻と赤ん坊を残してきており、毎日妻宛に手紙を書いては、まだ見ぬ我が子の姿を思い浮かべていた。栗林は、家族を想う西郷の気持ちに共感する。栗林もまた、妻と我が子を故郷に残してきており、いつも手紙をしたためていたのだ。栗林は、西郷に手紙を全て燃やすように命じ、先陣きって戦場へ飛び出していく。西郷は、全ての手紙を燃やさず、そのうちのいくつかを袋に入れて地中深く埋める。栗林は、敵の銃弾を浴び、重傷を負う。瀕死の栗林は、西郷に「自分の遺体を埋めてくれ」と遺言を遺し、深い眠りにつく。そして西郷は、米軍に捕らえられ、生き延びるのだった。そして時は流れ、終戦から数十年後、硫黄島の地中深くから無数の手紙が発見される。そこには、家族を想う兵士たちの、無数の言葉が記されているのだった。
<ひとことreview>硫黄島2部作、日本編。米国編である『父親たちの星条旗』と比べると、極めて王道の戦争映画になっている。『父親・・・』が、戦争が社会や兵士に及ぼす影響など、戦争というものを少し角度をつけて描いているのに対して、この『硫黄島・・・』は”戦争そのもの”を真正面から描いている。個人的には、映画としての完成度は『父親・・・』の方が上だと思うが、にもかかわらずこの『硫黄島・・・』の方がアメリカで高い評価を得ているのは、敵国である日本軍の視点で描かれている点が凄く新鮮であるからなのだろう。確かに、「戦争に敵も味方もない。全員が、戦争の被害者なんだ」というのは、この映画の重要なテーマの1つと言えるだろう。そういう意味では、やはりこの2部作は、「2つで1本」という性格をもっているのだと思う。

・犬神家の一族(2006、日) ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
  監督 市川崑
  出演 石坂浩二 松嶋菜々子
<story>信州の製薬王・犬神佐兵衛が亡くなった。一族が注目するのは、遺言状の内容。その莫大な財産は、誰の手に与えられるのか。遺言状を預かった古舘法律事務所の助手・森山は、その遺言の驚くべき内容を知り、一族の血みどろの争いを予期して探偵・金田一耕助を招く。しかし、金田一が村に着くと、森山は何者かに殺されてしまう。佐兵衛には、松子・梅子・菊子という腹違いの娘がおり、それぞれに佐清・佐武・佐智という息子がいた。佐清は戦争から帰ってきたばかりで、戦場で顔にひどい傷を負い、仮面をかぶっていた。梅子や菊子は、その仮面の男は、松子が財産を相続させるために連れて来た偽者ではないかと疑っていた。また、屋敷の中には、野々宮珠世という女性も住んでいた。彼女は佐兵衛の恩人の孫娘で、佐兵衛は実の娘以上に大切に扱っていた。弁護士の古舘によって遺言状の内容が読み上げられた。そこには、「斧・琴・菊の全ての財産は、珠世に譲る。ただし珠世は、佐清・佐武・佐智のいずれか1人と結婚すること」と書かれていた。怒りに震え上がる三姉妹。そして、次々に恐るべき殺人が起こる。第一の被害者は、佐武。背中を鋏で刺され、首を斬られて菊人形に見立てて殺された。第二の被害者は、佐智。殺害後、琴の弦を首に締められて殺された。いずれの殺害も、珠世や、彼女を常に影から守る猿蔵の仕業ではないかと疑われるが、証拠は見つからない。そんな中、近くの宿に顔を布で隠した謎の復員兵が現れる。警察は彼の正体を青沼静馬でないかと考え、彼を疑う。静馬は、佐兵衛に愛された菊乃の息子で、菊乃が三姉妹によってボロボロに体を傷つけられて死んだことにより、犬神一族に恨みを抱いていることが予想されたからだ。そんな中、第三の殺人が起こる。被害者は、佐清。斧で背後から斬られて殺された。しかし、その遺体から指紋をとると、佐清のそれと一致しないことが判明する。遺体は、佐清ではなく静馬だったのだ。そして、本物の佐清が全てを自白する形で逮捕される。しかし金田一は、犯人は他にいると考え、独自の捜査を展開し真相を暴く。真犯人は、松子。全ては、彼女が財産欲しさに行った殺害だった。彼女が佐清として連れてきた仮面の男は、佐清のフリをした静馬だった。静馬は、犬神家をのっとることを企んでいたのだ。しかし、その動きを知った佐清が戦場から戻ってきた。そして佐清と静馬は、偶然にも松子が佐武を殺す現場を見てしまったのだ。静馬は、母親を守りたい佐清の心情を利用しようと考え、佐清を脅して殺害現場の細工をさせた。しかし、仮面の男が静馬だと知った松子によって、静馬は殺されたのだ。そして佐清は母親をかばおうとして、嘘の自白をしたのだ。珠世は、佐清を愛しており、仮面の男は佐清ではないと確信してそれをなんとか暴こうと様々な行動をとっていたのだった。観念した松子は、珠世に「佐清と一緒になってくれるわね?」と尋ね、珠世が頷くのを確認した後、服毒自殺してしまう。金田一は全てを解決し、村をあとにするのだった。
<ひとことreview> 名作映画のリメイク。監督も同じで、ストーリーはおろかカット割までほぼ忠実、キャスティングだけを一新した珍しいスタイルのリメイクだ。といっても、僕はオリジナルを知らないので、純粋に1本の映画として楽しんだ。セリフ回しや構図などがさすがに若干古臭いが、それがむしろレトロでクラシカルな独特の雰囲気に繋がっており、かえって新鮮。ただ、ストーリーは期待していたほどには面白くなかったなぁというのが正直な感想。人物相関が複雑なわりに、それを完全に活かせているとも言えず、肝心の真相も破綻こそないものの、さしたる驚きや発見・感動もなく、やや拍子抜けだった。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:24 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<エ>

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by inotti-department | 2006-02-21 12:23 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<オ>
・奥さまは魔女(2005,米)  ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
     監督 ノーラ・エフロン
     出演 ニコール・キッドマン ウィル・フェレル シャーリー・マクレーン
<story> 魔女のイザベルは、ハリウッドで新生活をスタートする。彼女の願いは、魔法に頼らず、人間のように暮らすこと。そして、普通の恋をして、誰かから必要とされること。一方、落ち目の映画スター・ジャック。主演映画が立て続けにコケて、妻も出て行ってしまった。彼は、TVドラマ『奥さまは魔女』のリメイク作で、復活を狙っていた。問題は、魔女のサマンサを誰に演じさせるか。ジャックは、自分を引き立たせるために、新人の起用を監督に要求する。そんなとき、ジャックは町でイザベルと出会う。彼女の”鼻ピクピク”を見て、彼はイザベルをサマンサ役に抜擢する。まさか、彼女が本物の魔女だなどとは夢にも思わずに。「君が必要だ」というジャックの言葉を受け、イザベルもその気に。しかし、撮影がスタートすると、自分さえ目立てばよいという自己中心的なジャックの考え方に深く失望する。イザベルの悩みを聞いた魔女のクララおばさんは、ジャックに呪いをかける。すると、ジャックはたちまち改心し、イザベルに夢中に。夢のような展開にイザベルは舞い上がるが、ふと我に返る。魔法には、もう頼らないと決めたのだ。イザベルは、呪いを解く。イザベルは、自分勝手なジャックを激しく叱咤する。それを聞き、ジャックも心を入れ替える。すると、撮影もスムーズに進み、2人の仲も次第に親密に。しかし、大きなウソをついていることに心を痛めていたイザベルは、自分の正体を明かす。ジャックは取り乱し、イザベルを追い払おうとする。傷心のイザベル。しかし、それはジャックもまた同じだった。イザベルへの想いの気付き、ジャックは彼女のもとへ。告白し、2人は結ばれる。2人は、新しい生活をスタートさせるのだった。
<ひとことreview> アメリカの人気テレビドラマのリメイク作。といっても、劇中劇のスタイルをとっており、正確な意味でのリメイクではない。残念なのは、この設定が全く生かされていないこと。魔女役を魔女が演じることで起こるドタバタによる笑いを僕は期待したのだが、そういう笑いはほとんどなかった。最後まで観ても、こういう設定のリメイクにした理由が、僕にはわからなかった。ただ、コメディとしては物足りないが、王道のロマンティック・コメディとしては十分に満足。ニコールの演技も上々。彼女がこれほどラブコメを魅力的に演じることができるとは、僕は思っていなかった。素晴らしい。監督もラブコメの女王ノーラ・エフロンなのだし、こんなことなら、リメイクにとらわれない王道のロマンティック・コメディが観たかった。僕が、オリジナルを見たことがないから、余計にそう思ったのかもしれないが。

・オリバー・ツイスト(2005、英)  ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
   監督 ロマン・ポランスキー
   出演 バーニー・クラーク  ベン・キングスレー
<story> 19世紀、イギリス。養育院で育った孤児のオリバーは、9歳になり救貧院に戻ってくる。しかし、そこでおかわりを要求したことを責められ、オリバーは追放されてしまう。葬儀屋に拾われたオリバーだが、そこでもイジメにあい、ついに家を飛び出す。オリバーは、7日間かかけて歩き、ロンドンへ。そこで出会ったのは、”早業”ドジャー。彼の案内で、オリバーはフェイギンという老人のもとで居候することに。しかし、フェイギンの正体は、スリ集団のボス。彼は、ドジャーとその仲間たちにスリの技を教え、その稼ぎをもとに生活していたのだ。フェイギンは、素直なオリバーをかわいがり、彼にもスリの技を伝授する。そしてついに、はじめて街へ出ることを許可される。さっそく本屋でスリを実行するドジャーたち。彼らは逃げるが、オリバーは逃げ遅れて捕まってしまう。目撃者の証言でなんとか罪を免れたオリバーを、スリの被害者・ブラウンロー氏は連れ帰る。オリバーの素直さを気に入ったブラウンローは、彼にキレイな服を着せ、息子のようにかわいがる。ある日、彼はオリバーにお届け物の仕事を頼む。オリバーは出掛けるが、そこでフェイギンの仲間・ビルの情婦であるナンシーと遭遇し、捕まってしまう。フェイギンとビルは、オリバーが自分たちのことを警察にバラすのではないかと気を揉んでいたのだ。ビルは、オリバーの裏切りを阻むために、彼を連れてブラウンローの家へスリに出掛ける。しかし、失敗に終わり、オリバーは撃たれて負傷してしまう。オリバーの身を案じたナンシーは、ブラウンローと密会し、オリバーの居所とフェイギンの正体を告げる。しかし、彼女の動きに気付いたビルは、ナンシーを撲殺する。一度は街を離れて逃げたビルだが、逃亡資金を調達するために再びフェイギンの隠れ家へ。ビルの戻った隠れ家を、警察は包囲する。ビルはオリバーを人質に抵抗するが、誤って自ら首を吊ってしまう。再びブラウンローに保護されたオリバーは、刑務所へ向かう。目的は、フェイギンと会うこと。しかし、絞首刑を控えたフェイギンは、錯乱状態に陥っていた。オリバーは、自分の世話をしてくれたフェイギンにお礼を言う。オリバーを抱き締めるフェイギン。オリバーは、馬車に乗って刑務所を離れるのだった。
<ひとことreview> なんとも物語らしい物語。オリバー少年の遭遇する、哀しくて不思議な体験談。運命に翻弄されながらもひたむきに生き抜いていく少年の姿は、とても感動的だ。ただ、前半の100点満点の語り口に比べると、フェイギンのもとを離れてからの後半の展開はやや物足りない。突然、視点が”大人たちの思惑”へシフトし、オリバーの存在感が薄くなってしまったからだ。本音を言えば、オリバーとドジャーら少年たちの、カタルシスを感じさせるような冒険活劇を観てみたかった。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:22 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<キ>
・キング・コング(2005、米)   ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 ピーター・ジャクソン
     出演 ナオミ・ワッツ  ジャック・ブラック
         エイドリアン・ブロディ
<story> 1933年、NY。支援を打ち切られ追い詰められた映画プロデューサーのカールは、起死回生の策として、未開の島を舞台にした冒険映画の製作を企てる。そして同じ頃、売れない女優のアンもまた、劇場の閉鎖によって失業の危機に瀕していた。カールは、街で見かけたアンの美しさにひと目ぼれし、主演女優としてスカウトする。アンは初め躊躇するが、脚本家が憧れのジャック・ドリスキルと知り、参加を決断する。こうして、カールとアン、ジャックを乗せた船は航海に出発。アンとジャックは、船上で瞬く間に恋に落ちる。カールは最初、目的地をシンガポールと伝えていたが、本当の目的地は伝説の島”スカル・アイランド”。そこは、高い壁に囲まれ、原住民や恐竜、怪物たちが暮らす危険な島だった。降り立ったカールたちは、すぐに原住民の襲撃にあい、アンがさらわれてしまう。原住民は、アンを怪物”キング・コング”に生贄として捧げる。ジャックたちはアンを救出しようと追いかけるが、途中で遭遇した怪物たちによって次々に仲間を殺されてしまう。一方アンは、最初はコングに脅えていたが、コングが怪物たちから自分を守ってくれたことから、次第に心を開くようになる。コングと穏やかな時を過ごしていたアンのもとに、ひとり救出を諦めなかったジャックがやってくる。アンを連れて逃げるジャック、それを追うコング。門のところに着くと、待ち受けていたのはカール。カールは、クロロホルムを嗅がせ、コングの生け捕りに成功する。数ヵ月後のNY。劇場はその日、満員の観客で溢れかえっていた。お目当ては、”キング・コング”。カールは大喝采の中ステージにあがり、いよいよコングを披露する。最初は喜んでいた観客たちだが、暴れだしたコングが手錠を破壊したことから事態は急変。一目散に逃げまどう人々。街中を破壊するコング。コングはアンの姿を捜す。そしてアンもまた、出演していた舞台を抜け出し、コングのもとへ。一方、ジャックも、アンを守るため、そして彼女に本当の想いを伝えるため走りだす。ついに再会を果たすコングとアン。ビルの頂上から、肌を寄せ合い街を眺める。しかし、警察と軍隊は総動員でコングに容赦なく銃弾を向ける。力尽きたコングは、地上に転落。失意のアンは、ジャックの胸に泣きつくのだった。
<ひとことreview> 究極のB級映画にして、一級のエンタテインメント大作。そして何より、キュートで切ない異形のラブ・ストーリー。前半は少しダレ気味なパートも多いが、ラスト1時間の盛り上がりはスゴイのひとこと。まさに1秒たりとも、スクリーンから目を離すことができない怒涛のクライマックス。アンとコングの氷上のダンスなど、心に残る名シーン・名カットも多数。主役3人の配役も、地味だけど適材適所で素晴らしい。中盤のB級テイストを受け入れられるかどうかに、この映画を楽しめるかはかかっている。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:21 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<カ>
・カーズ(2006、米)   ★★★★★★★★☆☆ (8点)
   監督 ジョン・ラセター
   声の出演 オーウェン・ウィルソン ポール・ニューマン
<story>マックイーンは、若き天才レーシングカー。実力はピカイチだが、自己中心的な性格のため、友達はひとりもいない。世界一を決定するレース「ピストンカップ」を1週間後に控え、会場のカリフォルニアへ向かう途中、マックイーンは事故に巻き込まれ迷子になってしまう。たどり着いたのは、見たこともないサビれた町。そこは「ラジエーター・スプリングス」という名の、地図からも消された町だった。道をボロボロに傷つけてしまったマックイーンは、町の裁判所で裁かれ、道を直すまでは町に閉じ込められることに。早くレース会場へ向かいたいマックイーンは、最初はイヤイヤ道の舗装をするが、自分を親友と呼ぶレッカー車のメーターや、モーテルに自分を泊めてくれた心優しいサリーらと出会い、次第に心地よさを感じるようになる。そんな彼に唯一厳しく接するのが、老紳士ドック。ある日、ドックの家の物置きで、マックイーンは予想もしないものを目にする。それは、若き日のドックが勝ち取った「ピストンカップ」の優勝カップ。ドックは、伝説の名レーシングカー”ハドソン・ホーネット”だったのだ。しかし、ドックは3連覇した次の大会で途中棄権して新人に敗れたときにマスコミや世間から冷たくされ、すっかりレーシングカー嫌いになってしまったのだ。マックイーンは、ひと晩徹夜して道を直し、翌日町の仲間たちとの楽しいひと時を過ごす。そこに、突然現れたマスコミ軍団。マックイーンを疎ましく思ったドックが、彼の場所を教えたのだ。連れ去られるように町を去るマックイーン。レース当日。サリーらと過ごした日々が脳裏をよぎり、レースに集中できない。遅れをとるマックイーン。そこに届いた、ドックの声。町の仲間たちが、応援に来てくれたのだ。最高のスタッフをピットに迎え、巻き返すマックイーン。ライバルを抜き去り、先頭でゴールへ向かう。しかし、ゴールラインの目の前で、突然ストップする。長年チャンピォンだったキングがクラッシュで止まってしまったのを見て、かつてのドックと重ね合わせたのだ。「キングは棄権するべきではない!」キングをうしろから押してゴールへ向かうマックイーン。結局、彼は3位でゴールインする。そんな彼を、観衆は割れんばかりの大歓声で祝福する。レース終了後、キングのスポンサーがマックイーンを勧誘するが、彼は断る。自分は仲間を裏切れない、と。マックイーンは、ラジエーター・スプリングスを拠点に生活をはじめる。愛するサリーと一緒にドライブを楽しむマックイーン。そして町には、続々と観光客が押し寄せてくるのだった。
<ひとことreview>いつもクオリティの高いアニメーション映画を作りつづけるピクサー。今回の仕事もまた素晴らしいのひとこと。レースシーンをはじめとする映像、魅力あふれるキャラクター。しかし、何にもまして素晴らしいのは、やはりそのメッセージ。「ひとりで何でもできたって、それで寂しくないの?」「ときには高速を降りて、脇道にそれて立ち止まってみようよ」「勝つことよりも大切なことがある」ピクサーのメッセージは、いつだって正しい。

・カポーティ(2006、米)   ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
   監督 ベネット・ミラー
   出演 フィリップ・シーモア・ホフマン キャサリン・キーナー
<story> 1959年、カンザス州ホルカムで発生したクラッター一家4人惨殺事件。事件の一報を掲載する新聞記事を読んで、人気作家のカポーティは強い関心を抱く。新しいジャンル「ノンフィクション・ノベル」として、カポーティはこの事件を題材に小説を執筆すべく、相棒のネルとともにホルカムへ向かう。捜査にあたっていたのは、地元の刑事・デューイー。最初はカポーティの取材を頑なに拒む彼だったが、妻がカポーティの小説のファンだったことから、取材に応じるようになる。捜査は難航していたが、やがて有力な情報が寄せられ、2人の青年が逮捕される。容疑者は、ディックとペリー。カポーティは、内気で不器用で、しかし知性も感じさせるペリーにシンパシーを抱き、接近する。さらにカポーティは、有能な弁護士を付けさせ、2人の裁判を長引かせることに成功する。次第にカポーティに心を開きはじめるペリー。そして、カポーティはその裏で、小説のタイトルを「冷血」に決め、執筆を進める。カポーティは「冷血」の一部を朗読会で披露し、絶賛を浴びる。出版社の担当者はすぐに小説を完成させるよう進言するが、カポーティはなかなか結末を書くことができない。彼にはわかっていたのだ。この小説は、2人の死刑執行をもってしか完成し得ないことが。小説の完成とペリーへの同情の狭間で葛藤するカポーティは、ペリーからたびたび届く手紙から目を背け、次第に距離を置き始める。時は流れ、久しぶりにペリーのもとを訪れたカポーティは、事件当夜のことを語るようにペリーに強く迫る。そして、ペリーは語った。クラッター家に大金が隠されているという噂を聞きつけ一家を襲った2人だったが、家の中に現金は見当たらず、たったの40ドルしか彼らは手に入れることができなかった。動揺した2人は、家の中にいた全員を発作的に殺してしまったのだ、と。時は流れ、事件発生から6年が経過した。カポーティは、いまだに「冷血」を書き終えることができずにいた。そこに、ペリーから電話が入る。控訴が取り下げられ、ついに死刑執行が決まったという。「友人に最後を見届けてほしい」というペリーの願いを聞きいれ、カポーティは彼の元へ向かう。そして、カポーティの目の前で、刑は執行されるのだった。その後、カポーティは「冷血」を書き上げたが、以後彼は生涯、一作も世に作品を発表することができなかった。
<ひとことreview>アメリカ文学を代表する作家トルーマン・カポーティは、なぜ『冷血』を最後に小説を書くことが出来なくなってしまったのか?この謎を切り口に、『冷血』完成の裏に秘められたエピソードを映画化したのが今作だ。僕はカポーティという作家をまったく知らなかったけれど、この切り口を聞いただけで、この映画を観てみたいと思った。そして、期待に違わず、とてもよくできた映画だと感じた。作家としての苦悩・葛藤を巧みに表現したホフマンの演技が素晴らしい。取材者と被取材者の距離感というのは、本当に難しいものなのだろう。距離が縮まれば縮まるほど被取材者は心を開くようになるが、そうなればなるほど、客観的な文章を書くことは難しくなる。その過程で、カポーティは、心の闇を広げてしまったのかもしれない。

・かもめ食堂(2006、日)   ★★★★★★★★☆☆ (8点)
   監督 荻上直子
   出演 小林聡美 片桐はいり もたいまさこ
<story>フィンランド、ヘルシンキ。サチエは、たった一人で「かもめ食堂」という名の日本料理を出す食堂を切り盛りしている。オープン後、ひとりもお客さんの来ていなかったお店に、ついに初めてのお客さんがやって来る。トンミという名のそのお客さんは、カタコトの日本語を操る”日本かぶれ”の青年。サチエは、トンミから「ガッチャマン」の歌詞を教えてほしいと頼まれるが、思い出せない。そんなある日、サチエは街で日本人女性を見かけ、声をかける。「ガッチャマン」の歌詞を尋ねようと思ったからだ。彼女は、完璧に教えてくれる。彼女はミドリという名で、日本で辛い経験をして、心機一転遠くフィンランドへやって来たようだ。2人は親しくなり、やがてミドリも「かもめ食堂」を手伝うことになる。トンミ以外にも少しずつお客さんが入るようになってきた食堂に、またひとり日本人が訪れる。彼女はマサコという名で、旅行でヘルシンキへ来たのだが、飛行機の乗り換えの際の航空会社のミスで荷物が行方不明になっていた。荷物が戻るのを待つ間、マサコも食堂を手伝うことに。その後、「かもめ食堂」の前に同じ場所でコーヒーショップを開いていた男性、夫に出て行かれてしまった婦人など、様々な人との交流を重ねる3人。そんな中、ついにマサコの荷物が戻ってくる。サチエとミドリはマサコの帰国を覚悟するが、開けてみると荷物の中身が変わっていた。滞在の延長を決めるマサコ。毎日マジメに料理を出しつづけるサチエらの努力が実り、ついに満席となる「かもめ食堂」。美味しいおにぎりをメインメニューに、サチエら3人は今日も元気よく「いらっしゃい!」と店を切り盛りするのだった。
<ひとことreview>特別な出来事など何も起こらずに、穏やかな時が流れつづける”のほほん映画”。しかし、これが不思議と心に響くのだ。美味しいごはんと素敵な友達の存在さえあれば、人は十分に幸せになれる。そんな温かく前向きな気持ちになれる、とっても素敵な映画。満席となった食堂には、日本人とフィンランド人の笑顔が溢れていた。満足!
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by inotti-department | 2006-02-21 12:21 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<ケ>
・敬愛なるベートーヴェン(2006、英・洪) ★★★★★★★☆☆☆(7点)
  監督 アニエスカ・ホランド
  出演 エド・ハリス ダイアン・クルーガー
<story>1824年、ウィーン。”第九”の初演会を4日後に控えた大作曲家ベートーヴェンのもとに、1人の女性がコピースト(写譜家)として派遣される。彼女の名はアンナといい、音楽学校を首席で卒業し、将来は作曲家になることを夢見ている。しかしベートーヴェンは女性に音楽は出来ないと決め付けており、アンナをすぐに追い返そうとする。しかし、アンナは自分が完璧にコピーした楽譜をベートーヴェンに見せ、さらにベートーヴェンがトラップとしてわざと間違えて記した楽譜を、正しい形に直してみせる。ベートーヴェンは、彼女の才能、そして自分の音楽への理解の深さを知り、彼女をコピーストとして雇うことにする。アンナは尊敬する大作曲家の仕事を手伝えることに大きな喜びを感じるが、同じ部屋で過ごすにつれ、彼の粗暴で下品な振る舞いに辟易しはじめる。さらに、彼女が下宿する修道院の婦人も、アンナに音楽を諦め神の道に進むように進言する。また、アンナにはマーティンという恋人がいた。マーティンは建築家を志しており、セーヌ河に掛ける橋のコンペへ向け、デザイン作りに精を出していた。彼もまた、もう何年も新作を発表していないベートーヴェンを「終わった音楽家」とみなしており、アンナが彼のもとで仕事していることをあまり好ましく思っていなかった。しかしアンナは、ベートーヴェンの音楽的才能と、自分を信頼してくれることを誇りに思い、充実した思いで写譜に取り組む。一方、ベートーヴェンにはカールという寵愛する甥がいた。ベートーヴェンは、カールにも作曲家になってほしいと望んでいたが、カールは自分の才能のなさに苦しみ、借金まみれの荒んだ日々を過ごしていた。そして初演会当日。マーティンとともに客席についたアンナは、ベートーヴェンに呼び出される。耳の聴こえない彼は、指揮をとることに対してナーバスになっていたのだ。アンナは、「私が付いています」と勇気付け、演奏者の間に座ってベートーヴェンの指揮をサポートすることにする。名だたる作曲家や大公の前で披露された”第九”は、その壮大かつ感動的な演奏によって、満場の大きな拍手に包まれる。こっそりと聴きにきたカールも、感動して涙を流す。大きな仕事を成し遂げたベートーヴェンは、アンナを指さし「これは2人でやったんだ」と彼女に賛辞を送るのだった。翌日、気をよくしたアンナは、自分の作曲した楽譜を持ってベートーヴェンを訪ねる。しかし、ベートーヴェンは「良い曲だが、オナラを連発したような曲だ」と嘲笑し、深く傷ついたアンナは部屋を飛び出す。その数日後、あの日以来姿を見せなくなったアンナのもとをベートーヴェンが訪れる。彼は、「一緒に曲を手直ししよう」と呼びかけ、アンナもそれに従う。その日から、2人の共同作業が始まる。ベートーヴェンは、構成や形式にこだわるアンナに、「心の声に耳を傾けろ」とアドバイスする。一方、アンナはベートーヴェンを敬愛するあまり、彼の曲にそっくりな曲を作ってしまい、「良い曲だが、唯一の欠点は私の模倣であることだ」と指摘される。そんな中、マーティンのデザインした橋のコンペが行われ、その会場をアンナとベートーヴェンが訪れる。アンナは、そのデザインの平凡さに疑問を感じながらも、恋人に気を遣い作品を褒める。しかし、ベートーヴェンはその作品を酷評し、橋の模型をメチャクチャに破壊してしまう。傷ついたマーティンは、アンナに「今後ベートーヴェンに近づいたら縁を切る」と言い放つ。アンナもベートーヴェンを責めるが、一方で作品に対する意見は彼と同じであり、結局引き続きベートーヴェンの側にいることを決意する。そして、ベートーヴェンが「これは未来への架け橋だ」という自信作『大フーガ』が完成。大公の前で披露するが、曲の良さは理解されず、アンナを残して全員が席を立ってしまう。ベートーヴェンは「予想通り」と強がるが、直後、気を失って倒れてしまう。病にかかり床に伏せるベートーヴェンは、アンナにメロディを伝え、彼女はそれを楽譜にしていく。それは、美しいメロディの聖歌だった。ベートーヴェンが死ぬまで、アンナは側を離れなかった。そして、彼の死後、『大フーガ』はそのクオリティの高さを再評価され、後世の音楽家たちに大きな影響を与えたのだった。
<ひとことreview>ベートーヴェンの知られざる晩年の日々。『第九』誕生の裏側を描いたこのドラマは、もちろん基本的にフィクションなのだと思う。しかし、ベートーヴェンを演じたエド・ハリスと、アンナを演じたダイアン・クルーガーの大熱演によって、実に説得力ある見応え十分の力作となっている。恋人のような、母子のような、師弟のような、2人の関係がユニークで面白い。彼らの間には、愛情・同情・憧憬・羨望・嫉妬など、様々な感情が渦巻いている。しかし、根底には強い尊敬があり、それが彼らを特別な関係にしたのだろう。圧巻は、中盤の”第九”コンサート。僕は、その感動的な演奏に、涙が止まらなかった。

・ゲド戦記(2006、日)  ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
   監督 宮崎吾朗
   声の出演 岡田准一 手嶌葵
<story>王である父親を刺し殺して国を飛び出したエンラッドの王子・アレンは、ハイタカと名乗る魔法使いと出会う。ハイタカは、世界の異変の原因を突き止めるべく旅を続けていた。行動を共にすることになった2人は、ハイタカの古い友人・テナーの家に身を寄せる。テナーには、テルーという娘がいた。テルーは、心に闇を持ち命を粗末にするアレンを毛嫌いし、心を開こうとしない。一方、ハイタカに恨みをもつ魔法使いのクモは、手下であるウサギに命じ、ハイタカの居場所を探らせる。彼がテナーの家にいることを知ったクモは、アレンを屋敷へ連れ去る。ハイタカを貶める言葉を並べるクモの前に、アレンは混乱し、クモの手下になってしまう。一方、ウサギはクモの命令でテナーを拉致する。テルーからアレンもテナーもいなくなったことを告げられたハイタカは、2人を救出するためにクモの館へ向かう。しかし、クモはテナーとともに地下牢に監禁されてしまう。一方、テルーも、アレンの影と遭遇し、彼を追ってクモの館へ向かう。テルーに勇気付けられたアレンは、心を取り戻し、ハイタカとテナーを救出するためにクモに立ち向かう。クモは、死を極端に恐れ、永遠の命を手に入れようとしていた。クモの魔法により、世界は混乱していたのだ。アレンも心の闇を恐れていたが、テルーやハイタカの言葉により、心の闇を受け入れる。アレンは、竜の化身であるテルーとともに、クモを倒す。こうして、世界に平穏が訪れた。アレンは全てを受け入れ、エンラッドへと戻るのだった。
<ひとことreview>宮崎駿の息子・吾朗の初監督作品。冒頭、いきなり主人公が父親を殺したときには、駿を越えようとする彼の覚悟を感じたのだが、それはどうやら間違いだったらしい。映画は、良くも悪くも”ハヤオ的世界”を脱却することができていない。そのうえ、ストーリーにも魅力なし。何のための旅なのか、何のための戦いなのか、登場人物の口からセリフとしては語られるものの、それが説得力ある形となって映画として表現されていない。個人的には、宮崎駿には撮り得ないような、タイプの違うアグレッシブな作品を作ってほしかった。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:20 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<ク>
・暗いところで待ち合わせ(2006、日)  ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
   監督 天願大介
   出演 田中麗奈 チェン・ボーリン 井川遥
<Story> 幼い頃の交通事故が原因で視力を失ったミチル。母親は家を出て行き、父親と一緒に暮らしていたが、その父親がある日突然死んでしまう。ひとりぼっちになったミチルは孤独に泣き叫ぶが、彼女にとって知り合いと言える人間は親友のカズエひとりだけ。そんなある日、ミチルの部屋の窓から見える駅のホームで事件が起こる。ひとりの男性が、線路に転落して電車にはねられて死亡したのだ。その直後、ある青年がミチルの部屋に忍び込む。青年は、事件の容疑者として報じられているアキヒロという男だった。アキヒロは、事件の被害者である松永の同僚だったが、松永による陰湿なイジメに苦しめられていた。そして事件の起きたときにホームにいたところを駅員によって目撃されており、事件の重要参考人としてマスコミは報道していた。アキヒロは、ミチルの目が見えないことを利用し、気付かれないように息を潜めて部屋に居座りながら、事件現場であるホームの様子を窺う。ミチルは、ときどき人の気配のようなものを感じながらも、カズエに対しては「部屋に幽霊がいるみたい」と相談する。カズエは、父親が死んで以来全く部屋から出ようとしなくなったミチルのことを強く心配していた。風で飛ばされたミチルの洗濯物を届けたことから知り合いになった隣人のハルミが働くレストランに誘うなど、なんとかしてミチルを外に出そうとするが、ミチルは「ひとりでも生きていける」と取り合わず、2人は喧嘩をしてしまう。そんなミチルに、アキヒロは自分自身を重ねあわせていた。彼は中国人と日本人のハーフで、中国でも日本でも自分の居場所が見つからず、他人に心を開くことが出来ずにいた。アキヒロは、ついにミチルの手を掴み、彼女の手を引いてカズエの家まで連れていく。仲直りする2人。一方、アキヒロは、カズエの家からの帰り道、衝撃的な事実に気付く。ミチルが貸してくれたコートのポケットに入っていた1枚の写真。そこには、ミチルの横で笑うハルミの姿が。彼女こそ、アキヒロがずっと捜していた、松永殺害の真犯人だった。アキヒロはあの日、確かに松永の背後に立ったが、躊躇して突き落とすことができなかったのだ。そこに現れ、松永の背中を押したのがハルミだった。アキヒロがミチルの部屋に侵入したのは、真犯人がまた駅に現れるに違いないと考えていたからなのだ。ミチルに真相を告げるアキヒロ。そんな中、ミチルの部屋にハルミが遊びに来る。ミチルは真相を確かめるべく、ハルミに迫る。危険を感じたハルミは、ミチルの首を絞めにかかるが、間一髪アキヒロが救出する。ハルミは、松永の元恋人だったのだ。こうして事件は解決する。アキヒロはミチルに告げる。「あなたに出会って、自分には他人の存在が必要なんだとわかった」と。ミチルもまた、人の温もりの大切さに気付くことができたのだった。
<ひとことreview> いろいろな要素をもった不思議な映画。前半は、盲目の女性と殺人犯(正確には違うが)の奇妙な同居生活をひたすら描く。正直に言うと、あまりの静かさと現実味のなさに、いつまでこれが続くのかと退屈しかけた。さらに、アキヒロがあっさり自分の存在をミチルに認めてしまうのも、「面白い設定なのに、もったいないなぁ」などとガッカリしていたのだが、ここまでは序章にすぎなかったのだ。後半は、一転してミステリーというかホラーのような展開に。動機の説明は全くないし、別に事件の真相がどうだからどうしたという話ではないのだが、この展開がなかなか面白い。犯人役に井川遥を起用した意外性も見事だし、なかなかの好演。ツッコメばキリがないほど非現実的で脇の甘い物語なのだが、寓話として楽しめば、それはそれで楽しめる。

・クラッシュ(2005、米)  ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
   監督 ポール・ハギス
   出演 サンドラ・ブロック  ドン・チードル
<story> 夜のLAで起こった、1つの交通事故。現場から見つかったのは、黒人刑事の死体。黒人刑事のグラハムは、捜査に乗り出す。一方その頃、LAでは人種差別による様々な問題が起こっていた。ジーンは、夜道で黒人2人組に車を奪われてしまう。恐怖を感じた彼女は、自宅の鍵を全て取り替える。その鍵の修理を担当したダニエルは、黒人を嫌悪するジーンから冷たい視線を浴びせられたことに傷ついていた。家に帰ると彼は、娘の寝床へ。娘は、街のいたる所から聞こえてくる銃声に怯えていた。ダニエルは、娘に”透明マント”を着せてあげる。一方、雑貨店を経営するペルシャ人・ファハドは、護身用の拳銃を買いに行くが、イラク人と誤解されテロリスト扱いを受ける。さらに、雑貨店が強盗に遭ってしまう。ファハドは、鍵の修理の際に言うことをきかなかった鍵屋のダニエルを逆恨みする。その頃、パトロール中の刑事ライアンは、黒人の裕福な夫婦キャメロンとクリスティンに職務質問をしていた。人種差別主義者であるライアンは、クリスティンに性的な嫌がらせをする。クリスティンは、ライアンに対してはもちろん、助けてくれなかったキャメロンにも怒りをあらわにする。そして、ライアンの部下ハンセンは、ライアンのその行動に反旗を翻すのだった。その頃、ジーンから車を奪った黒人2人組アンソニーとピーターは、韓国人を轢いてしまい頭を抱えていた。翌日、アンソニーが再び車を奪おうとすると、そこに乗っていたのはキャメロン。彼は、同じ黒人であるアンソニーをかばう行動をとり、警察から守ってあげるのだった。その頃、彼の妻クリスティンは、交通事故に遭っていた。そこに通りかかったのは、ライアン。ライアンの顔を覚えていた彼女は恐怖に震えるが、ライアンは必死で、炎上した車の中から彼女を助け出すのだった。同じとき、ジーンは自宅で転んで負傷していた。そんな彼女を助けたのは、黒人の家政婦。ジーンは黒人というだけで彼女に冷たい態度をとっていたことを恥じ、彼女を和解するのだった。一方、ファハドは、銃をもってダニエルの家へ。彼はダニエルを撃とうとするが、そこに娘が飛び込んでくる。しかし、弾を放ったはずが、娘は無傷。”透明マント”が、彼女を守ってくれたのかもしれない。その頃、グラハムは悩んでいた。交通事故の現場から死体で見つかった黒人刑事・ルイス。彼はコカイン中毒で、金を巡るトラブルに巻き込まれていたようだ。しかし、警察・司法上層部は、次の人事で黒人を登用するため、これ以上の黒人のイメージダウンは避けたいと考えていた。そのため、グラハムに、ルイスはあくまでも被害者として事件を収束させるように指示する。迷うグラハムだが、前科者の弟の存在に目をつぶることを条件として出され、要求を呑む。その頃、グラハムの弟であるピーターは、ヒッチハイクでハンセンの車に同乗していた。しかし、ハンセンは、ピーターがポケットから銃を取り出そうをしていると勘違いし、ピーターを射殺してしまう。彼の死体を投げ捨てるハンセン。グラハムの母は、息子が死体で発見されたことにショックを受け、弟を見つけられなかったグラハムを激しく叱責する。その頃、アンソニーは、人身売買で拘束されていたアジア人たちを街に解放していた。長い夜が、明けようとしていた。
<ひとことreview> アカデミー作品賞受賞作。それも確かに納得できる、すごく誠実に、精巧に作られた良作。ステレオタイプにとどまらないリアルなキャラクター描写が見事。群像劇のため、ひとりひとりの持ち時間は限られているが、全キャラクターが誠実にしっかりと描かれている。誰しもが善悪の両面を持ち合わせているのが、リアルで良い。そのため、彼らの痛み・葛藤がすごくヒリヒリと伝わってくるのだ。ラストには、微かな希望も感じさせ、トーンは終始暗いがやさしさや温かさももちあわせているのもうれしい。派手さはないが、なかなかの良作だ。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:20 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
   
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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