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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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<   2006年 02月 ( 55 )   > この月の画像一覧
<ハ>
・パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(2003、米)    
  ★★★★★★★☆☆☆(7点)
  監督 ゴア・ヴァービンスキー
  出演 ジョニー・デップ オーランド・ブルーム キーラ・ナイトレイ
<story> 総督の娘エリザベスは、若き提督との縁談を控えながらも浮かない気分でいた。幼い頃に海で救助された青年・ウィル・ターナーのことが気になっているからだ。彼女は、ウィルからもらった黄金のメダルをいまだに大切に身につけていた。そしてウィルもまた、エリザベスに叶わぬ恋心を抱いていた。そんな中、町に海賊ジャック・スパロウがやってくる。一匹狼のジャックは、あっけなく捕まってしまう。その夜、次なる侵入者が町を襲う。バルボッサが率いる海賊軍団だ。彼らの狙いは、メダル。ターナーという名の海賊がメダルを盗み出したことによって呪いにかかった彼らは、生ける屍となってしまった。その呪いを解く唯一の方法は、メダルを元の場所に戻し、メダルの持ち主の血をささげること。彼らは自らを「ターナー」と名乗ったエリザベスをさらい、ブラックパール号に乗せて町をあとにする。彼女を助けたいウィルは、ジャックと手を組み、ジャックのもとに集まった船員たちとともにブラックパールを追いかける。一方ジャックにとっても、バルボッサは因縁の相手だった。かつてブラックパールはジャックの船だったのだが、バルボッサの裏切りによってジャックは船を奪われてしまったのだ。ウィルとジャックはエリザベスを救出するが、今度はジャックが捕らえられてしまう。戦いを挑むウィルら船員たち。しかし、不死身のバルボッサたちには勝てず、ウィルは捕らえられ、ジャックとエリザベスは島流しになってしまう。なんとか島を脱出したエリザベスは、提督を説得し、ウィルの救出に向かう。一方、メダルを盗んだ海賊こそが自分の父親で、海賊たちが欲しているのは自分の血だということに気付いたウィルは、自らの名を名乗り出て事態の打開を図る。しかし、ジャックの裏切りによってあえなく捕らえられてしまう。バルボッサによって生贄になりそうになったそのとき、ジャックが立ち上がる。彼は裏切っていなかったのだ。ジャックはバルボッサを撃つが、不死身の彼は死なない。と思ったそのとき、バルボッサが苦しみはじめる。機転をきかせたウィルの血によって、呪いは解けたのだ。こうして、戦いは幕をとじる。しかし翌日、町では、ジャックの公開処刑が行われようとしていた。海賊には死刑、が鉄則なのだ。刑が執行されるそのとき、ウィルが立ち上がる。つづくエリザベス。2人の熱意に、提督は死刑をとりやめる。さらにウィルはエリザベスにプロポーズし、エリザベスは承諾する。解放されたジャックの目の前に、ブラックパール号が現れる。操っているのは船員たち。ジャックを船長に、船は港を出るのだった。
<ひとことreview> イケイケドンドンの娯楽大作。ストーリー自体はなんだかよくわからないほど大雑把なのだが、この映画はとにかくキャラクターとキャスティングの勝利だと思う。マジメなヒーローを誠実に演じることでジャック・スパロウとのバランスを巧くとっているオーランド・ブルーム。パワフルにヒロインを演じているキーラ・ナイトレイも健闘しているし、ジェフリー・ラッシュのさすがの役作りにも最敬礼。しかし、なんといってもやっぱり、ジョニー・デップだろう。彼のこのアプローチがなければ、ジャック・スパロウはこれほど魅力的なキャラクターにはなりえなかっただろうし、映画自体もあまり印象に残らないものになっていただろう。キャスティング主導の娯楽大作という意味では、近年稀有な作品と言えるかもしれない。

・八月のクリスマス(1998、韓)  ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 ホ・ジノ
     出演 ハン・ソッキュ  シム・ウナ
<story> 暑い夏のある日。ジョンウォンが経営する小さな写真館に、ひとりの女性が飛び込んでくる。彼女の名はタリムといい、仕事は駐車違反の取り締まり。その日から、彼女は毎日のように店にやってくるようになり、ジョンウォンを”おじさん”と呼び、なついてくる。しかし、ジョンウォンには、彼女の知らない秘密があった。彼は不治の病を患っており、余命いくばくもないのだ。普段は常に笑顔を絶やさず、そんな素振りは微塵もみせないジョンウォン。しかし、親友と飲みに行った夜に、冗談めかして死が近いことを語り、泥酔して交番で暴れてしまう。また、家では、自分が死んだら1人になってしまう父親のために、いつそうなってもいいように、ビデオの使い方などを熱心に教える。しかし、タリムとは、2人で遊園地に行くなど楽しい時を過ごし、自分の病気のことは明かさない。季節が秋になり、ジョンウォンの病気は悪化。ついに入院を余儀なくされてしまう。一方、タリムは異動を命じられる。しかし、彼女がその報告に写真館へ行っても、彼の姿はない。彼女は、彼への手紙を店のドアにはさむ。数日後、退院したジョンウォンが店に行くと、店の窓ガラスが割られている。手紙がいつまでも開封されないことに怒り、タリムが石を投げつけたのだった。ジョンウォンは手紙を読み、返事を書く。それを渡しにタリムのもとを訪ねるが、仕事に夢中な彼女は、彼が来たことに気付かない。ジョンウォンは、黙って彼女を見つめる。店に戻った彼は、自分の写真を撮る。そして時が経ち、彼は死んでしまう。遺影として飾られているのは、彼が自分で撮った写真。季節は冬に移り変わる。タリムは、写真館を訪れる。そこには、ジョンウォンが撮った彼女の写真が。彼女は微笑み、冬の街を歩きはじめるのだった。
<ひとことreview> とても静かな映画。セリフは少ないし、過剰な演出もほとんどない。”不治の病”をテーマにすると、普通ならどこかに「泣きどころ」が用意されるものだが、この映画にはそれがない。そもそも、彼の病名も明かされないし、2人のキスシーンはもちろん、告白シーンすらない。互いが書いた手紙も、映画の中においては読まれることがなく、内容はわからないまま。これほどまでに説明を排除した映画は、最近においてはすごく珍しい。でも、そこがとても良い。余計に、悲しい運命を背負った主人公の姿が、切なく、そして愛しく見えてくる。微笑みを絶やさないジョンウォンの表情が、とても印象的。温かい家族や友人に囲まれ、そしてタリムとの幸せな時間を過ごすことのできた彼の最期は、ものすごく充実したものだったと思う。人生には終わりがあるからこそ、いかに悔いのない濃密な時間を過ごすことができるか、それが大切なのだ。押し付けがましくない優しいメッセージが、とても心地よい。

・バットマン(1989,米)  ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 ティム・バートン
     出演 ジャック・ニコルソン  マイケル・キートン  キム・ベイシンガー
<story> 犯罪が多発するゴッサム・シティー。そこでは、悪のボス・グリソムが暗躍していた。さて、そんな街で話題になっているのが、謎のヒーロー・バットマンの活躍。敵か味方か?新聞記者のノックスは、美人カメラマン・ビッキーとともにバットマンを追う。ノックスはビッキーに好意を抱いていたが、ビッキーは謎の富豪・ブルースに夢中。一方、グリソムの部下・ジャックは、グリソムを出し抜いてトップになることを企む。しかし、グリソムにそれを見抜かれ、ハメられる。警察に囲まれたジャックは、さらに現れたバットマンに倒され、命を落とす。しかし、池に落ちたジャックは、実は死んでいなかった。ジャックは怪人・ジョーカーに変身し、まずグリソムに復讐する。次の狙いはバットマン。ジョーカーは、バットマンを追いかけるビッキーの美貌にひと目ぼれし、彼女を狙う。ビッキーの危機。そこにバットマンが登場し、ビッキーを救う。ジョーカーは、街に毒をばら撒き、バットマンをおびき出す。一方、ビッキーは、自分に心を開かず、謎の行動を続けるブルースに不満を抱いていた。そんなビッキーにブルースは、「ジョーカーを倒してからだ」と告げる。ジョーカー(ジャック)は、自分の両親を殺した仇。そんなブルースを見て、ビッキーはブルースこそバットマンの正体ではないかと勘づく。バットマンとジョーカーの決戦。バットマンは、ジョーカーをやっつけ、ビッキーを守る。こうして、バットマンは、シティーのヒーローとなった。そしてビッキーは、ブルースの執事の車に乗り込み、「用事があって遅くなる」というブルースの帰還を待つのだった。
<ひとことreview> 奇才ティム・バートンの出世作。バートン監督のオタクパワーが、全編にわたって発揮されている。映像に関しても、いま観ても古く感じないぐらい豪華だし、ストーリーも王道の娯楽作品として十分に楽しめる。ブルースの過去の因縁など、とってつけたようなエピソードが多く、あまり話に深みこそないが。特筆すべきは、なんといってもジャック・ニコルソンの怪演。バットマンのキャラクターがあまりにも地味なため、完全に悪役のほうが目立っている。

・バットマン・ビギンズ(2005,米)  ★★★★★★★★☆☆(8点)
     監督 クリストファー・ノーラン
     出演 クリスチャン・ベイル  リーアム・ニーソン  ケイティ・ホームズ
<story> ブルースは、監獄で謎の男デュカードから声をかけられ、ヒマラヤへ。そこで、謎の秘密結社のボス・ラーズのもと、恐怖に打ち勝つための修行をするブルース。恐怖の源は、幼少時の暗い経験。庭で穴に落ちて、コウモリの囲まれたこと。目の前で、両親を殺されたこと。両親の仇を討とうとしたが、犯人に恨みをもつマフィア・ファルコーニに先を越されたこと。そのファルコーニを前に、何も出来なかったこと。修行を終え、それらの恐怖と折り合いをつけたブルースを、ラーズは悪の道へ誘う。しかし、ブルースはこれを拒絶し、ラーズを倒して山を下りる。ゴッサム・シティに戻ったブルースを、執事のアルフレッドは迎え入れる。ブルースの父が興した会社は、引きついだアールが経営していた。ブルースが戻った目的は、ゴッサムから犯罪を撲滅すること。しかし、ゴッサムには悪や汚職がはびこっていた。ブルースの幼馴染のレイチェルは、検事として、マフィアのボス・ファルコーニらに立ち向かっていた。しかし、戻ってきても遊んでばかりに見えるブルースに、「行動が大事なのよ」と言い放つ。実は、ブルースは、水面下で悪と戦う準備を進めていた。手段は、”バットマン”というシンボルを用いて、悪を掃討すること。さっそく、バットマンに変身して、ファルコーニを逮捕に追いやる。警察は謎のバットマンを要警戒するが、ゴードン刑事だけはバットマンを歓迎する。一方、精神科医のクレインは、ファルコーニを病院へ移送する。レイチェルは、この行動に疑いの目を向ける、病院へ向かう。そこでは、クレインの指示で、毒物が生産されていた。クレインはレイチェルを殺そうとするが、現れたバットマンが救出。クレインは、黒幕はラーズであると告白する。ブルースの誕生日パーティーに、デュカードが現れる。黒幕は彼らの組織だった。目的は、ゴッサムシティを消滅させること。ブルースの会社から盗んだ”水を気化させる機械”を使って、モノレールに乗せて毒を撒く計画を進めていた。混乱する街。そこに、バットマンが現れる。彼は、レイチェルに告げる。「行動が大事だ」と。レイチェルは、バットマンの正体を知る。バットマンは、ゴードンと協力して、モノレールを破壊し、デュカードを倒す。デュカードと通じていたアールを追放して、ブルースは社長に就任する。レイチェルは、彼に言う。「あなたの本当の顔はバットマン。ブルースは死んだ。でも、いつか会えるはず」と。ゴードンは、バットマンを呼び出す。「暴力は暴力を呼び、仮面は仮面を招く。」次の敵は、”ジョーカー”―――。
<ひとことreview> シリーズの”エピソード1”的な作品。バートンが作り上げた世界観とは全く別の形で、ノーラン監督が傑作を作りあげた。娯楽的性格はグッと低くなり、物語は暗く、深く、そして壮大になっている。バットマンが抱える心の闇。恐怖。それに打ち勝ったうえで存在する、ヒーローの強さ。そして、ヒーローであることの孤独。哀しみ。ラストのレイチェルのセリフに、全てが言い表されている。ゴッサムシティの映像イメージも、魅力的で良い。そして、物語自体もよく練られていて、飽きさせない工夫がなされている。また、シリーズのファンへのサービス精神を発揮する余裕も憎らしい。バットモービルの登場、そして、最後の最後で登場する”ジョーカー”。人気シリーズの続編で、しかも途中参加の監督が、ここまで新しく魅力的な世界観を提示してみせた例はあまりない。シリーズに、新しい1ページが刻まれた。

・バットマン・リターンズ(1992,米)  ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 ティム・バートン
     出演 マイケル・キートン  ダニー・デビート  ミシェル・ファイファー
<story> クリスマスに沸くゴッサム・シティ。怪人ペンギンによる、街の有力実業家マックスの誘拐事件が起こる。ペンギンは、マックスに願い出る。自分を捨てた両親を探し出したいので手伝ってほしい、と。マックスは承知し、市民も同情するが、両親はすでに死んでいた。マックスは、原発建設を計画通りの進めるため、ペンギンを利用することを思いつく。そしてペンギンを市長選に担ぎ出し、市民の支持を集めていく。そんな中、マックスの秘書セリーナは、マックスの計画の真の狙いに気付く。マックスが、不要な原発をあえて建てたいのは、街の電力をそこに蓄えるためだったのだ。マックスにそれを指摘するが、彼によって窓から突き落とされてしまう。一方、ブルースもまた、マックスに疑いの目を向けていた。また、ペンギンが地上に出てきた本当の目的も、両親を探すことではないのではないかと睨む。マックスは、そんなブルースを疎ましく感じていた。そんな中、突然、死んだはずのセリーナが現れ、マックスは驚く。セリーナは、キャットウーマンとして生まれ変わり、夜の街で暴れていた。そして、バットマンの前にも現れる。しかし、バットマンにあっさりやられ、キャットはペンギンと手を組むことに。作戦は、バットマンを悪役に仕立てること。そして、バットマンの運転する”バットモービル”を遠隔操作すること。一方で、セリーナとブルースは、互いの正体を知らぬまま惹かれあっていた。しかし、重大な隠し事のために、一線を越えられない。再び夜の街で遭遇したバットマンに、キャットは口づけする。一方、キャットとペンギンは仲間割れ。ペンギンは、バットモービルを操って、バットマンに攻撃する。なんとか生き延びたバットマンは、ペンギンに反撃。ペンギンの本性を市民に暴露し、ペンギンは市民の信頼を失う。マックスも、そんなペンギンを見放す。怒ったペンギンは、真の計画を実行にうつす。それは、街中の長男たちを誘拐して、自分と同じ目にあわせるというものだ。一方、セリーナとブルースは、マックスのパーティーでキスを交わした際に、互いの正体に気付いてしまう。パーティー会場を、ペンギンが襲う。ブルースはバットマンに変身し、激闘の末、ペンギンを倒す。キャットは、マックスへの復讐を果たそうとする。バットマンの仮面をはずして、止めようとするブルース。しかし、セリーナはそれを拒絶し、マックスと戦う。そして、自爆する。帰り道で、ブルースはキャットウーマンらしき女性を目撃する。慌てて駆け寄るブルース。しかし、そこには、黒猫がいるだけだった。ブルースは、猫を拾って帰路につくのだった。
<ひとことreview> シリーズ第2弾。キャラクターのインパクトでは前作には及ばないものの、ストーリーの面白さはアップしている。ペンギン、キャットウーマン、マックスが入り乱れて、見せ場も盛りだくさん。バートン監督ならではの、こだわりの映像美も健在だ。基本的には娯楽作なのだが、話のテーマは意外に深く、そして哀しみに満ちている。ペンギンという存在の哀しみ、そして、バットマンとキャットウーマンが抱える宿命の哀しみ。2人は愛しあいながらも、仮面を持つ者の宿命を背負っているため、想いを実らせることができない。後の『スパイダーマン』シリーズにも繋がるような、ヒーローであるということの切なさが、しんみりと綴られている。

・ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005、米)★★★★★★☆☆☆☆(6点)
   監督 マイク・ニューウェル
   出演 ダニエル・ラドクリフ  エマ・ワトソン
<story> クィディッチW杯の観戦に出掛けたハリーらの前に、突然現れた「闇の印」。それは、ヴォルデモート復活を告げるものだった。ハリーらがホグワーツへ戻ると、ダンブルドア校長は「三大魔法学校対抗試合」の開催を宣言する。魔法省のクラウチ氏も登場し、代表を選出する”炎のゴブレット”によって各校から1名ずつの名前が示されるが、最後にもうひとり追加される。そこに記されていたのは、ハリーの名前。こうして、ハリーを含めた4人による対抗試合がスタートする。しかし、17歳以上という年齢条件を満たしていないハリーの出場に関して、周囲はやっかみの声を上げる。そしてそれは、親友のロンも同様だった。第1の課題は、ドラゴンとの戦い。ハリーは苦戦するも、事前に情報を得ていたこともありクリア。実はこの情報を他人経由で伝えていたのはロン。ハリーとロンは、仲直りする。第2課題の前に、ダンスパーティーが開かれる。ハリーは、密かに想いを寄せるチョウにパートナーを頼むが、先約ありと断られる。一方ハーマイオニーは、代表の1人でもある人気者・クラムとダンスを。激しく嫉妬するロンに、彼女もまた怒り交じりに、本当はロンから誘ってほしかったことを仄めかす。第2の課題でも、他の代表者を救出してクリアするなど活躍したハリー。最後の課題は、不気味な迷路からの脱出。校内でクラウチ氏が殺される事件が起きたこともあり、厳戒体制の中で開催される。そこに現れたのは、ヴォルデモート。アズカバンを脱出したクラウチ・ジュニアが、忠実なしもべとなって復活させたのだ。ついに人間の姿となって現れたヴォルデモートからどうにか逃れ、ハリーは課題をクリアする。しかし一方で、もう1人のホグワーツ代表・セドリックは命を落としてしまう。いよいよ復活したヴォルデモートとの対決の日が迫っていることを、ハリーはひしひしと感じるのだった。
<ひとことreview> ハリポタ第4弾。壮大なシリーズもいよいよ折り返しとなり、とうとうヴォルデモートが完全に復活。物語が本格的に動き出したという意味では、非常に重要な作品になりそうだ。しかし、一方で、『アズカバン』でも感じた物足りなさは今回も消えず。長い原作をある程度忠実に再現しようとすると、どうしても”浅く広く”なるのは避けられないだろうが、もう少し話に奥行きがほしい。原作を読んでみると、映画では気付けなかった発見がきっとあるのだろう。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:41 | 映画ネタバレstory<ナ・ハ>
<ヒ>
・ヒトラー ~最期の12日間~(2004,独)  
                   ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル
     出演 ブルーノ・ガンツ  アレクサンドラ・マリア・ララ
<story> 1942年、ユンゲはヒトラーの個人秘書として採用される。それから2年半後、ヒトラーとユンゲは、彼の腹心たちとともにベルリンの地下要塞に身を潜めていた。ドイツの戦況は悪化し、敗戦は目前。部下たちは降伏を提案するが、ヒトラーは全く聞く耳をもたない。しかし、彼が心の拠り所にしていた攻撃作戦が失敗に終わり、ヒトラーもついに敗戦を認める。ヒトラーはユンゲにベルリン脱出を勧めるが、彼女はヒトラーとともに残ることを決意する。その後、忠臣のヒムラーも裏切り、ヒトラーは自殺の準備を進める。愛人のエヴァと結婚し、彼女とともに死ぬことを決める。ヒトラー、自殺。彼の遺体は、すぐに部下によって火葬処理される。ヒトラーの死後、部下たちは、降伏か抗戦かで意見が対立。しかし、抗戦しても無駄なほど軍は弱体化しており、ついに全面降伏する。ヒトラーを崇拝するゲッベルス夫人は生きる希望をなくし、6人の子供を毒薬で殺したあと、夫とともに自殺する。さらに多くの者たちが、降伏よりも自殺を選ぶ。ユンゲは、ソ連の包囲網をかいくぐり、ベルリンを脱出。その後、60年近く、若き日の過ちに対する罪悪感を背負いながら生きたのだった。
<ひとことreview> あまりにも、重い映画。世界史に突如現れた怪物として語られることの多いヒトラーを、神経質で臆病で、そして女性に対する優しさを持ちあわせた1人の人間として描いている。「ヒトラーってのは、とんでもない奴だったんだねー」と、全ての原因を彼に求めてこの映画を処理することは簡単だ。でも、監督が言いたかったのは、そういうことではないはず。誰もが怪物を生む要因になりうるし、同時に誰もが自分自身が怪物になる可能性をもっている。映画の語り部であるユンゲは、その後、何も知らずにヒトラーを敬愛していた自分自身を、ずっと責めつづけたことだろう。ことは、ヒトラーだけの問題ではないのだ。これからもし、戦争が起こったとして、そのとき僕らは、何に原因を求めるのだろう。テロリスト?独裁者?マスコミ?問われているのは、僕たちひとりひとりの心、なのだ。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:40 | 映画ネタバレstory<ナ・ハ>
<フ>
・武士の一分(2006、日)  ★★★★★★★★☆☆(8点)
   監督 山田洋次
   出演 木村拓哉 檀れい 笹野高史
<Story> 藩主の食事に毒が盛られていないかを調べるのが仕事の”毒見役”三村新之丞。貧しい下級武士ながらも、妻の加世、中間の徳平と幸せに暮らしていた。ある日、いつものように毒見をした新之丞は、突然苦しみ始め意識を失う。藩主暗殺を狙ったものではなく毒性を持つ食材が盛られていただけと判明し、城内にはホッとした空気が流れるが、新之丞はこの毒が原因で視力を失ってしまう。何も見えなくなった新之丞は切腹自殺を考えるが、「ずっと側にいる」と固く誓う加世の言葉を受け、生きる決意を固める。一方、三村家の親戚たちは緊急会議を
開く。新之丞が働けなくなったこのままでは、家名も財産も取り上げられてしまう可能性が高い。危機感を抱く一同だが、加世が藩の有力者である番頭・島田と知り合いであるという話を聞き、島田に相談するよう加世に命じる。数日後、藩主から「三村の家名は存続。新之丞は静かに養生せよ」との言葉が届けられ、新之丞は大いに喜ぶ。そんな新之丞のもとを、叔母が訪れる。「加世が男と茶屋に入っていくところを目撃した」という。新之丞は信じようとせず叔母を追い払うが、やはり気になり徳平に加世の後をつけさせる。すると、やはりその日も加世は男と茶屋に入っていった。新之丞にバレたと知った加世は、観念して全てを正直に打ち明ける。親戚の命令で島田の屋敷へ相談に行ったこと。島田は藩主への口添えを了承した代わりに、加世の体を求めてきたこと。その後3回、島田に抱かれたこと。ショックを受けた新之丞は、加世に離縁を言い渡し、彼女を家から追い出す。徳平と2人の生活になった新之丞は、刀をとり稽古を始める。そして友人に、藩主が自分に恩赦を与えた経緯の調査を依頼する。友人の報告は、「藩主自身が、自分の命を救ってくれた三村の働きへの感謝の気持ちとして決断した」というものだった。島田は口添えなどしていなかったのだ。新之丞は、徳平に頼み、島田に果し合いを申し込む。剣を向け合う島田と新之丞。相手の目が見えないのをいいことに卑怯な戦法をとる島田を、新之丞は一太刀に倒すのだった。島田は、辛うじて残っていた武士の誇りを胸に、新之丞の名を誰にも語らず自害する。数日後、徳平のヘタな食事に苦しむ新之丞を見かねて、徳平が新しい女中を連れてくる。女中の作った食事を口にする新之丞。新之丞は、徳平に女中を自分の隣に連れてくるよう命じる。女中は、戻ってきた加世だった。新之丞には、ひとくち口にしただけで、誰の作った食事かがわかったのだった。2人は抱きしめ合い、再び共に暮らしはじめるのだった。
<ひとことreview> 山田洋次の時代劇3部作最終章。主演に木村拓哉を起用した渾身の一作は、実にエンタテインメント性豊かな快作に仕上がっている。『たそがれ』のような深みにこそ欠けるものの、娯楽性という意味では3部作の中でもピカイチではないだろうか。実にシンプルかつ力強い、愛と誇りの物語である。木村が予想以上の好演。テレビではいつも同じ演技のキムタクだが、サムライ役はなかなかのハマリ役。もともと武士道を感じさせるタイプの男なだけに、やわい現代劇よりはよっぽど時代劇の方がピタっとくるのかもしれない。檀れいの美しさ、笹野高史の飄々としながらも真っ直ぐな演技も印象的。

・フライ、ダディ、フライ(2005,日)  ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
     監督 成島出
     出演 岡田准一  堤真一  松尾敏信  星井七瀬
<story> 平凡なサラリーマン鈴木は、愛する妻と娘とともに幸せな毎日を過ごしていた。しかし、そんな平凡な日常に、突然悲劇が起こる。高校生の娘が暴行され、入院してしまったのだ。暴行したのは、インターハイ連覇のボクシング高校王者・石原。石原に復讐するため、鈴木は包丁を手に学校に乗り込むが、間違えて隣の学校に行ってしまう。さらに、そこにいたひとりの男子学生に殴られ、気絶してしまう。その学生の名は、朴舜臣。彼に喝をいれられた鈴木は、舜臣の指導のもと石原に素手で勝つためのトレーニングをすることに。舜臣らとの友情を深めつつ、次第に強さを手に入れる鈴木。そしてついに、石原との一騎打ちに挑む。鈴木は石原を素手で倒し、娘を迎えに行くのだった。
<ひとことreview> 真っ直ぐで力強い物語。愛する者を守るために必要な、本当の強さとは何か。鈴木のトレーニングとは、石原を倒すためのものだったのではない。愛する家族を守るためのものだったのだ。ストーリーに驚きこそないが、観ていて元気になる熱い物語だ。

・フライトプラン(2005、米)   ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
    監督 ロベルト・シュヴェンケ
    出演 ジョディ・フォスター ショーン・ビーン
<story> 滞在先のドイツで夫を亡くした航空機設計士のカイルは、悲しみに打ちひしがれながら、娘のジュリア、そして夫の遺体とともにNY行きの飛行機に乗る。睡魔に襲われウトウトしてしまったカイルが目を覚ますと、ジュリアの姿がない。機内の保安官カーソンや機長の協力によって機内をくまなく捜すが、どこにもいない。それどころか、ジュリアを見た記憶のある者すらいない。不審に思った乗務員が調べると、ジュリアの搭乗記録自体がないという。混乱するカイルに、乗務員のステファニーからさらに衝撃の新事実が告げられる。ジュリアも夫とともに、6日前に亡くなっているというのだ。ショックで気を失うカイル。しかし、機内には、ジュリアのぬいぐるみがあり、さらに窓にはジュリアが描いたハートマークが。絶対にジュリアは機内にいる、そう信じて再び走り出すカイル。機内を停電させ、機械室へ。すると、そこにはやはり夫の棺しかない。やはりジュリアはどこかにいる。一方、カイルの暴走を重く見た機長は、飛行機を緊急着陸させることを決断。すると、カーソンから機長に進言が。カイルは機内に爆弾を仕掛けており、本当の狙いは身代金なのだという。送金を指示し、カイルが油断したスキに着陸先で逮捕するというプランをカーソンは提案、機長も了承する。しかし、実はこれはカーソンの策略。ジュリア誘拐事件は、カーソンが乗務員のステファニーを巻き込んで仕組んだものだったのだ。全ての罪をカイルに背負わせ、飛行機をジュリアごと爆破し、金をせしめる。これがカーソンの計画で、カイルの夫を転落死させたのも彼の犯行だった。こうして、飛行機は緊急着陸。しかし、カーソンが降りる直前、カイルは彼の陰謀に気付く。激しくつかみあうカイルとカーソン。そしてついに、カイルは機械室でジュリアを発見。爆弾を爆発させてカーソンを倒し、ジュリアを抱いてカイルは脱出。母の強さに、乗客や乗務員たちは驚嘆するしかなかった。
<ひとことreview>パーフェクトな前半に、イヤでも高まるオチへの期待。うーむ。うーむ。さんざんあおったわりには・・・・、というのが正直な感想。犯行計画に説得力がないし、そもそもなんでそんな方法を犯人はとる必要があったのか?その点に対する説得力にやや欠けたか。とはいえ、プロセス重視で楽しめれば、ごくごく上質な一級のエンタテインメント映画。

・プライドと偏見(2005、英)  ★★★★★★★★☆☆(8点)
   監督 ジョー・ライト
   出演 キーラ・ナイトレイ マシュー・マクファディン
<story> 18世紀末、イギリスの田舎町。ベネット夫人の専らの関心事は、5人の娘を良家に嫁にやること。ベネット夫妻には息子がいないため、当時の慣習で女性には相続権がないことから、夫が死んだら家を他人に譲らなければならないからだ。そんな中、大富豪のビングリーが、妹と親友のダーシーと共に町へ越してくる。色めきたつベネット家の女性たち。さっそく開かれた舞踏会で、長女のジェーンとビングリーが打ち解け、夫人は大喜び。しかし、次女のエリザベスは、2人の恋は応援するものの、ダーシーの高慢な態度が気に入らない。後日、ジェーンのもとにビングリーから招待状が届く。夫人は娘を派遣し、風邪をひいてしまったジェーンは数日間ビングリーの屋敷に泊まることに。エリザベスは姉の様子を観に行くが、頭はキレるが勝気な彼女は、やはり高慢なダーシー、そして身分の低いベネット家を軽蔑する妹とぶつかってしまう。そんな中、町に将校たちがやってくる。またまた興奮するベネット家。エリザベスも、好青年のウィッカムと接近する。ウィッカムは、ダーシーの知り合いらしく、かつてダーシーに裏切られた経緯を彼女に説明する。その後に開かれた舞踏会にウィッカムが現れなかったことから、彼女はダーシーを強くなじる。家に戻ったエリザベスを待っていたのは、コリンズからの求婚。彼はベネット家の遠縁にあたり、父の死後は彼が家を相続することになっている。コリンズとしては、娘たちの誰かと結婚し、家を継いだあとも彼女たちの面倒をみたいという思いがあったのだ。しかし、このコリンズ、非常識で空気が読めずデリカシーもないため、姉妹は全く相手にしていなかった。即座にプロポーズを断るエリザベスを、母は激しく責める。しかし一方、本当に好きな人と一緒になってほしいと願っている父は、彼女の選択を支持する。結局、コリンズはエリザベスの親友シャーロットと結婚。一方、ビングリーは、進展しないジェーンとの恋に見切りをつけるかのように、ダーシーとともに町を離れ、ロンドンへ向かってしまう。シャーロットの新居を訪問したエリザベスは、そこでバッタリ、ダーシーと再会する。ダーシーの伯母であるキャサリン夫人から教育のなさを蔑視されながらも、しっかりと自分の意見を主張して譲らないエリザベスの芯の強さに、ダーシーは惹かれはじめる。しかし、ジェーンとの恋を諦めるようにビングリーに進言したのがダーシーだという事実をエリザベスは知り、ますます彼のことを軽蔑する。ダーシーはエリザベスに想いを告白するが、彼女は「あなたは私が一番結婚したくない人」と残酷な言葉で断る。翌日、ダーシーが手紙をもって彼女のもとへやってくる。そこには、ウィッカムに裏切られたのは自分だということ、そしてジェーンの件は、彼女には全く気がないと誤解したダーシーが親友のことを想って助言したのだという真実が書かれていた。動揺するエリザベス。彼女は、叔父夫婦と出掛けた旅行先で、ダーシーの実家を訪問する。気立てのよい彼の妹と会い打ち解けるが、ダーシーとはどこかギクシャクしてしまう。そんな中、事件が起こる。妹のリディアが、駆け落ちしたというのだ。しかも、あろうことか、相手はウィッカム。必死に捜索するベネット一家。叔父が多額の持参金を負担してくれたおかげで、ウィッカムとリディアは結婚することに。誇らしげに帰還した娘を、大喜びで迎える母。しかし、エリザベスは妹の口から驚くべき事実を耳にする。結婚式の費用を負担してくれたのは、ダーシーだというのだ。しかも、そのことは誰にも言わないでくれと口止めされたのだという。そんな中、町に再びビングリーとダーシーがやってくる。ビングリーは、ついにジェーンに想いを告げ、彼女もそれを受け入れる。エリザベスは自分のことのように喜ぶが、その夜、キャサリン夫人が彼女のもとを訪ねてくる。自分の娘とダーシーを婚約させていた夫人にとって、ダーシーとエリザベスの間の噂が我慢ならなかったのだ。さんざん罵られるエリザベスだが、「ダーシーと結婚しないとは約束できない」とハッキリと告げて夫人を追い返す。彼女のもとに、ダーシーがやってくる。改めて、告白するダーシー。エリザベスは、想いを受け入れる。やっと本当に愛する人を見つけた娘を、父親も心から祝福するのだった。
<ひとことreview> とっつきにくい格調高き文芸作品かと思いきや、まぁ面白いのなんのって!昼メロ・チックなストーリーよし、魅力的なキャラクターよし、映像・衣装のこだわりよし。恋愛映画の教科書のような、繊細な脚本と気のきいたセリフまわしも素晴らしい。とりわけ、主人公エリザベスのキャラクターがすごくよい。彼女の人物的な魅力もあるけれど、演じたキーラ・ナイトレイによる貢献も大。筋が通っていて聡明で、でも恋にはピュアで不器用な面もある彼女の魅力を、完全に自分のものにして表現していた。ドナルド・サザーランド演じる父親も最高!ボーっとしてそうで、でもすごく芯が強くて、とっても家族想いで。いっぱい笑って、いっぱいイライラして、そして最後はハッピーな気持ちになれる、文句なしに素敵な恋愛映画。

・プラダを着た悪魔(2006、米)   ★★★★★★★★☆☆(8点)
   監督 デビッド・フランケル
   出演 メリル・ストリープ アン・ハサウェイ
<Story> 名門大学を卒業しジャーナリストを志望するアンディは、NYの一流ファッション誌「ランウェイ」の第二アシスタント採用試験を受ける。第一アシスタントのエミリーは、アンディのダサイ服装を見て帰るように命じるが、編集長ミランダの判断で採用される。喜ぶアンディだが、その仕事内容は過酷そのもの。ミランダは鬼編集長として知られ、無謀な注文を矢継ぎ早にまくしたてられ、アンディはマトモに応えることができない。恋人のネイトも、休日にも電話でミランダに呼び出されるアンディが心配でたまらない。あるミスがきっかけでミランダを失望させたアンディは退職を考えるが、ミランダの片腕のディレクター・ナイジェルに「甘えるな」と言われ、もう少し頑張ってみようと決意する。その日から、アンディは豹変する。ナイジェルにお願いしてオシャレな洋服を貸してもらい、仕事もミランダの要求の一歩先を読むスピードでこなしていく。そんなアンディに、ミランダは次第に強い信頼を置くようになる。そんな中、ファッション業界最大のイベントであるパリコレの開催が迫ってくる。ミランダは、「パリには最も信頼できる人間を連れていく」と語り、アシスタントにアンディを指名する。しかし、アンディはエミリーがパリ行きを励みにずっと頑張ってきたことを知っているだけに、素直に喜ぶことができない。アンディがエミリーに自分のパリ行きを告げようとしたそのとき、エミリーが交通事故に遭ってしまう。こうして、アンディがパリに行くことに。しかし、恋人のネイトは仕事一辺倒で自分の誕生日すらマトモにデートしてくれないアンディに嫌気がさし、パリ行きの前に別れを告げる。パリでも、アンディはしっかりとアシスタントの仕事をこなす。さらに、ナイジェルから「新しく立ち上がるブランドのプロジェクトに抜擢された」という話を聞き、共に喜ぶ。そんなアンディに言い寄ってきたのが、エッセイストのクリスチャン。彼には、以前にミランダから「子供たちにハリーポッターの発売前の新作を読ませたい」という無謀な命令をされたときに、助けてもらったことがあったのだ。アンディは、クリスチャンとひと晩関係をもってしまう。翌朝、アンディはクリスチャンから驚くべき陰謀を聞かされる。「ランウェイ」の会長が、ミランダを解任し、新しい編集長を立てようとしているというのだ。アンディはこの話をミランダに教えようとするが、うまく伝えることができない。そして、パーティーの席で、新ブランドのプロジェクトメンバーが発表される。しかし、そこで呼ばれたのは「ナイジエル」の名ではなく、新編集長候補といわれた女だった。ミランダは全てわかっていて、裏で手を回していたのだ。女に高い報酬をチラつかせ新ブランドの方に就任させ、編集長交代の話を闇に葬る。それが、彼女のしたことだった。ミランダは、自分を助けようとしたアンディに感謝し、「あなたは私に似てる」と告げる。しかしアンディは、ナイジェルを犠牲にしたミランダを責めるが、ミランダは「あなたがエミリーにしたことと同じ」と話す。この言葉を受けたアンディは、ミランダの元をそっと去る。数日後。アンディはネイトと復縁し、新聞社の試験を受け合格する。新聞社の幹部から「ミランダから”君を採用しなかったら大バカ者だ”と言われた」と告げられる。帰り道、アンディはミランダと遭遇する。視線をかわす2人。ミランダは一瞬微笑み、そして車で走り去るのだった。
<ひとことreview> とても完成度の高いライト・コメディ。音楽・ファッション・ストーリーなどどれもセンスがよく、高いレベルでミックスされている。特に素晴らしいのが、女優陣の演技。メリル・ストリープの圧巻の鬼編集長ぶりは間違いなくアカデミー賞ものだし、それを引き出しているのはアン・ハサウェイのフレッシュでキュートな魅力。驚きこそないが、期待通りに楽しませてくれるエンタテインメント・ムーヴィーになっている。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:40 | 映画ネタバレstory<ナ・ハ>
<ヘ>
・蛇イチゴ(2002、日)  ★★★★★★★☆☆☆(7点)
   監督 西川美和
   出演 宮迫博之  つみきみほ
<story>小学校教師の明智倫子は、真面目一徹のサラリーマンである父と、痴呆の祖父の面倒を一手に引き受ける献身的な主婦である母と、平凡だが温かい家庭で幸せに暮らしていた。倫子は、婚約者である同僚教師の鎌田を家族に初めて紹介するが、裕福な家庭で育った鎌田も、倫子の家庭の温かさを好意的に受け止める。しかし、明智家には2つの秘密があった。1つは、倫子の兄・周治の存在。周治は、学生の頃から親を騙して学費をネコババするような問題児で、10年ほど前に父に勘当されて行方知らずになっていた。そしてもう1つの秘密。これは、倫子も母も知らないことだった。父は、実はずいぶん前に会社をクビになっており、それを隠して生活を取り繕おうとして借金まみれになっていたのだ。そんな明智家の見せかけの平和は、祖父の突然の死により、終焉を迎える。祖父の葬儀の日、借金取りが葬儀場に乱入し、父の秘密が全て明るみに出てしまったのだ。借金取りに追い詰められた父を救ったのは、偶然そこに居合わせた周治だった。周治は弁護士のフリをして、借金取りを追い返す。その夜、久しぶりに家族4人が同じ屋根の下に顔を合わせる。そこに、再び借金取りが現れる。周治は懐から120万円を取り出し、父はそれを借りてひとまず借金取りを追い返す。周治は、借金の返済は不可能と判断し、父に破産を勧める。さらに、財産の名義を周治に移してしまえば、今と変わらない生活を送ることができる、と。思考能力が停止してしまった父母は、この周治の提案に賛成する。一方、倫子は鎌谷に呼び出され、家族ともどもウソつき呼ばわりされ傷つく。帰宅する途中、ラジオから飛び込んできたのは、葬儀場で香典泥棒が連続発生しているというニュース。倫子は、その犯人こそ周治であると確信する。家についた倫子は、母と周治の会話を聞きショックを受ける。「倫子は優等生すぎて息がつまる。あの子は嫁に出て行くから、周治は戻ってらっしゃい」というのだ。倫子は、周治が風呂に入っている隙に、「周治を警察へ突き出して、3人でやり直そう」と提案するが、父は「倫子は家を出て、幸せになれ」と言い放つ。両親が寝たあと、兄妹は語り合う。倫子は「お兄ちゃんはいつもウソばかり」と周治を責め、周治は「倫子はいい子。お前がウソをついたことは一度もない」と認める。倫子は、子供の頃の周治のあるウソを思い出す。「学校の裏山に蛇イチゴの木がある」というウソに騙された、というのだ。周治は、それは本当だと釈明する。倫子は、「今から連れて行って」と申し出る。真夜中、裏山を登る2人。しかし、兄が林の奥深く入ったところで、倫子は突然駆け出し、もと来た道を戻る。携帯電話を取り出し、倫子は警察を呼び出し、兄の居場所を告げる。明け方、家に戻る倫子。すると、テーブルの上には、たくさんの蛇イチゴが並んでいるのだった。
<ひとことreview>傑作『ゆれる』を生み出した西川監督の長編デビュー作。既にデビュー作にして、その才能の豊かさを感じさせる良作となっている。一見幸せな温かい家庭も、実はそれぞれが我慢したり、取り繕ったり、諦めたりすることで成り立っているにすぎない。そのシニカルな視点は、『ゆれる』にも通じるものであり、そのシャープな語り口こそこの監督の才能そのものだろう。兄と妹の対比が面白い。兄は確かにウソつきだが、他人に対しては優しく、それなりに家族のことを信じ、理解してもいる。一方、妹は確かにウソはつかないが、他人に対しては厳しく、本心では家族の心を信じることも理解することもできずにいる。財産の名義を自分に移すように指示した周治。彼は、本当に、家族から財産を騙し取ろうとしていたのか?僕は、周治は本心から、家族を再生しようとしていたのではないか、と思う。4人が4人とも、家族というものを窮屈に感じながら、それでもやはり、家族を必要としていたのではないか、と思うのだ。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:39 | 映画ネタバレstory<ナ・ハ>
<ホ>

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by inotti-department | 2006-02-21 12:38 | 映画ネタバレstory<ナ・ハ>
<サ>
※完全ネタバレでstoryを紹介しております。未見の方はご注意ください。
・サンキュー・スモーキング(2006、米) ★★★★★★★☆☆☆(7点)
   監督 ジェイソン・ライトマン
   出演 アーロン・エッカート マリア・ベロ
<story>タバコ研究アカデミーのスポークスマンを務めるニックは、その話術の巧みさから「情報操作の王」と呼ばれている。ニックの仕事は、タバコを有害な存在として世の中から抹殺しようとしている面々を議論で打ち負かし、タバコ業界の利益を確保すること。タバコの有害性を力説するフィニスター議員は、ニックの存在を苦々しく思っているが、テレビの討論番組ではいつも議論負けしてしまう。ニックは、仕事の性質上世間から嫌われており、そんな夫に愛想を尽かす形で妻とは別居状態。ただ、ひとり息子のジョーイは、話術で人生を切り開いていく父親を密かに尊敬していた。そんな中、タバコのパッケージにドクロマークを載せようとする法案が議会に提出され、公聴会が開かれることに。この苦しい流れを打ち破るため、ハリウッド映画の中で主人公にタバコを吸わせてイメージアップを図ろうという策をニックは提案。これが採用され、映画プロデューサーの説得にも成功し、企画が動き始める。その頃、ニックは自分を取材に来た女性新聞記者のヘザーと肉体関係を持つようになっていた。公私ともに絶好調のニックだが、出演したテレビ番組の中で謎の男から脅迫電話を受けてしまう。そしてその数日後、ニックは誘拐され、二度と大好きなタバコを吸えない身体にされてしまう。しかし、世間はそんなニックに同情。フィニスター議員は苦境に追い込まれる。ところが、そんな中突然、ヘザーが書いたニックに関する新聞記事が掲載される。そこには、ニックがこっそり明かしたオフレコのネタが全て赤裸々に書かれていた。ニックは世間の総スカンを食い、映画の企画も頓挫。さらにアカデミーからも追放され、仕事を失ってしまう。消沈するニックだが、自分を尊敬してくれる息子のためにもう一度立ち上がる決意を固め、ドクロマーク法案に関する公聴会に乗り込む。「タバコが有害というなら、コレステロール満載のチーズはどうなんだ?」など、いつも通りの弁舌を披露するニック。さらに、息子ジョーイの将来の喫煙に関しては、「大切なのは教育。最後に決めるのは彼」と堂々と発言し、フィニスターは何も言い返すことが出来ず会は終了する。会場から出てきたニックを、アカデミーのボスは満面の笑みで迎え入れる。しかし、ニックはスッパリと誘いを断る。ニックはもともとこの仕事をビジネスと割り切っており、業界の未来が苦しいことを重々承知していたのだ。そして数ヵ月後、タバコ業界はついに被害者との和解に応じ、アカデミーは解散する。ニックが新たに始めた仕事は、発ガン性を疑われる携帯電話業界の弁護。今日も言葉で人生を切り開こうとする父親を、ジョーイは羨望のまなざしで見つめるのだった。
<ひとことreview> アメリカ社会をクールに皮肉るブラック・コメディ。テンポよい語り口とシャープな物語展開で、存分に楽しませてくれる。タバコの有害性を疑わない人はいないにも関わらず、この映画を観ているとなんとなくニックを応援したくなってしまうのが不思議だ。タバコにまつわる業界モノとしても面白いが、僕はそれ以上に「お仕事モノ」として楽しませてもらった。世間からどんなに疎まれようが、自分の能力を信じてその世界の中で戦っている人間の姿は、やっぱりカッコイイ。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:36 | 映画ネタバレstory<サ・タ>
<シ>
・四月の雪(2005、韓)  ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
     監督 ホ・ジノ
     出演 ペ・ヨンジュン  ソン・イェジン
<story> 照明ディレクター・インスの妻スジンが、交通事故で病院に運ばれた。駆けつけたインスは、事故に遭ったスジンが乗っていた車には別の男が同乗していたことを知り、ショックを受ける。同乗者は、ギョンホという男。病院には、ギョンホの妻ソヨンも駆けつけていた。インスとソヨンは、事故の被害者家族のところへ一緒に謝りに行くなどしているうちに、同じ立場であるという親近感もあり、次第に心を通わせていく。2人の関係はさらに深まっていき、ついに肉体関係を結んでしまう。そんな中、スジンが意識を取り戻す。病院の医師から、インスとスジンがソウルの大きな病院に移ることになったと聞かされたソヨンは、ショックを受ける。しかし、インスはソヨンのことが忘れられず、再び2人は結ばれる。インスと抱き合ったあと病院へ向かったソヨンは、医師からギョンホの死を知らされる。ソヨンは、インスの前から姿を消す。一方、インスは、ギョンホの死をスジンに告げる。号泣するスジンを置いて、インスは病室をあとにする。ソヨンは荷物をもって列車に乗ろうとするが、できずにホテルへ戻る。そこでインスの姿を目にし、涙を流す。一方、インスもまた、ソヨンのいなくなったホテルで、号泣する。もとの生活に戻り、仕事を再開するインス。すると、現場に雪が舞い降る。それは、かつてインスがソヨンに見たいと言っていた、春に降る季節外れの雪だった。雪を見て、互いのことを想いあうソヨンとインス。インスは車にソヨンを乗せ、どこに行くともない旅路へと出発するのだった。
<ひとことreview> ヨン様主演で話題になった韓国映画。とかくヨン様ばかりが注目されがちだが、それはさておきなかなかの良作である。ダブル不倫という、ともすると昼メロのようなドロドロの展開になってしまいそうな素材だが、ホ・ジノ監督はそれを避け、2人の心理の揺れを丁寧に丁寧に拾い上げていく。感情を抑制し、説明的な描写を排除した演出が非常に効果的だ。ヨン様も、持ち前の微笑みを封印して、巧みな”泣きの芝居”で好演している。途中まで、2人の関係が”恋愛”と呼べるのものなのかという疑問が抜けなかったが、最後まで相手を想いあう2人の強い”愛”に、最後は納得した。誰にも理解されなくとも、それもまた確かに、ひとつの”愛”の形なのだ、と。

・疾走(2005、日)  ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
  監督 SABU
  出演 手越祐也  韓英恵  中谷美紀  豊川悦司
<story> とある街。”浜”と呼ばれる場所で暮らす人々にとって、かつて海だった”沖”と呼ばれる場所は、蔑視の対象だった。”浜”で暮らすシュウジは、ある日”沖”でヤクザの鬼ケンと出会い、親切にされる。しかし数日後、鬼ケンは死体で発見される。数年後。中学生になったシュウジは、クラスメイトで思いを寄せるエリの影響もあり、”沖”の教会に通うようになる。そこの神父とも親しくなるが、カンニングで停学になり精神を乱しはじめていた兄のシュウイチによると、神父には殺人の前科があるらしい。シュウイチが神父を狂ったように問い詰めると、神父は、自分の弟が恋人一家を皆殺しにして死刑目前だという事実を告白する。その後、”沖”で連続放火事件が起こる。犯人として捕まったのは、シュウイチ。そのことでシュウジはイジメに遭い、さらに両親もいなくなってしまう。同じ頃、事故に遭って歩けなくなったエリが、東京へ引越してしまう。エリが神父に宛てた手紙には、両親が心中し、さらに引き取られた叔父からレイプされた辛いエリの過去が綴られていた。神父は、シュウジを監獄の弟に会わせる。しかし、弟は「オマエはオレと同じだ」と言い放ち、シュウジはショックを受ける。街でばったり鬼ケンの彼女アカネに会ったシュウジは、アカネとセックスする。しかし、それをアカネの恋人であるヤクザの新田に見つかり、ボコボコにされる。シュウジは、アカネと力をあわせて新田を殺す。現場から逃げたシュウジは、エリのもとへ。壁に「私を殺して」と書いたエリに対し、シュウジは「誰か一緒に生きて」と記す。道で会ったエリの叔父を、シュウジは包丁で刺す。2人は逃げるが、ついに警察に囲まれてしまう。発砲されるシュウジ。そのとき、シュウジの携帯が鳴る。壁にメッセージとともに残した電話番号を観て、どこかの少女が掛けてきたのだった。シュウジは死ぬが、アカネは彼の子を出産する。そしてエリは、松葉杖を外し、神父の待つ教会へと歩いてくるのだった。
<ひとことreview> 暗い。どうしようもなく暗い。世の中の”どうにもならない部分”を見つめる視線は、たしかにリアルでシャープだが、一方で映画としてのまとまりには欠け、さほどのインパクトもなかった。ただ、ラストはなかなか。何も解決されてないのに、それでも未来に微かな希望を感じさせ、好感がもてた。良くも悪くも、好き嫌いは分かれる映画。個人的には、SABU監督にはもっとエンタテインメント性を追及してほしいな、と思う。

・SHINOBI(2005,日)  ★★★☆☆☆☆☆☆☆(3点)
     監督 下山天
     出演 仲間由起恵  オダギリジョー  黒谷友香  椎名桔平
<story> 1614年。長く続いた戦乱の世は終わり、平和な日々が訪れた。そんな中、ぽつりと残された2つの里、伊賀と甲賀。そこでは、妖しい力を持ち、戦うことしか生きる術をもたない”忍”たちが、ひっそりと暮らしていた。伊賀と甲賀は、互いにライバル関係にあり、長年に憎しみあっていた。一方、徳川家康は、強い力を持つ彼らの存在に、危機感をおぼえていた。そんな中、伊賀の朧と甲賀の弦之介は、互いの素性も知らぬまま、許されぬ恋に落ちる。そんな2人に、家康より残酷な指令が下る。それは、伊賀と甲賀の代表5人ずつが戦い、生き残った者が次期将軍を決するというもの。ともに里を背負う立場である2人は、激しく混乱する。弦之介は、その指令の真意を疑い、家康に会いに駿府へと向かう。甲賀の4人は弦之介に同行し、伊賀の5人は彼らを追う。弦之介は戦おうとはしないが、他のメンバーは激しい戦闘を繰り広げ、次々に命を落としていく。朧も最初は戦いに積極的ではなかったが、妹のようにかわいがっていた蛍火が殺されたことに怒り、甲賀勢に戦いを仕掛ける。残るは、互いに2人ずつ。伊賀の天膳は、弦之介を呼び出し、ことの真相を告げる。家康の狙いは、伊賀と甲賀の里に総攻撃を仕掛け、生き残った”忍”を掃討することなのだ、と。甲賀の陽炎と天膳が刺し違え、いよいよ残るは朧と弦之介のみ。弦之介は、わざと朧に殺され、彼女に”忍”の未来を託す。朧は、駿府へ上り、家康と謁見する。伊賀と甲賀への攻撃を指示しつづける家康に、朧は、忍術の源である自分の両目を潰し、攻撃をやめるように願い出る。彼女の覚悟に心動かされた家康は、攻撃の中止を決める。こうして、”忍”たちは、その後も数百年にわたって生き続けたのだった。
<ひとことreview> 良くも悪くも、”形”からはいった映画。そのため、映像やキャストにはこだわりが感じられてそれなりの魅力があるのだが、そこにストーリーが全くついてこない。「こういう映像を撮りたい」という意欲は伝わるのだが、「こういうことを伝えたい」というテーマや哲学が少しも見えてこないのだ。キャラクターの使い方も中途半端だし、主役2人の愛情の深さも全く描けていないから、話に説得力がない。悲劇性も出ない。なんとなく戦って、それで終わってしまったという印象だ。映像は、チャン・イーモウの『HERO』をかなり意識したな、という印象。パクリといってしまえばそれまでだが、スタイリッシュな活劇を描こうとした意欲は、大いに評価しても良いと思う。そういう日本映画は、もっとあっていい。ただ、問題は、中身がないこと。それが全てだ。

・シュガー&スパイス~風味絶佳~(2006、日)  ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
   監督 中江 功
   出演 柳楽優弥 沢尻エリカ 夏木マリ
<story> 高校を卒業した志郎は、大学へ行く気にもならず、とりあえずガソリンスタンドで働きはじめる。両親は反対するが、自分のことを”グランマ”と呼ばせるアメリカかぶれの祖母は、志郎の決断を応援する。そのガソリンスタンドに、女子大生の乃里子が新たなバイトとして加わる。志郎は、乃里子に次第に惹かれはじめ、初めての恋心を実感する。一方、乃里子は矢野という彼氏と別れたばかりで、志郎の純粋な優しさに居心地の良さを感じる。彼女を家まで送ったりしながら、2人は次第に打ち解け始める。そして、乃里子が何気なく言った「好き」という言葉に、志郎は心を躍らせる。ある日、乃里子が矢野から渡されていた合鍵を返しに行くことになり、志郎も一緒について行く。しかし、乃里子と矢野が話しはじめたのを見ると、志郎は先に帰ってしまう。自分を置いていった志郎を激しく責める乃里子。そんな彼女に志郎は自分の想いをぶつけ、2人は結ばれる。それから、2人は毎日を一緒に過ごすようになる。乃里子は、「志郎くんが19歳になったら、一緒に暮らそう」と約束する。今まで経験したことのない幸せを感じる志郎。ししかしある日、乃里子を喜ばせようと彼女のずっと欲しがっていた指輪を購入したその帰り、志郎は自分の部屋を出て行く矢野の姿を発見する。矢野は乃里子に復縁を申し出ていたのだ。動揺する乃里子と、そのことに触れたくても触れられない志郎。2人の間に、微妙な空気が漂い始める。ある日志郎は、乃里子が試験に集中するためという理由でガソリンスタンドのアルバイトを一時休むことを申し出たことを知りショックを受ける。しかし、志郎はそれを隠して、クリスマスイブにグランマのバーでパーティをやるから来てほしいと招待状を渡す。そして、2人は顔を合わさない日々が続き、ついにイブの夜に。バーでずっと乃里子を待つ志郎。しかし、とうとう乃里子は姿を現さない。荒れる志郎を、グランマは優しく包み込むのだった。翌日、志郎がバイト先へ行くと、数分前に乃里子が現れ、バイトを辞めることになったという。志郎がロッカーを開けると、乃里子からの手紙が。そこには、「ごめんね」という言葉と「ありがとう」という言葉が書かれていた。志郎は自転車で乃里子を追いかけるが、乃里子は矢野の車に乗り、遠ざかって行ってしまう。泣き崩れる志郎は、初めて味わう失恋の苦味を噛み締め、来るべき次の恋へ向けて再び前を向くのだった。
<ひとことreview> シンプルかつ王道の青春ラブストーリー。柳楽くん&沢尻エリカという旬のフレッシュなキャスティングが魅力的だ。柳楽の初々しい純粋さを百戦錬磨の沢尻が翻弄するという設定もピッタリの組み合わせ。大きな驚き・大きな感動こそないが、丁寧に若者の恋愛を描いていて好感がもてる。このぐらいの年代の恋愛って、たいてい女の子が一枚上手なもんなんだよね。自転車の志郎がどんなに頑張っても、車の矢野には追いつけないという描き分けが実に象徴的で上手い。周りが見えなくなるほど自分の全てをぶつける初めての大恋愛。共感をおぼえる男性は多いのでは?

・ジョゼと虎と魚たち(2003、日)  ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 犬童一心
     出演 妻夫木聡  池脇千鶴  上野樹里
<story> ジョゼとの出会い。それは、バイト先の雀荘からの帰り道。坂から落ちてきた乳母車を覗くと、中にジョゼがいたのだ。乳母車をひく老婆の家で、恒夫は朝食をごちそうになる。ジョゼは老婆の孫で、半身不随で歩けないのだという。恒夫は、ジョゼの家に通うようになる。一方、恒夫は大学の同級生・香苗に想いを寄せていた。2人は次第に親しくなり、付き合うことに。一方、恒夫の勧めで、ジョゼの家をリフォームすることに。そこに現れた香苗。彼女は福祉関係の仕事への就職を希望しており、バリアフリーに興味があって見学に来たのだ。恒夫と親しげな香苗にジョゼは嫉妬し、「もう来るな!」と恒夫を拒絶する。数ヵ月後。恒夫は、ジョゼの祖母が死んだという噂を聞きつけ、久しぶりにジョゼの家へ。頑なな態度をとるジョゼ。しかし、帰ろうとする恒夫を、ジョゼは泣いて引き止める。2人は、そこで結ばれる。動物園でデートし、念願の虎を見るジョゼ。幸せなジョゼのもとに、香苗がやって来る。2人は、ビンタを張り合う。1年後。恒夫とジョゼの交際は続いていた。恒夫の親に彼女を紹介することも兼ね、旅行をすることに。そんなある日、恒夫は香苗と再会する。香苗は、街頭でタバコ配りをしていた。恒夫と別れてから、恋も仕事もどうでもよくなったという香苗を、恒夫は優しく慰める。恒夫は、ジョゼと車で旅に出る。しかし、親に紹介する気持ちは、恒夫の中ではなくなっていた。ジョゼ念願の水族館は休み。代わりに、海へ行き、さらに魚が部屋じゅうに描かれたホテルへ。そこでジョゼは、別れへの不安を口にする。数ヵ月後。2人は別れる。恒夫がジョゼから逃げたのだ。ジョゼの家を出た恒夫を、迎え入れる香苗。恒夫は号泣する。そしてジョゼは、ひとりでたくましく買物へ出かけるのだった。
<ひとことreview> 障害者と健常者(言葉が適切かは別にして)の切ないラブストーリー。2人は丁寧に時間を積み重ねるが、それでも間に立ちはだかる高い壁を越えることはできない。物語の筋だけを追うと、恒夫の優柔不断で身勝手な行動ばかりが目につき、それに振り回される2人の女性はかわいそう、という印象を受けるかもしれない。が、実はその逆。映画がエンディングを迎えたとき、ジョゼと香苗はどちらもたくましさを増している。ジョゼはひとりで生きる強さを身につけ、香苗はさらにしたたかさを増し恒夫を取り戻す。一方、恒夫は、自分の弱さだけを思い知り、香苗の前で号泣する。2人の女優が輝きを放っていて、それぞれがとても魅力的。そして忘れてならないのは、それを引き出したのが妻夫木だということ。妻夫木聡という俳優は、彼自身にはさほどの個性は感じられないが、そのナチュラルな透明感で共演者を引き立たせる力をもっている。3人のハーモニーがとても心地よい良作。

・シン・シティ(2005、米)  ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 ロバート・ロドリゲス  フランク・ミラー
     出演 ブルース・ウィリス  クライヴ・オーウェン
<story> 犯罪と裏切りがはびこる街、”シン・シティ”。その夜も、”謎の男”が金髪の美女を抱いたあと、その命を奪った。”罪の街”と呼ばれるこの街で、愛する者を守るため、3人の男が立ち上がる。①ハーティガン警部は、誘拐された11歳の少女ナンシーを助けるため、犯人を追いかける。犯人は、街を牛耳るローク上院議員の息子(ジュニア)。ハーティガンはジュニアを仕留めるが、ハーティガンの相棒ボブの裏切りにあい、警察に捕えられてしまう。②前科者のマーヴは、傷だらけの顔のせいで、女に愛されたことがない。そんな彼に愛を教えてくれたのは、高級娼婦のゴールディ。しかし、マーヴが寝ている間に、彼女は彼の隣で殺されてしまう。ゴールディの仇討ちを誓うマーヴは、犯人を追う。たどり着いたのは、ケビンという青年。さらにその背後には、ローク上院議員の弟”ローク枢機卿”の存在があることを知る。マーヴはケビンを倒しロークに迫るが、そこにやって来た警察によって捕まってしまう。マーヴは、死刑を執行される。③ドワイトは、恋人シェリーを殴ったジャッキー・ボーイの暴走を止めるため、彼を追う。ジャッキーが向かったのは、女たちが支配する街”オールド・タウン”。そこでは、警官たちに楽しみを提供するかわりに、女たちに自治権が与えられていた。ドワイトは、オールド・タウンを仕切る元恋人ゲイルの協力もあり、ジャッキーを殺す。しかし、ジャッキーの死体から出てきたのは、彼の警官バッヂ。女たちは慌てる。オールド・タウンの秩序は、警官がどんなに羽目を外しても、決して彼らを殺さないというルールのもとで保たれていたからだ。ドワイトはジャッキーの死体を隠しに車を走らせるが、娼婦ベッキーの裏切りでゲイルがギャングに襲われてしまう。”オールド・タウン”に戻ったドワイトは、女たちと力を合わせて、ギャングたちを一掃する。④ハーティガンは、全ての罪を着せられて、長い獄中生活に入った。そんな彼の唯一の支えは、週に1度ナンシーから届く手紙。しかし、8年が経ったある日、パッタリと手紙が届かなくなる。刑務所を出たハーティガンは、ナンシーのもとへ。美しい大人になったナンシーとの再会を喜ぶハーティガンだが、ジュニアの魔の手が忍び寄る。ジュニアは瀕死の状態から回復し、以来ハーティガンへの復讐を計画していたのだ。ジュニアはナンシーを人質にとるが、ハーティガンはジュニアを倒し、ナンシーを救出する。ハーティガンはナンシーを先に家へ帰らせ、ローク上院議員との抗争にナンシーを巻き込まないために、自らの頭に銃を放つ。⑤ベッキーは、病院のエレベーターで、ある青年に声をかけられる。その男は、美女をつけ狙っては命を奪う、”謎の男”だった。
<ひとことreview> ”映画のような漫画のような映画”。原作はアメリカの人気コミック。その大ファンであるロドリゲス監督が、コマ割もほぼコミックのままに忠実に映像化したのが、この作品だ。監督として原作者のフランク・ミラーも一緒にクレジットされているのも、映画の世界観がほぼコミックのそれを踏襲したものであるからだろう。全編モノクロで描かれた映像が、最高にカッコイイ。モノクロの中で美女の紅いドレスだけが彩りを放つオープニングから、グイグイそのスタイリッシュな世界に引きずり込まれてしまう。豪華キャストも、全員が伸び伸びと各々のキャラクターを演じている。クールでオシャレでカッコイイ、新しいスタイルの映画の誕生だ。

・シンデレラマン(2005、米)   ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 ロン・ハワード
     出演 ラッセル・クロウ  レニー・ゼルウィガー
<story> 1930年代。世界チャンピオン目前までいった元スターボクサーのジミー・ブラドックは、日々の食事にも苦労する貧しい毎日を過ごしていた。アメリカを襲った大恐慌。さらに、故障が原因で冴えない試合を続けたことを理由に、ライセンスも剥奪されてしまう。いよいよ追い込まれたジミーに追い討ちをかけるように、妻のメイが3人の子供たちの身を案じて、彼らをよその家に出そうとする。家族を守ることを誓うジミーは、プライドを捨てて、ボクシング協会にカンパを募りにいく。そんなジミーのもとを、かつてのマネジャーであるジョーが訪ねてくる。彼がもちかけたのは、一夜限りの試合。手当てを得るために出場した試合で、ジミーは見事勝利。ライセンスを取り戻し、さらに連勝を伸ばすジミーに、苦しい生活を強いられている庶民は熱い声援をおくる。いよいよ次は、タイトルマッチ。しかし、王者は、過去2回リングで対戦相手を殺している超強敵。メイは止めるが、ジミーは戦う決意を固める。いよいよ当日。熱い応援に支えられ、ジミーは善戦。見事15ラウンドを戦いきり、判定勝ちをおさめるのだった。
<ひとことreview> きわめて”マジメ”な映画。奇をてらうことなく、気持ちがよいほどの直球勝負を見せてくれる。ストーリーに個性こそないが、グイグイとスクリーンに引き込む力強さは、なかなかのもの。大恐慌に苦しむ庶民の姿がしっかり描けていることが素晴らしい。それによって、ジミーの復活の感動度合いがさらに深まっている。もう少し後半のストーリーに”浮き沈み”が欲しかった感はあるが、実話である以上、それも仕方ないだろう。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:34 | 映画ネタバレstory<サ・タ>
<ス>
・スターウォーズ エピソード3 シスの復讐(2005,米)  
                        ★★★★★★★★★☆(9点)
   監督 ジョージ・ルーカス
   出演 ユアン・マクレガー ナタリー・ポートマン ヘイデン・クリステンセン
<story> ドゥークー伯爵率いる分離主義者たちの反乱によって、共和国の内情は混乱の度を深めていた。そんな中、ドゥークーにより、元老院のパルパティーン議長が誘拐される事件が起こる。アナキンとオビ=ワンはドゥークーを倒し、議長を救出する。議長はアナキンへの信頼を深め、彼をマスターに推薦する。しかし、ヨーダら評議会の面々は、独裁色を強め、ジェダイにまで口を出してくる議長に不信感を抱きはじめる。一方、アナキンは、妻のパドメの妊娠の知らせに喜びながらも、彼女が死んでしまう悪夢を毎晩見て、悩みを深めていた。さらに、自分をマスターに昇格させず、そのうえ議長のスパイを命じるジェダイたちへの不信感を募らせる。そんなアナキンに、議長の魔の手が忍び寄る。「フォースの暗黒面を学べば、パドメを死から救える」「ジェダイは共和国を裏切ろうとしている」パルパティーンの正体は、シスの暗黒卿ダース・シディアスだったのだ。彼の誘惑に、アナキンは動揺する。そんな中、逃走を続けていた分離主義者一味のグリーバス将軍が発見され、オビ=ワンが彼を倒す。あとは議長を倒せば、内乱も終わる。マスター・ウィンドゥは、議長を仕留めに向かう。しかし、それをアナキンが阻止。ウィンドゥを殺したアナキンを、シディアスは迎え入れる。そして、アナキンに「ダース・ベイダー」の名前を与える。シディアスは、議会からの圧倒的な支持を集めて銀河帝国の誕生を宣言。”裏切り者ジェダイ”の一掃を命じ、それを受けアナキンはジェダイ修行中の子供たちを皆殺しにする。アナキンの裏切りを知ったオビは、パドメとともにアナキンのもとへ。説得を試みるパドメだが、アナキンは銀河系支配の野望を語り、聞く耳をもたない。失望したパドメは、彼を拒絶する。アナキンは、全てはオビのせいだと、彼への憎悪を深める。オビVSアナキン。オビの激しい攻撃にアナキンは瀕死の状態に陥るが、オビはとどめをささずにその場を去る。生きる力を失ったパドメだが、気力で双子を出産。子供たちをルークとレイアと名付け、この世を去る。ヨーダとオビは、いったん撤退し、反撃の時を待つことに。ルークとレイアは、帝国に見つからないように別々に育てられることになる。そして双子の父親であるアナキンは、瀕死の状態から救われ、ダース・ベイダーのマスクをかぶるのだった。
<ひとことreview> スターウォーズ6部作の完結編。シリーズ完結編にして、最高傑作。序盤からハイテンションな映像にグイグイ引き込まれ、後半の悲劇的な展開は最高にドラマチック。エピソード4の冒頭とピタリとつながる、ラストのタトゥイーンの太陽は鳥肌もの。あくまでも感動ドラマではなく冒険活劇としてのスタイルを貫いたルーカスの姿勢にも感服。大満足!
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by inotti-department | 2006-02-21 12:33 | 映画ネタバレstory<サ・タ>
<セ>

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by inotti-department | 2006-02-21 12:32 | 映画ネタバレstory<サ・タ>
<ソ>

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by inotti-department | 2006-02-21 12:32 | 映画ネタバレstory<サ・タ>
   
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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