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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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<   2006年 02月 ( 55 )   > この月の画像一覧
<オ>
・奥さまは魔女(2005,米)  ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
     監督 ノーラ・エフロン
     出演 ニコール・キッドマン ウィル・フェレル シャーリー・マクレーン
<story> 魔女のイザベルは、ハリウッドで新生活をスタートする。彼女の願いは、魔法に頼らず、人間のように暮らすこと。そして、普通の恋をして、誰かから必要とされること。一方、落ち目の映画スター・ジャック。主演映画が立て続けにコケて、妻も出て行ってしまった。彼は、TVドラマ『奥さまは魔女』のリメイク作で、復活を狙っていた。問題は、魔女のサマンサを誰に演じさせるか。ジャックは、自分を引き立たせるために、新人の起用を監督に要求する。そんなとき、ジャックは町でイザベルと出会う。彼女の”鼻ピクピク”を見て、彼はイザベルをサマンサ役に抜擢する。まさか、彼女が本物の魔女だなどとは夢にも思わずに。「君が必要だ」というジャックの言葉を受け、イザベルもその気に。しかし、撮影がスタートすると、自分さえ目立てばよいという自己中心的なジャックの考え方に深く失望する。イザベルの悩みを聞いた魔女のクララおばさんは、ジャックに呪いをかける。すると、ジャックはたちまち改心し、イザベルに夢中に。夢のような展開にイザベルは舞い上がるが、ふと我に返る。魔法には、もう頼らないと決めたのだ。イザベルは、呪いを解く。イザベルは、自分勝手なジャックを激しく叱咤する。それを聞き、ジャックも心を入れ替える。すると、撮影もスムーズに進み、2人の仲も次第に親密に。しかし、大きなウソをついていることに心を痛めていたイザベルは、自分の正体を明かす。ジャックは取り乱し、イザベルを追い払おうとする。傷心のイザベル。しかし、それはジャックもまた同じだった。イザベルへの想いの気付き、ジャックは彼女のもとへ。告白し、2人は結ばれる。2人は、新しい生活をスタートさせるのだった。
<ひとことreview> アメリカの人気テレビドラマのリメイク作。といっても、劇中劇のスタイルをとっており、正確な意味でのリメイクではない。残念なのは、この設定が全く生かされていないこと。魔女役を魔女が演じることで起こるドタバタによる笑いを僕は期待したのだが、そういう笑いはほとんどなかった。最後まで観ても、こういう設定のリメイクにした理由が、僕にはわからなかった。ただ、コメディとしては物足りないが、王道のロマンティック・コメディとしては十分に満足。ニコールの演技も上々。彼女がこれほどラブコメを魅力的に演じることができるとは、僕は思っていなかった。素晴らしい。監督もラブコメの女王ノーラ・エフロンなのだし、こんなことなら、リメイクにとらわれない王道のロマンティック・コメディが観たかった。僕が、オリジナルを見たことがないから、余計にそう思ったのかもしれないが。

・オリバー・ツイスト(2005、英)  ★★★★★★☆☆☆☆(6点)
   監督 ロマン・ポランスキー
   出演 バーニー・クラーク  ベン・キングスレー
<story> 19世紀、イギリス。養育院で育った孤児のオリバーは、9歳になり救貧院に戻ってくる。しかし、そこでおかわりを要求したことを責められ、オリバーは追放されてしまう。葬儀屋に拾われたオリバーだが、そこでもイジメにあい、ついに家を飛び出す。オリバーは、7日間かかけて歩き、ロンドンへ。そこで出会ったのは、”早業”ドジャー。彼の案内で、オリバーはフェイギンという老人のもとで居候することに。しかし、フェイギンの正体は、スリ集団のボス。彼は、ドジャーとその仲間たちにスリの技を教え、その稼ぎをもとに生活していたのだ。フェイギンは、素直なオリバーをかわいがり、彼にもスリの技を伝授する。そしてついに、はじめて街へ出ることを許可される。さっそく本屋でスリを実行するドジャーたち。彼らは逃げるが、オリバーは逃げ遅れて捕まってしまう。目撃者の証言でなんとか罪を免れたオリバーを、スリの被害者・ブラウンロー氏は連れ帰る。オリバーの素直さを気に入ったブラウンローは、彼にキレイな服を着せ、息子のようにかわいがる。ある日、彼はオリバーにお届け物の仕事を頼む。オリバーは出掛けるが、そこでフェイギンの仲間・ビルの情婦であるナンシーと遭遇し、捕まってしまう。フェイギンとビルは、オリバーが自分たちのことを警察にバラすのではないかと気を揉んでいたのだ。ビルは、オリバーの裏切りを阻むために、彼を連れてブラウンローの家へスリに出掛ける。しかし、失敗に終わり、オリバーは撃たれて負傷してしまう。オリバーの身を案じたナンシーは、ブラウンローと密会し、オリバーの居所とフェイギンの正体を告げる。しかし、彼女の動きに気付いたビルは、ナンシーを撲殺する。一度は街を離れて逃げたビルだが、逃亡資金を調達するために再びフェイギンの隠れ家へ。ビルの戻った隠れ家を、警察は包囲する。ビルはオリバーを人質に抵抗するが、誤って自ら首を吊ってしまう。再びブラウンローに保護されたオリバーは、刑務所へ向かう。目的は、フェイギンと会うこと。しかし、絞首刑を控えたフェイギンは、錯乱状態に陥っていた。オリバーは、自分の世話をしてくれたフェイギンにお礼を言う。オリバーを抱き締めるフェイギン。オリバーは、馬車に乗って刑務所を離れるのだった。
<ひとことreview> なんとも物語らしい物語。オリバー少年の遭遇する、哀しくて不思議な体験談。運命に翻弄されながらもひたむきに生き抜いていく少年の姿は、とても感動的だ。ただ、前半の100点満点の語り口に比べると、フェイギンのもとを離れてからの後半の展開はやや物足りない。突然、視点が”大人たちの思惑”へシフトし、オリバーの存在感が薄くなってしまったからだ。本音を言えば、オリバーとドジャーら少年たちの、カタルシスを感じさせるような冒険活劇を観てみたかった。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:22 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<キ>
・キング・コング(2005、米)   ★★★★★★★☆☆☆(7点)
     監督 ピーター・ジャクソン
     出演 ナオミ・ワッツ  ジャック・ブラック
         エイドリアン・ブロディ
<story> 1933年、NY。支援を打ち切られ追い詰められた映画プロデューサーのカールは、起死回生の策として、未開の島を舞台にした冒険映画の製作を企てる。そして同じ頃、売れない女優のアンもまた、劇場の閉鎖によって失業の危機に瀕していた。カールは、街で見かけたアンの美しさにひと目ぼれし、主演女優としてスカウトする。アンは初め躊躇するが、脚本家が憧れのジャック・ドリスキルと知り、参加を決断する。こうして、カールとアン、ジャックを乗せた船は航海に出発。アンとジャックは、船上で瞬く間に恋に落ちる。カールは最初、目的地をシンガポールと伝えていたが、本当の目的地は伝説の島”スカル・アイランド”。そこは、高い壁に囲まれ、原住民や恐竜、怪物たちが暮らす危険な島だった。降り立ったカールたちは、すぐに原住民の襲撃にあい、アンがさらわれてしまう。原住民は、アンを怪物”キング・コング”に生贄として捧げる。ジャックたちはアンを救出しようと追いかけるが、途中で遭遇した怪物たちによって次々に仲間を殺されてしまう。一方アンは、最初はコングに脅えていたが、コングが怪物たちから自分を守ってくれたことから、次第に心を開くようになる。コングと穏やかな時を過ごしていたアンのもとに、ひとり救出を諦めなかったジャックがやってくる。アンを連れて逃げるジャック、それを追うコング。門のところに着くと、待ち受けていたのはカール。カールは、クロロホルムを嗅がせ、コングの生け捕りに成功する。数ヵ月後のNY。劇場はその日、満員の観客で溢れかえっていた。お目当ては、”キング・コング”。カールは大喝采の中ステージにあがり、いよいよコングを披露する。最初は喜んでいた観客たちだが、暴れだしたコングが手錠を破壊したことから事態は急変。一目散に逃げまどう人々。街中を破壊するコング。コングはアンの姿を捜す。そしてアンもまた、出演していた舞台を抜け出し、コングのもとへ。一方、ジャックも、アンを守るため、そして彼女に本当の想いを伝えるため走りだす。ついに再会を果たすコングとアン。ビルの頂上から、肌を寄せ合い街を眺める。しかし、警察と軍隊は総動員でコングに容赦なく銃弾を向ける。力尽きたコングは、地上に転落。失意のアンは、ジャックの胸に泣きつくのだった。
<ひとことreview> 究極のB級映画にして、一級のエンタテインメント大作。そして何より、キュートで切ない異形のラブ・ストーリー。前半は少しダレ気味なパートも多いが、ラスト1時間の盛り上がりはスゴイのひとこと。まさに1秒たりとも、スクリーンから目を離すことができない怒涛のクライマックス。アンとコングの氷上のダンスなど、心に残る名シーン・名カットも多数。主役3人の配役も、地味だけど適材適所で素晴らしい。中盤のB級テイストを受け入れられるかどうかに、この映画を楽しめるかはかかっている。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:21 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<カ>
・カーズ(2006、米)   ★★★★★★★★☆☆ (8点)
   監督 ジョン・ラセター
   声の出演 オーウェン・ウィルソン ポール・ニューマン
<story>マックイーンは、若き天才レーシングカー。実力はピカイチだが、自己中心的な性格のため、友達はひとりもいない。世界一を決定するレース「ピストンカップ」を1週間後に控え、会場のカリフォルニアへ向かう途中、マックイーンは事故に巻き込まれ迷子になってしまう。たどり着いたのは、見たこともないサビれた町。そこは「ラジエーター・スプリングス」という名の、地図からも消された町だった。道をボロボロに傷つけてしまったマックイーンは、町の裁判所で裁かれ、道を直すまでは町に閉じ込められることに。早くレース会場へ向かいたいマックイーンは、最初はイヤイヤ道の舗装をするが、自分を親友と呼ぶレッカー車のメーターや、モーテルに自分を泊めてくれた心優しいサリーらと出会い、次第に心地よさを感じるようになる。そんな彼に唯一厳しく接するのが、老紳士ドック。ある日、ドックの家の物置きで、マックイーンは予想もしないものを目にする。それは、若き日のドックが勝ち取った「ピストンカップ」の優勝カップ。ドックは、伝説の名レーシングカー”ハドソン・ホーネット”だったのだ。しかし、ドックは3連覇した次の大会で途中棄権して新人に敗れたときにマスコミや世間から冷たくされ、すっかりレーシングカー嫌いになってしまったのだ。マックイーンは、ひと晩徹夜して道を直し、翌日町の仲間たちとの楽しいひと時を過ごす。そこに、突然現れたマスコミ軍団。マックイーンを疎ましく思ったドックが、彼の場所を教えたのだ。連れ去られるように町を去るマックイーン。レース当日。サリーらと過ごした日々が脳裏をよぎり、レースに集中できない。遅れをとるマックイーン。そこに届いた、ドックの声。町の仲間たちが、応援に来てくれたのだ。最高のスタッフをピットに迎え、巻き返すマックイーン。ライバルを抜き去り、先頭でゴールへ向かう。しかし、ゴールラインの目の前で、突然ストップする。長年チャンピォンだったキングがクラッシュで止まってしまったのを見て、かつてのドックと重ね合わせたのだ。「キングは棄権するべきではない!」キングをうしろから押してゴールへ向かうマックイーン。結局、彼は3位でゴールインする。そんな彼を、観衆は割れんばかりの大歓声で祝福する。レース終了後、キングのスポンサーがマックイーンを勧誘するが、彼は断る。自分は仲間を裏切れない、と。マックイーンは、ラジエーター・スプリングスを拠点に生活をはじめる。愛するサリーと一緒にドライブを楽しむマックイーン。そして町には、続々と観光客が押し寄せてくるのだった。
<ひとことreview>いつもクオリティの高いアニメーション映画を作りつづけるピクサー。今回の仕事もまた素晴らしいのひとこと。レースシーンをはじめとする映像、魅力あふれるキャラクター。しかし、何にもまして素晴らしいのは、やはりそのメッセージ。「ひとりで何でもできたって、それで寂しくないの?」「ときには高速を降りて、脇道にそれて立ち止まってみようよ」「勝つことよりも大切なことがある」ピクサーのメッセージは、いつだって正しい。

・カポーティ(2006、米)   ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
   監督 ベネット・ミラー
   出演 フィリップ・シーモア・ホフマン キャサリン・キーナー
<story> 1959年、カンザス州ホルカムで発生したクラッター一家4人惨殺事件。事件の一報を掲載する新聞記事を読んで、人気作家のカポーティは強い関心を抱く。新しいジャンル「ノンフィクション・ノベル」として、カポーティはこの事件を題材に小説を執筆すべく、相棒のネルとともにホルカムへ向かう。捜査にあたっていたのは、地元の刑事・デューイー。最初はカポーティの取材を頑なに拒む彼だったが、妻がカポーティの小説のファンだったことから、取材に応じるようになる。捜査は難航していたが、やがて有力な情報が寄せられ、2人の青年が逮捕される。容疑者は、ディックとペリー。カポーティは、内気で不器用で、しかし知性も感じさせるペリーにシンパシーを抱き、接近する。さらにカポーティは、有能な弁護士を付けさせ、2人の裁判を長引かせることに成功する。次第にカポーティに心を開きはじめるペリー。そして、カポーティはその裏で、小説のタイトルを「冷血」に決め、執筆を進める。カポーティは「冷血」の一部を朗読会で披露し、絶賛を浴びる。出版社の担当者はすぐに小説を完成させるよう進言するが、カポーティはなかなか結末を書くことができない。彼にはわかっていたのだ。この小説は、2人の死刑執行をもってしか完成し得ないことが。小説の完成とペリーへの同情の狭間で葛藤するカポーティは、ペリーからたびたび届く手紙から目を背け、次第に距離を置き始める。時は流れ、久しぶりにペリーのもとを訪れたカポーティは、事件当夜のことを語るようにペリーに強く迫る。そして、ペリーは語った。クラッター家に大金が隠されているという噂を聞きつけ一家を襲った2人だったが、家の中に現金は見当たらず、たったの40ドルしか彼らは手に入れることができなかった。動揺した2人は、家の中にいた全員を発作的に殺してしまったのだ、と。時は流れ、事件発生から6年が経過した。カポーティは、いまだに「冷血」を書き終えることができずにいた。そこに、ペリーから電話が入る。控訴が取り下げられ、ついに死刑執行が決まったという。「友人に最後を見届けてほしい」というペリーの願いを聞きいれ、カポーティは彼の元へ向かう。そして、カポーティの目の前で、刑は執行されるのだった。その後、カポーティは「冷血」を書き上げたが、以後彼は生涯、一作も世に作品を発表することができなかった。
<ひとことreview>アメリカ文学を代表する作家トルーマン・カポーティは、なぜ『冷血』を最後に小説を書くことが出来なくなってしまったのか?この謎を切り口に、『冷血』完成の裏に秘められたエピソードを映画化したのが今作だ。僕はカポーティという作家をまったく知らなかったけれど、この切り口を聞いただけで、この映画を観てみたいと思った。そして、期待に違わず、とてもよくできた映画だと感じた。作家としての苦悩・葛藤を巧みに表現したホフマンの演技が素晴らしい。取材者と被取材者の距離感というのは、本当に難しいものなのだろう。距離が縮まれば縮まるほど被取材者は心を開くようになるが、そうなればなるほど、客観的な文章を書くことは難しくなる。その過程で、カポーティは、心の闇を広げてしまったのかもしれない。

・かもめ食堂(2006、日)   ★★★★★★★★☆☆ (8点)
   監督 荻上直子
   出演 小林聡美 片桐はいり もたいまさこ
<story>フィンランド、ヘルシンキ。サチエは、たった一人で「かもめ食堂」という名の日本料理を出す食堂を切り盛りしている。オープン後、ひとりもお客さんの来ていなかったお店に、ついに初めてのお客さんがやって来る。トンミという名のそのお客さんは、カタコトの日本語を操る”日本かぶれ”の青年。サチエは、トンミから「ガッチャマン」の歌詞を教えてほしいと頼まれるが、思い出せない。そんなある日、サチエは街で日本人女性を見かけ、声をかける。「ガッチャマン」の歌詞を尋ねようと思ったからだ。彼女は、完璧に教えてくれる。彼女はミドリという名で、日本で辛い経験をして、心機一転遠くフィンランドへやって来たようだ。2人は親しくなり、やがてミドリも「かもめ食堂」を手伝うことになる。トンミ以外にも少しずつお客さんが入るようになってきた食堂に、またひとり日本人が訪れる。彼女はマサコという名で、旅行でヘルシンキへ来たのだが、飛行機の乗り換えの際の航空会社のミスで荷物が行方不明になっていた。荷物が戻るのを待つ間、マサコも食堂を手伝うことに。その後、「かもめ食堂」の前に同じ場所でコーヒーショップを開いていた男性、夫に出て行かれてしまった婦人など、様々な人との交流を重ねる3人。そんな中、ついにマサコの荷物が戻ってくる。サチエとミドリはマサコの帰国を覚悟するが、開けてみると荷物の中身が変わっていた。滞在の延長を決めるマサコ。毎日マジメに料理を出しつづけるサチエらの努力が実り、ついに満席となる「かもめ食堂」。美味しいおにぎりをメインメニューに、サチエら3人は今日も元気よく「いらっしゃい!」と店を切り盛りするのだった。
<ひとことreview>特別な出来事など何も起こらずに、穏やかな時が流れつづける”のほほん映画”。しかし、これが不思議と心に響くのだ。美味しいごはんと素敵な友達の存在さえあれば、人は十分に幸せになれる。そんな温かく前向きな気持ちになれる、とっても素敵な映画。満席となった食堂には、日本人とフィンランド人の笑顔が溢れていた。満足!
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by inotti-department | 2006-02-21 12:21 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<ケ>
・敬愛なるベートーヴェン(2006、英・洪) ★★★★★★★☆☆☆(7点)
  監督 アニエスカ・ホランド
  出演 エド・ハリス ダイアン・クルーガー
<story>1824年、ウィーン。”第九”の初演会を4日後に控えた大作曲家ベートーヴェンのもとに、1人の女性がコピースト(写譜家)として派遣される。彼女の名はアンナといい、音楽学校を首席で卒業し、将来は作曲家になることを夢見ている。しかしベートーヴェンは女性に音楽は出来ないと決め付けており、アンナをすぐに追い返そうとする。しかし、アンナは自分が完璧にコピーした楽譜をベートーヴェンに見せ、さらにベートーヴェンがトラップとしてわざと間違えて記した楽譜を、正しい形に直してみせる。ベートーヴェンは、彼女の才能、そして自分の音楽への理解の深さを知り、彼女をコピーストとして雇うことにする。アンナは尊敬する大作曲家の仕事を手伝えることに大きな喜びを感じるが、同じ部屋で過ごすにつれ、彼の粗暴で下品な振る舞いに辟易しはじめる。さらに、彼女が下宿する修道院の婦人も、アンナに音楽を諦め神の道に進むように進言する。また、アンナにはマーティンという恋人がいた。マーティンは建築家を志しており、セーヌ河に掛ける橋のコンペへ向け、デザイン作りに精を出していた。彼もまた、もう何年も新作を発表していないベートーヴェンを「終わった音楽家」とみなしており、アンナが彼のもとで仕事していることをあまり好ましく思っていなかった。しかしアンナは、ベートーヴェンの音楽的才能と、自分を信頼してくれることを誇りに思い、充実した思いで写譜に取り組む。一方、ベートーヴェンにはカールという寵愛する甥がいた。ベートーヴェンは、カールにも作曲家になってほしいと望んでいたが、カールは自分の才能のなさに苦しみ、借金まみれの荒んだ日々を過ごしていた。そして初演会当日。マーティンとともに客席についたアンナは、ベートーヴェンに呼び出される。耳の聴こえない彼は、指揮をとることに対してナーバスになっていたのだ。アンナは、「私が付いています」と勇気付け、演奏者の間に座ってベートーヴェンの指揮をサポートすることにする。名だたる作曲家や大公の前で披露された”第九”は、その壮大かつ感動的な演奏によって、満場の大きな拍手に包まれる。こっそりと聴きにきたカールも、感動して涙を流す。大きな仕事を成し遂げたベートーヴェンは、アンナを指さし「これは2人でやったんだ」と彼女に賛辞を送るのだった。翌日、気をよくしたアンナは、自分の作曲した楽譜を持ってベートーヴェンを訪ねる。しかし、ベートーヴェンは「良い曲だが、オナラを連発したような曲だ」と嘲笑し、深く傷ついたアンナは部屋を飛び出す。その数日後、あの日以来姿を見せなくなったアンナのもとをベートーヴェンが訪れる。彼は、「一緒に曲を手直ししよう」と呼びかけ、アンナもそれに従う。その日から、2人の共同作業が始まる。ベートーヴェンは、構成や形式にこだわるアンナに、「心の声に耳を傾けろ」とアドバイスする。一方、アンナはベートーヴェンを敬愛するあまり、彼の曲にそっくりな曲を作ってしまい、「良い曲だが、唯一の欠点は私の模倣であることだ」と指摘される。そんな中、マーティンのデザインした橋のコンペが行われ、その会場をアンナとベートーヴェンが訪れる。アンナは、そのデザインの平凡さに疑問を感じながらも、恋人に気を遣い作品を褒める。しかし、ベートーヴェンはその作品を酷評し、橋の模型をメチャクチャに破壊してしまう。傷ついたマーティンは、アンナに「今後ベートーヴェンに近づいたら縁を切る」と言い放つ。アンナもベートーヴェンを責めるが、一方で作品に対する意見は彼と同じであり、結局引き続きベートーヴェンの側にいることを決意する。そして、ベートーヴェンが「これは未来への架け橋だ」という自信作『大フーガ』が完成。大公の前で披露するが、曲の良さは理解されず、アンナを残して全員が席を立ってしまう。ベートーヴェンは「予想通り」と強がるが、直後、気を失って倒れてしまう。病にかかり床に伏せるベートーヴェンは、アンナにメロディを伝え、彼女はそれを楽譜にしていく。それは、美しいメロディの聖歌だった。ベートーヴェンが死ぬまで、アンナは側を離れなかった。そして、彼の死後、『大フーガ』はそのクオリティの高さを再評価され、後世の音楽家たちに大きな影響を与えたのだった。
<ひとことreview>ベートーヴェンの知られざる晩年の日々。『第九』誕生の裏側を描いたこのドラマは、もちろん基本的にフィクションなのだと思う。しかし、ベートーヴェンを演じたエド・ハリスと、アンナを演じたダイアン・クルーガーの大熱演によって、実に説得力ある見応え十分の力作となっている。恋人のような、母子のような、師弟のような、2人の関係がユニークで面白い。彼らの間には、愛情・同情・憧憬・羨望・嫉妬など、様々な感情が渦巻いている。しかし、根底には強い尊敬があり、それが彼らを特別な関係にしたのだろう。圧巻は、中盤の”第九”コンサート。僕は、その感動的な演奏に、涙が止まらなかった。

・ゲド戦記(2006、日)  ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
   監督 宮崎吾朗
   声の出演 岡田准一 手嶌葵
<story>王である父親を刺し殺して国を飛び出したエンラッドの王子・アレンは、ハイタカと名乗る魔法使いと出会う。ハイタカは、世界の異変の原因を突き止めるべく旅を続けていた。行動を共にすることになった2人は、ハイタカの古い友人・テナーの家に身を寄せる。テナーには、テルーという娘がいた。テルーは、心に闇を持ち命を粗末にするアレンを毛嫌いし、心を開こうとしない。一方、ハイタカに恨みをもつ魔法使いのクモは、手下であるウサギに命じ、ハイタカの居場所を探らせる。彼がテナーの家にいることを知ったクモは、アレンを屋敷へ連れ去る。ハイタカを貶める言葉を並べるクモの前に、アレンは混乱し、クモの手下になってしまう。一方、ウサギはクモの命令でテナーを拉致する。テルーからアレンもテナーもいなくなったことを告げられたハイタカは、2人を救出するためにクモの館へ向かう。しかし、クモはテナーとともに地下牢に監禁されてしまう。一方、テルーも、アレンの影と遭遇し、彼を追ってクモの館へ向かう。テルーに勇気付けられたアレンは、心を取り戻し、ハイタカとテナーを救出するためにクモに立ち向かう。クモは、死を極端に恐れ、永遠の命を手に入れようとしていた。クモの魔法により、世界は混乱していたのだ。アレンも心の闇を恐れていたが、テルーやハイタカの言葉により、心の闇を受け入れる。アレンは、竜の化身であるテルーとともに、クモを倒す。こうして、世界に平穏が訪れた。アレンは全てを受け入れ、エンラッドへと戻るのだった。
<ひとことreview>宮崎駿の息子・吾朗の初監督作品。冒頭、いきなり主人公が父親を殺したときには、駿を越えようとする彼の覚悟を感じたのだが、それはどうやら間違いだったらしい。映画は、良くも悪くも”ハヤオ的世界”を脱却することができていない。そのうえ、ストーリーにも魅力なし。何のための旅なのか、何のための戦いなのか、登場人物の口からセリフとしては語られるものの、それが説得力ある形となって映画として表現されていない。個人的には、宮崎駿には撮り得ないような、タイプの違うアグレッシブな作品を作ってほしかった。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:20 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<ク>
・暗いところで待ち合わせ(2006、日)  ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
   監督 天願大介
   出演 田中麗奈 チェン・ボーリン 井川遥
<Story> 幼い頃の交通事故が原因で視力を失ったミチル。母親は家を出て行き、父親と一緒に暮らしていたが、その父親がある日突然死んでしまう。ひとりぼっちになったミチルは孤独に泣き叫ぶが、彼女にとって知り合いと言える人間は親友のカズエひとりだけ。そんなある日、ミチルの部屋の窓から見える駅のホームで事件が起こる。ひとりの男性が、線路に転落して電車にはねられて死亡したのだ。その直後、ある青年がミチルの部屋に忍び込む。青年は、事件の容疑者として報じられているアキヒロという男だった。アキヒロは、事件の被害者である松永の同僚だったが、松永による陰湿なイジメに苦しめられていた。そして事件の起きたときにホームにいたところを駅員によって目撃されており、事件の重要参考人としてマスコミは報道していた。アキヒロは、ミチルの目が見えないことを利用し、気付かれないように息を潜めて部屋に居座りながら、事件現場であるホームの様子を窺う。ミチルは、ときどき人の気配のようなものを感じながらも、カズエに対しては「部屋に幽霊がいるみたい」と相談する。カズエは、父親が死んで以来全く部屋から出ようとしなくなったミチルのことを強く心配していた。風で飛ばされたミチルの洗濯物を届けたことから知り合いになった隣人のハルミが働くレストランに誘うなど、なんとかしてミチルを外に出そうとするが、ミチルは「ひとりでも生きていける」と取り合わず、2人は喧嘩をしてしまう。そんなミチルに、アキヒロは自分自身を重ねあわせていた。彼は中国人と日本人のハーフで、中国でも日本でも自分の居場所が見つからず、他人に心を開くことが出来ずにいた。アキヒロは、ついにミチルの手を掴み、彼女の手を引いてカズエの家まで連れていく。仲直りする2人。一方、アキヒロは、カズエの家からの帰り道、衝撃的な事実に気付く。ミチルが貸してくれたコートのポケットに入っていた1枚の写真。そこには、ミチルの横で笑うハルミの姿が。彼女こそ、アキヒロがずっと捜していた、松永殺害の真犯人だった。アキヒロはあの日、確かに松永の背後に立ったが、躊躇して突き落とすことができなかったのだ。そこに現れ、松永の背中を押したのがハルミだった。アキヒロがミチルの部屋に侵入したのは、真犯人がまた駅に現れるに違いないと考えていたからなのだ。ミチルに真相を告げるアキヒロ。そんな中、ミチルの部屋にハルミが遊びに来る。ミチルは真相を確かめるべく、ハルミに迫る。危険を感じたハルミは、ミチルの首を絞めにかかるが、間一髪アキヒロが救出する。ハルミは、松永の元恋人だったのだ。こうして事件は解決する。アキヒロはミチルに告げる。「あなたに出会って、自分には他人の存在が必要なんだとわかった」と。ミチルもまた、人の温もりの大切さに気付くことができたのだった。
<ひとことreview> いろいろな要素をもった不思議な映画。前半は、盲目の女性と殺人犯(正確には違うが)の奇妙な同居生活をひたすら描く。正直に言うと、あまりの静かさと現実味のなさに、いつまでこれが続くのかと退屈しかけた。さらに、アキヒロがあっさり自分の存在をミチルに認めてしまうのも、「面白い設定なのに、もったいないなぁ」などとガッカリしていたのだが、ここまでは序章にすぎなかったのだ。後半は、一転してミステリーというかホラーのような展開に。動機の説明は全くないし、別に事件の真相がどうだからどうしたという話ではないのだが、この展開がなかなか面白い。犯人役に井川遥を起用した意外性も見事だし、なかなかの好演。ツッコメばキリがないほど非現実的で脇の甘い物語なのだが、寓話として楽しめば、それはそれで楽しめる。

・クラッシュ(2005、米)  ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
   監督 ポール・ハギス
   出演 サンドラ・ブロック  ドン・チードル
<story> 夜のLAで起こった、1つの交通事故。現場から見つかったのは、黒人刑事の死体。黒人刑事のグラハムは、捜査に乗り出す。一方その頃、LAでは人種差別による様々な問題が起こっていた。ジーンは、夜道で黒人2人組に車を奪われてしまう。恐怖を感じた彼女は、自宅の鍵を全て取り替える。その鍵の修理を担当したダニエルは、黒人を嫌悪するジーンから冷たい視線を浴びせられたことに傷ついていた。家に帰ると彼は、娘の寝床へ。娘は、街のいたる所から聞こえてくる銃声に怯えていた。ダニエルは、娘に”透明マント”を着せてあげる。一方、雑貨店を経営するペルシャ人・ファハドは、護身用の拳銃を買いに行くが、イラク人と誤解されテロリスト扱いを受ける。さらに、雑貨店が強盗に遭ってしまう。ファハドは、鍵の修理の際に言うことをきかなかった鍵屋のダニエルを逆恨みする。その頃、パトロール中の刑事ライアンは、黒人の裕福な夫婦キャメロンとクリスティンに職務質問をしていた。人種差別主義者であるライアンは、クリスティンに性的な嫌がらせをする。クリスティンは、ライアンに対してはもちろん、助けてくれなかったキャメロンにも怒りをあらわにする。そして、ライアンの部下ハンセンは、ライアンのその行動に反旗を翻すのだった。その頃、ジーンから車を奪った黒人2人組アンソニーとピーターは、韓国人を轢いてしまい頭を抱えていた。翌日、アンソニーが再び車を奪おうとすると、そこに乗っていたのはキャメロン。彼は、同じ黒人であるアンソニーをかばう行動をとり、警察から守ってあげるのだった。その頃、彼の妻クリスティンは、交通事故に遭っていた。そこに通りかかったのは、ライアン。ライアンの顔を覚えていた彼女は恐怖に震えるが、ライアンは必死で、炎上した車の中から彼女を助け出すのだった。同じとき、ジーンは自宅で転んで負傷していた。そんな彼女を助けたのは、黒人の家政婦。ジーンは黒人というだけで彼女に冷たい態度をとっていたことを恥じ、彼女を和解するのだった。一方、ファハドは、銃をもってダニエルの家へ。彼はダニエルを撃とうとするが、そこに娘が飛び込んでくる。しかし、弾を放ったはずが、娘は無傷。”透明マント”が、彼女を守ってくれたのかもしれない。その頃、グラハムは悩んでいた。交通事故の現場から死体で見つかった黒人刑事・ルイス。彼はコカイン中毒で、金を巡るトラブルに巻き込まれていたようだ。しかし、警察・司法上層部は、次の人事で黒人を登用するため、これ以上の黒人のイメージダウンは避けたいと考えていた。そのため、グラハムに、ルイスはあくまでも被害者として事件を収束させるように指示する。迷うグラハムだが、前科者の弟の存在に目をつぶることを条件として出され、要求を呑む。その頃、グラハムの弟であるピーターは、ヒッチハイクでハンセンの車に同乗していた。しかし、ハンセンは、ピーターがポケットから銃を取り出そうをしていると勘違いし、ピーターを射殺してしまう。彼の死体を投げ捨てるハンセン。グラハムの母は、息子が死体で発見されたことにショックを受け、弟を見つけられなかったグラハムを激しく叱責する。その頃、アンソニーは、人身売買で拘束されていたアジア人たちを街に解放していた。長い夜が、明けようとしていた。
<ひとことreview> アカデミー作品賞受賞作。それも確かに納得できる、すごく誠実に、精巧に作られた良作。ステレオタイプにとどまらないリアルなキャラクター描写が見事。群像劇のため、ひとりひとりの持ち時間は限られているが、全キャラクターが誠実にしっかりと描かれている。誰しもが善悪の両面を持ち合わせているのが、リアルで良い。そのため、彼らの痛み・葛藤がすごくヒリヒリと伝わってくるのだ。ラストには、微かな希望も感じさせ、トーンは終始暗いがやさしさや温かさももちあわせているのもうれしい。派手さはないが、なかなかの良作だ。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:20 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
<コ>
皇帝ペンギン(2005,仏)  ★★★★★★★★☆☆(8点)
     監督 リュック・ジャケ
     声の出演 大沢たかお  石田ひかり  神木隆之介
<story> マイナス40℃の南極。3ヶ月の夏が終わり、ペンギンたちは海からあがり行進をはじめる。目的地は故郷。そこは、最も厚い氷の広がる場所。ペンギンたちは、そこで出産をするのだ。しかし、極寒のため、行進についていけない者は途中で死んでしまう。集まったオスとメスは、ダンスをしながらパートナーを探す。そして交尾が終わり、3ヶ月後。ついに卵を産む。しかし、卵が寒さに耐えられるのは数秒間のみ。ペンギンたちは、体の毛で卵をじっと温める。やがて妻は、ヒナのエサを求めて海へ。夫たちは、固まって暖めあいながら、妻の帰りを待つ。しかし、その間に、寒さに耐えられずに死んでしまうヒナも出る。やがて、妻が戻ると、今度は夫たちが旅に出る。そして、ヒナは親離れのときを迎える。ヒナたちも、親たちがしてきたように、身を寄せ合って寒さに耐え、鳥の襲来に抵抗する。そして父が戻り、ついに家族が揃うと、夏が訪れる。氷が解け始め、家族もそれぞれ旅立ちの時を迎える。夫と妻は、次の冬の再会を誓い合い、それぞれ海へ。そしてヒナも、ひとり海へ。4年後、今度は自分が親になる日まで、たくましく生きていく。
<ひとことreview> 「かわいい~!」と歓声があがるような動物ものかと思いきや、これがなかなかシビア。ペンギンたちが生きている厳しい弱肉強食の世界には、思わず顔を背けたくなるような辛いシーンも多い。しかし、そんなリアルな側面を描いているからこそ、感動と癒しもまた深まってくる。特に、ペンギンたちが身を寄せ合うチームワークは感動的。自分勝手な者の多い僕たち人間が見習うべき点も多い。また、我が子のために勇気と忍耐力の限りを尽くす親ペンギンたちの愛情の深さにも、心動かされずにはいられない。
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by inotti-department | 2006-02-21 12:19 | 映画ネタバレstory<ア・カ>
『オリバー・ツイスト』 ~物語らしい物語~
e0038935_2395997.jpg満足度 ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)

『オリバー・ツイスト』(2005、英)
   監督 ロマン・ポランスキー
   出演 バーニー・クラーク 
       ベン・キングスレー

19世紀、イギリス。孤児として養育院で育てられたオリバーは、9歳になり救貧院に戻ってくる。しかし、食事のときにおかわりを要求したことから、追放されてしまう。身を寄せることになった葬儀屋を営む家でも、イジメを受けるオリバー。家を飛び出したオリバーは、7日間かけてロンドンに到着する。疲れはてて路上にうずくまっているところをドジャーという少年に声をかけられ、フェイギンという老人のもとで暮らすことに。しかし、フェイギンは、町を騒がすスリ集団のボスだった・・・。


ベッドの枕元で、母親が子供に物語を読んで聞かせる。
そんな風景って、今もまだ存在してるのだろうか?

この『オリバー・ツイスト』という映画、まさにそんな昔懐かしい風景にピッタリの物語。オリバー少年が遭遇する、切なくて悲しくて、でもちょっと心温まる数奇な体験談。枕元でお母さんから読んでもらえたら、きっと子供たちは寝る間も惜しんでお話に夢中になってしまうだろう。

紙に描かれた町の景色の絵が、やがて映像に変わるオープニング。オリバー少年の物語は、ここから始まる。この冒頭でもラストでも流れるテーマ曲、オリジナルかどうかは知らないが、すごく耳に残る。言うなれば、ドラクエのテーマ曲みたいな感じ(笑)。「冒険がはじまる!」って感じで、胸が高鳴る。

前半が、すごく良い出来栄え。オリバーに襲い掛かる過酷な試練の嵐。葬儀屋のオヤジなんか、実はけっこういい人なんだけどね。奥さんと息子(この2人が、もう最悪にムカツクのだ!)の圧力に屈して、不本意ながらもオリバーにムチでお仕置きをする。あーー、かわいそうなオリバー。でも、そんな不幸にも負けずに純粋さを失わないオリバーの姿が、とってもチャーミングで応援したくなるのだ。

ロンドンに着いてからの、”早業”ドジャーとの印象的な出会い。ここもすごく良い。そして、フェイギンの登場。いかがわしくて気味悪いんだけど、不思議な魅力もある老人。ある意味ファンタジックなこのキャラクターの登場で、ますます映画は”物語”らしさを強めていく。

ここから、オリバーのスリ修行がスタート。素直なオリバーは、何でも吸収して、メキメキ力をつけていく。フェイギンもすっかり気に入って、彼をかわいがる。そしてついに、外へ出て実戦へ。ここまでの物語の流れは、ほぼ100点満点。

ただ。正直な感想としては、ここから先、もうひとつ話が弾まなかったなぁという印象。いや、いろんな登場人物が出てきて、オリバーが運命に翻弄されていくストーリーは、とても劇的ではあるのだけれど。うん、ハラハラもしたし、まずまず楽しめたのも間違いない。でも、なんだろう、僕が観たかった物語とは、ちょっと違ったのだ。なんというか、ハッキリ言ってしまえば、物足りなかった。。。

家に帰る電車の中でも、ずっと考えてた。なにが物足りなかったのかなぁ、って。それで、気付いた。そう、僕が観たかったのは、オリバーと”少年たち”の物語だったのだ。でも、映画の視点は、オリバーを取り巻く”大人たち”へとシフトしていった。それが、なんだかイヤだったのだ。

映画の前半は、完全に”オリバーから見た世界”だった。だから、映像も物語も、すごくイキイキとしていたのだ。でも、後半は、オリバーの存在感が薄くなり、大人たちの交錯する思惑を追いかけるような展開になっていく。まぁ、それはそれで面白いのだけれど、なんだか物語から勢いのようなものが消えてしまった気がしたのだ。ビル、あんたのせいだよ(笑)。

ひょっとしたら、それは監督の狙いだったのかもしれないけれど。汚い大人たちの世界を描き、その中を生き抜いていくオリバーの姿を映しだすことで、ラストの感動を誘う。でも、それにしては、ちょっとオリバーはじめ子供たちの描き方が、後半は不足していたかなという気がする。終盤、ビルにドジャーが反抗するシーンは、この映画の中で僕が一番好きなシーンなんだけど、ああいうカタルシスを感じさせるようなシーンがもっとたくさんあって良かったと思う。というか、この物語には、後半のカタルシスが著しく足りない。だから、案外盛り上がらないのだ。

でも、ラストの哀しくも味わい深いクライマックスは、あれはあれで好き。まさに、”物語”そのもの、という感じで。そんな中で、オリバーが示すやさしさ。真っ直ぐな想い。素晴らしい。ホント、あんたはいい子やね、オリバー(涙)。

そう、結局オリバーは、一回もウソをつかなかったし、誰も裏切ったりもしなかったんだよね。ただ、周りの大人たちが、疑心暗鬼になって右往左往していただけ。最後の最後まで、素直な気持ちを表現しつづけたオリバーのひたむきな姿に、ちょっぴり胸が熱くなった。
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by inotti-department | 2006-02-21 03:32 | cinema
『プライドと偏見』 ~知的で、繊細で、上品で、そして面白い!~
e0038935_22561361.jpg満足度 ★★★★★★★★☆☆ (8点)

『プライドと偏見』(2005、英)
    監督 ジョー・ライト
    出演 キーラ・ナイトレイ  
        マシュー・マクファディン

18世紀末、イギリスの田舎町。ベネット夫人の専らの関心は、5人の娘を良家に嫁にやること。ベネット家には男がいないため、主人が亡くなると、娘たちは路頭に迷ってしまうからだ。そんな中、町に大富豪のビングリーが越してくる。長女のジェーンとビングリーが親しくなり、夫人も大喜び。一方、次女のエリザベスは、ビングリーの親友ダーシーの高慢な態度がどうにも気に入らない。最初は反発しあうエリザベスとダーシーだったが、やがて彼女はダーシーの意外な一面に気付きはじめて・・・。


面白い!とても良いです、この映画!

イギリス貴族社会、舞踏会、身分違いの恋。観る前は、なんとなくとっつきにくそうな映画かなぁって思ってたんだけど、映画が始まったら、あらビックリ。確かにクラシカルな話なんだけど、すごく普遍的で、そして適度にコミカルなラブストーリーで、とにかく面白いのなんのって!

これはもう、恋愛ものの教科書のような映画。ストーリーの運びも、キャラクター設定も、古風ではあるものの現代に置き換えても十分に通用する普遍性がある。「いるいる、こういう人!」「わかるわかる、その気持ち!」多くの人が共感できる、そんな映画だと思う。

キャラクターがとっても素晴らしい。まず、主人公のエリザベス。この人、育った環境は決して恵まれてないんだけど、すごく聡明で賢い女性。言ってることはひとつひとつ筋が通ってるし、家族想いで友達想いなところにもとても好感がもてる。ジュディ・デンチ演じるキャサリン夫人との対決なんて、もう最高!僕は心の中で大拍手を送っていた。

脚本の巧みさももちろんなんだけど、エリザベスの魅力に関しては、演じたキーラ・ナイトレイによるところも大だと思う。この女優さん、マトモに観たのは初めて(『パイレーツ・オブ・カリビアン』、実はまだ未見でして・・・。)だったんだけど、すごく魅力的。顔もキレイだし、独特の華というかオーラも持ちあわせているし。勝気で、頭が良くて、でも恋に関しては人一倍ピュアな面ももつこのエリザベスという役を、完全に自分のモノにしていたと思う。

お姉ちゃんのジェーンも良かった!エリザベスとは180度違うタイプの女性なんだけど、この人もまた魅力的。内気で奥手なんだけど、真面目で純粋で心優しい女性。このジェーンとエリザベスの姉妹が、お互いの良さを全て理解しあったうえで愛し合っているのも、すごく好感がもてた。いい姉妹だなぁって。演じているロザムンド・パイクという女優さん、この人もまた初めてだったけど、今後人気出そうな感じ。

そして、オヤジ!ドナルド・サザーランド!あんた、最高だよ(笑)。最初は、奥さんのパワーに圧倒されてるだけのダメオヤジかと思いきや、このお父さんができた人なのだ。エリザベスがコリンズ(こいつが最悪な男なんだけど、いろいろと笑わせてくれる愉快な男)に求婚されて困ってたところに、あのお父さんのセリフ!いやぁ、あんた、最高だよ(笑)。ラストも良かったしね。ホント、娘想いな、素晴らしいお父さんなのだ。また、演じるサザーランドがウマイこと!

ひとつ間違うとただの昼メロみたいな話(まぁ、そういう起伏に富んだストーリー展開こそ、この映画の魅力のひとつなのだが。)になるところだが、この映画には”品”がある。長まわしを効果的に用いた映像も丁寧で美しいし、衣装やセットにもすごく神経が行き届いているし。セリフもいいんだよねぇ。エリザベスとダーシーの、ユーモラスでウィットに富んだやりとり。このへんは、文芸大国イギリスならでは、といったところか。

ちょっとしたプライドと、ちょっとした誤解。恋愛って、たいがいそういうものが原因でダメになったりするけど、でも、それを乗り越えるのもちょっとした歩み寄りだったりする。ウジウジウダウダ悩んだあとで、最後は素直にぶつかっちゃえば、案外あっさりうまくいったりするものなのだろう。まぁ、うまくいかないパターンも多いけどね(汗)。

いっぱい笑って、いっぱいイライラして、そして最後はハッピーな気持ちに。
とても面白い、恋愛映画の誕生です!
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by inotti-department | 2006-02-20 23:41 | cinema
『歓びを歌にのせて』 ~傑作!忘れられないハーモニー~
e0038935_23352266.jpg満足度 ★★★★★★★★★☆(9点)

『歓びを歌にのせて』(2004、スウェーデン)
   監督 ケイ・ポラック
   出演 ミカエル・ニュクビスト

今日は映画を2本観ようと思ってたんだけど、1本で帰ってきちゃいました。
なんで?って、『歓びを歌にのせて』の余韻にしばらく浸っていたかったから。

人生ではじめてのスウェーデン映画。
僕にとっては、永遠に忘れられない、素晴らしく感動的な傑作であった。

さて、あらすじ。
8年先のスケジュールまでビッシリ埋まっている、人気天才指揮者・ダニエル。しかし、ある日のコンサートでステージ上で倒れてしまう。原因は、心臓発作。ボロボロの身体を癒すため、ダニエルは第一線を退き、7歳のときに離れた故郷で暮らすことに。音楽から離れて静かに暮らすつもりだったダニエルだが、村に着くと、聖歌隊の指導を依頼される。天才的な音楽家と、アマチュア集団。最初は双方かみ合わないが、ダニエルの自由な練習法に、次第にメンバーたちは歌う歓びに目覚めていく・・・・。

「スウェーデンで国民的大ヒット」というコピーがホントかウソかは知らんが、これは確かにスゴイ映画!「文部科学省選定」かどうかはどうでもいいが、これは確かにケチのつけようのない傑作!

天才的な音楽家が、田舎で素人を教えているうちに、音楽の歓びと愛することの素晴らしさに気付いていく物語。こうやって言ってしまうと、まぁよくあるパターンの話だし、決して真新しい設定ではないのだけれど、何はともあれとっても魅力的な映画なのだ。

「みんな、それぞれ自分だけの”音”を持っている。」
繰り返し繰り返しメンバーにそう説いていくダニエル。そして、自分の”音”に気付いたメンバーたちは、同時に自分だけの”人生”をも探しはじめる。心を解き放って歌うことの歓びを知った彼らは、それぞれの私生活における壁を突き破って、人生の歓びも同時に見出していくのだ。その過程は、痛々しくもあるのだけれど、同時にすごく感動的で、素晴らしい。

ダニエルとの出会いによって、村人たちの人生は変わった。しかし、一方で、ダニエル自身は?「心を解き放て」と教えるダニエル自身が、実は一番心を閉ざしてしまっているのだ。音楽のことだけを考えて生きてきたダニエルは、気が付いたら、人を愛せない男になってしまっていた。

そんなダニエルに、愛することの素晴らしさを教えるのは、レナ(彼女がとってもキュート!)をはじめとする村人たち。互いが影響を与え合って、音楽のもとにひとつになっていく。印象的なエピソードを積み重ねつつその過程を丁寧に綴っていく脚本と演出には、いささかのスキもない。

メンバーたちの関係の描き方も、すごくウマイ。一見すごく仲が良さそうに見えて、みんなけっこう腹の中では本音を隠してる。その本音が、「心を解き放て!」というダニエルの教えのもとに、ポコポコと表に出てきてしまうのだ。それによって亀裂も生じるのだけれど、その数分後には結束が深まってるのが面白い。なるほど、思うがままに生きるってのは、確かにとても大切なことかもしれない。

そして何といっても感動的なのは、やはりその”歌”。劇中でガブリエルが披露する歌の、まぁ素晴らしいこと。”生きる”ということを歌った詩も素晴らしいし、美しいメロディもいまだに心に焼き付いて離れない。ちなみに、このガブリエルを演じた女性は、スウェーデンの国民的人気歌手だとか。そうだよね、どうりでただの素人コーラス隊にしてはウマイと思った(笑)。

<以下、ラストシーンに言及します。未見の方は、ご注意下さい。>

聖歌隊は、人数を増やしつつ、コンクールを目指しはじめる。最後は、ステージで素晴らしい歌声を響かせ、感動の大団円かな?しかし!映画は、そんな安直な予想しかできなかった僕をあざ笑うかのような、意外なクライマックスを用意していた。

ご覧になった皆さん、いかがでしたか?
気持ちよく大量の涙を流したかった人にとっては、ひょっとしたらあまり歓迎できない終わり方だったかもしれない。でも、僕にとっては、すごく好きな終わり方でした。

ステージ上で”自分だけの声”を響かせあうメンバーたち。その声は、やがて観客全員にまで拡大していく。ただただ幸せに包まれるような結末ではなかったけれど、誰が何と言おうと、まぎれもなく”ハッピーエンド”だったと思うのだ。
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by inotti-department | 2006-02-14 00:20 | cinema
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 ~動き出した物語~
e0038935_2149571.jpg満足度 ★★★★★★☆☆☆☆(6点)

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005、米)
   監督 マイク・ニューウェル
   出演 ダニエル・ラドクリフ エマ・ワトソン

クィディッチのW杯を観戦していたハリーらの前に、ヴォルデモート復活を告げる”闇の印”が現れた。さらにハリーは、ヴォルデモートがしもべに”ハリー抹殺”を命じている悪夢に悩まされる。こうして迎えた新学期、ホグワーツの校長ダンブルドアは「三大魔法学校対抗試合」開催を宣言。三校の代表1人ずつを選ぶのは、”炎のゴブレット”。しかし、3人を選んだあと、ゴブレットはもうひとりの代表の名前を掲示する。そこに書かれていたのは、ハリーの名前。17歳以下は代表になれないという規則を破っての異例の出場が決まったハリーだが、周囲のやっかみにあい、さらに親友のロンまでもが距離を置き始め・・・。


”ハリー・ポッター”シリーズもいよいよ4作目。

たしか全7作で完結と言われてるはずだから、ちょうどこの『炎のゴブレット』で折り返しとなるわけだ。ふむふむ、確かに、いよいよ物語が本格的に動き始めたという印象。まぁ、別に”ハリポタ”フリークじゃないし、そんなにものすごくその後の展開が気になってるわけじゃないんだけど(笑)。

原作に関しては、僕は2巻目の『秘密の部屋』までしか読んでない。1本目の『賢者の石』は、映画を観たとき「あ、すごくよくできてる!」と思った記憶がある。原作のエッセンスをそのままに、映画のもつ良さを最大限にいかして映像化できているな、と感心したのだ。一方、2本目の『秘密の部屋』は、話にスピード感がなくて映画版はちょっとしんどかった。

3本目の『アズカバンの囚人』とこの4本目『炎のゴブレット』に関しては、僕には原作との比較はできない。さてさて、原作を読んだ方、いかがでしたか?おそらく想像するに、かなりのパートがカットされていたのではないかと思いますが(笑)。

『アズカバン』のときも思ったんだけど、なんか、食い足りない感じが残るんだよなぁ。表面上、物語は普通に進んでいくし、特に疑問や引っ掛かりが残るわけではない。でも、逆にそれが物足りないというか・・・。たぶん、1つ1つのエピソードを深くじっくり描くことは避け、大事な本筋だけは原作通りきっちり描いていくというスタイルをとっているんじゃないかな?だからだろう、コンパクトにまとまってはいるんだけど、「だからどうしたの?」というような印象が拭えないのだ。

とはいえ、映像的魅力は健在だし、さすがに4作目になるとキャラクターもしっかり”立って”くるから、安心して観ていられる。ハリーとロンとハーマイオニーの3人が絡んでいるシーンなんかが続くと、そのままずっと観ていたくなるような、なんというか愛着のようなものが自分の中に生まれていることに気付かされる。もうくされ縁みたいなもんだね(笑)。こうなったら、完結までとことん付き合うぞ!

さぁ、いよいよ登場したヴォルデモート。次の第5弾からは、本格的な対決が始まるんだろうなぁ。この『炎のゴブレット』は、その序曲のようなものなのだろう。

それにしても。3人とも、大きくなっちゃったよね。はやく撮り終えないと、完結する頃には老けはじめかねないぞ(笑)。
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by inotti-department | 2006-02-09 22:20 | cinema
   
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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