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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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『M:i:3』 ~スパイに家族がいたっていいじゃない!~
e0038935_20425988.jpg満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7点)

『M:i:3』(2006、米)
   監督 J・J・エイブラムズ
   出演 トム・クルーズ F・S・ホフマン

スパイの現場を離れ、教官として後進を育てる毎日を送るイーサン・ハント。婚約者のジュリアとの結婚を目前に控え、幸せの過ごしていたある日、教え子のリンジーが拉致されたという連絡が入る。リンジーを救出するため、現場に復帰するイーサン。しかし、この救出作戦はやがて、謎の暗号”ラビットフット”を巡る闇商人ディヴィアンとの命を賭けた戦いへと発展していく・・・。


『ミッション・インポッシブル』シリーズ第3弾。
最高に面白かった「1」、最悪につまらなかった「2」ときたので、「これはイヤな予感がするなぁ」と思って劇場へと足を運んだのだけれど、これが意外や意外!「3」、とっても面白いです!

ブライアン・デ・パルマ、ジョン・ウーと、そうそうたる巨匠たちが撮ってきたこの「M:i」シリーズ。今回の監督は、J・J・エイブラムズなる無名の新人。この抜擢人事が大成功!良い意味で”監督の色”というものがまだないので、すごくシンプルで、自然で、楽しい映画になっている。

だって「2」なんかは、どう考えても、ジョン・ウーとトム・クルーズとM:iの相性が悪すぎたもの。セルフプロデュース力には定評のあるトム・クルーズのこと、あれに懲りて、「今度はオレの言うこと聞いてくれる新人さんにしよーっと!」って思ったのではあるまいか(笑)?

さっきも言ったけれど、映画の作り自体はすごくシンプル。サスペンスとアクションがうまくミックスされていて、極上のエンタテインメントになっている。そうそう、「M:i」はこれでいいのよ。スリリングで、ハラハラして、最後はスカっと出来れば、それで十分なのだ。

そんな中でも、監督なりのいろいろな工夫が随所に見られて、思わず唸らされるシーンも多い。例えば、ディヴィアンの監視をしながら顔の輪郭や声紋を分析して、変装マスクを作製する場面。これまでの「M:i」と言えば、さんざんドキドキさせといて、「ウソだよ~ん」と言わんばかりに変装マスクを脱ぐ、という展開がお決まりのパターンとなっていた(今回も、1回だけ出てくるけどね)。でも、今回はそれを逆手にとって、変装マスクを作製する過程や、実際に着用して相手を欺く場面を、種明かしをカメラで追いかけながらたっぷりと見せてくれる。なるほど、この手があったかー、とただただ感心。

上海での、”ラビットフット”強奪シーンの描き方も面白い。よくよく考えれば、このミッションって映画の中で最大のハイライトとなるべきシーンだと思うんだけど、なんとカメラはこの作戦を追わない。ビルの中に乗り込んだトムを、仲間たちがソワソワしながら待っているシーンを映し出すことで、逆に「どうなるんだー?」という緊張感を生み出すことに成功している。うーん、この監督、ただの新人じゃないな。恐るべき才能の持ち主だ。

映画は、見せ場に次ぐ見せ場の連続で、2時間まったく飽きさせない。とにかく、そのスピード感が素晴らしい。ストーリー自体は、さほど奇をてらったものではないのだけれど、スピードとアクションとサスペンスが見事に融合していて、夏休みに楽しむ映画としてこれ以上ふさわしいものはないだろう。

惜しむべくは、最後の30分だなぁ。それまでの1時間半が完璧だっただけに、ラストはもっと盛り上げてほしかったのだけれど、逆に失速してしまったのは残念だった。映画もスパイたちもすごくシンプルなのに、肝心の悪役たちの考えてることが妙にシンプルさに欠け、なんだかスカっとしない展開になってしまった。ひとつひとつの行動の意味が、わかるようなわからないような、そんな感じなのだ。子供の頃、僕がアニメを観ているとよく両親が「はやく殺しちゃえばいいのにー。」っていらんツッコミを入れていたのを思い出す。まさしく、そんな感じ(笑)。

まぁ、そうはいっても、面白い映画であることは間違いない。戦いの決着の仕方も、僕はけっこう好きだった。「スパイに家族は似合わない」とは劇中のルーサーのセリフだけれど、別にいいじゃない、スパイに奥さんがいたってさ。次は、子供のできたイーサン・ハントの活躍なんてのも、面白いかもしれないなぁ。
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by inotti-department | 2006-08-10 21:20 | cinema
映画『日本沈没』 ~どこかで観たぞ、このラスト(笑)~
e0038935_2243381.jpg満足度 ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
『日本沈没』(2006、日)
 監督 樋口真嗣
 出演 草彅剛 柴咲コウ

日本各地で続発する大地震。その原因を探るべく、潜水艇「わだつみ」のパイロット・小野寺は、田所博士の指揮のもと、同僚の結城とともに深海調査に参加する。その調査から博士が導き出した結論は、「1年以内に日本列島は沈没する」という驚くべきものだった。そんな中、震災現場で、小野寺はレスキュー隊員の玲子と出会う。小野寺は玲子に惹かれはじめるが、日本各地を襲う地震と噴火による被害は、悪化の一途を辿っていく・・・。


『日本沈没』、映画も沈没。

と、こんなありきたりなコピーとともに、この映画を酷評するのは簡単だ。ハッキリ言ってしまえば、この映画は、あまり面白くはない。

でも、この『日本沈没』という作品は、そんな風に現代の若者たちに簡単に批判されるべきものではないんじゃないかな、という気がする。そもそもたぶん、この映画を語るためには、超名作と呼ばれる小松左京による原作か、30年以上前に作られた、これまた名作と呼ばれる映画版のどちらか1つは観てなくてはいけないのだろう。

残念ながら、僕は両方とも未見で、この映画を観ることではじめて『日本沈没』という作品との接点を持つことができた。そして、感想としては、「あれ、あんまり面白くないなぁ」と思ってしまったのだ。

これは僕のカンだけれど、全国の『日本沈没』ファンは、この映画を観て怒っているんじゃないだろうか?「違う違う、これは『日本沈没』じゃないよ!本当は、もっと面白いんだよ!」って。

なんで僕がこんな話をするのかというと、うちの母親が『日本沈没』の大ファンだったのだ。子供の頃から、ときどき『小松左京』とか『日本沈没』とかいう単語を耳にしながら、僕は育った。本当か嘘かは知らないが、今から30年以上前、日本中の若者たちがこぞってこの『日本沈没』に夢中になっていた時代があったそうな。

さてさて、話を2006年版『日本沈没』に戻そう。なんで面白くないのか?ひとことで言えば脚本の問題だと僕は思うのだけれど、もっと大きな理由は、「時の流れ」かもしれない。小松左京が『日本沈没』を発表してから今日に至るまで、僕たちはあまりにも多くのパニックムービーを観すぎてしまった。観客だけじゃない。それは、映画製作に携わる関係者たちも同様だ。

オリジナルの『日本沈没』を観ていないので、これは間違っていたら申し訳ないのだが、おそらく、この映画のラストの終わり方は独自に作られたものじゃないだろうか(原作ファンの方、違ってたら無視してください。)?だって、この映画の途中の構成はどう考えてもあのハリウッド映画だし、クライマックスはどう考えてもあの超大作映画だもの(笑)。

と、あまり書いてしまうとネタバレになってしまうのでこのぐらいにするが、とにかく、この2006年版『日本沈没』はもはや”日本沈没”という衝撃がメインテーマではなくなってしまっている気がするのだ。せっかく、日本人だけが楽しめる、ドキドキできる、ものすごく魅力的なテーマなのに、レンタルビデオ屋に並んでいるハリウッドのパニック映画となんにも変わらないんだもん。なんてもったいない!

でも、映像は大健闘だと思う。ところどころCGっぽさが前面に出すぎてて「ん?」と思う部分もなくはないが、終始映像に迫力があって僕はドキドキした。しかも、場所の選び方がウマイ!奈良の大仏さんが水の中に沈んでたり、京都の清水寺がボロボロになっていたり。あの映像を観たら、日本人であれば何かしら感じるものがあるのではないだろうか。反対に、外国の人にとっては、これ以上ない”日本列島紹介映像”になったかもしれない(笑)。この映画、海外の映画祭なんかに持っていったら、日本を知ってもらう良い教材になるなぁ。

脚本の最大の問題点を挙げるとしたら、主人公2人のメインエピソードが、あまりにもつまらない点だろう。普通、こういう映画の場合、世界のパニックが進行するにつれて、相乗効果でどんどんドラマパートが盛り上がっていくのだが、この映画にはそれが全くない。沈みゆく列島というこれ以上ない舞台の上で、どうしたらこんなに盛り上がらない人間ドラマが描けるのか(笑)?あのハリウッド映画の家族ドラマを見よ!あの超大作映画の恋愛ドラマを見よ!やはりパニック映画を作らせたら、ハリウッドの方がまだまだ1枚も2枚も上手だ。

それにしても。
全編にわたる大活躍を予感させながら、序盤で姿を消した石坂総理。
あんた、いったい何だったんだ(笑)?
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by inotti-department | 2006-08-09 22:46 | cinema
映画『デスノート 前編』 ~漫画を読むか、後編待つか。~
e0038935_1040152.jpg満足度 ★★★★★★★★☆☆(8点)

『デスノート 前編』(2006、日)
   監督 金子修介
   出演 藤原竜也  松山ケンイチ

ノートに名前を書くだけで、その者を殺すことができる「デスノート」。偶然ノートを手に入れた大学生の夜神月は、犯罪のない世界を実現させるため、凶悪犯罪者の名前を次々にノートに記し、殺していく。世間では、一連の連続殺人は「キラ」によるものであるとされ、「キラ」崇拝者がはびこるようになる。一方、ICPOは、事件解決のために天才的な推理力を持つLを日本へ送りこむ。Lは卓越した推理力を駆使し、次第に月に近づいていくが・・・。


いやぁ、こりゃ驚いた。
面白い面白いとは聞いていたけど、こりゃ本当に面白い。

週間ジャンプで爆発的な人気を誇ったコミックの映画化(本当に!?映画になるまで、まったくその存在すら知らなかったよ)。というわけで、僕は当然ながら原作は未読なわけで、極めてフラットな状態で映画に臨むことができた。

いやいや、面白いよ、これ。先のストーリーを全く知らない僕にとっては、もう次の展開にドキドキしっぱなしで、スクリーンから目が離せなかった。

まずはアイデアの勝利だと思う。ノートに名前を書くだけで、相手を殺すことができる。ちょっと「リング」っぽいけど、ありそうでなかったアイデア。相手の顔を知っていないと効果がないだとか、死因についても書き込めるだとか、細かい補足にも手が行き届いているので、破綻なく物語を進めることに成功している。「マンガ的」と片付けてしまえばそれまでだけど、フィクションを盛りあげるためのアイデアとしては申し分ないと思う。

月とLのクールでスリリングな頭脳戦も非常に面白い。状況証拠を細かに分析しながら、次第に容疑者を絞り込んでいき、月に照準を定めるLのシャープな推理展開。「殺人というより、表面的にはただの連続心臓麻痺なのに、そんなにスイスイ推理できるかー?」というツッコミもいれたくなるが、これまた物語上は破綻がなく組み立てがしっかりしている。

さてさて、もともと原作のファンだった人は、映画をどう観たのだろう?「イメージと違う」とか「あそこが抜けてる」とか、おそらく個別の注文はいろいろあるだろうけれど、全体的にはまずまず満足できたのではないだろうか?逆に、この出来栄えで映画が批判されてしまうとしたら、よっぽど原作が面白すぎるのか、観る側が原作のイメージにとらわれすぎてしまっているかのどちらかだろう。個人的には、先入観なしで映画を楽しめた幸運に、というか、流行に疎いが故に原作を知らずに済んだ自分自身の不甲斐なさに感謝したい(笑)。

前編の終わり方としては、『マトリックス』とは比較にならないぐらい、最高の形で後編へと期待を繋げることが出来た『デスノート』。

さぁ、ここで問題が。
11月の後編を待つか、コミックを全部買ってしまうか。

映画の神様は、「悪いことは言わないから、おとなしく11月を待ってなさい」と忠告してくれているが、僕の心の中の死神は、映画の中のリュークのごとく「買っちゃえよ」と耳元でささやいてくる。

ひゃぁ、こりゃ困ったぞ。
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by inotti-department | 2006-08-08 11:29 | cinema
天童荒太『包帯クラブ』 ~なぜだろう、心が動かない。~
e0038935_23362257.jpg満足度 ★★★★★☆☆☆☆☆ (5点)

『包帯クラブ』

天童荒太・著
2006、ちくまプリマー新書

高校生のワラは、病院の屋上でディノという青年と出会う。奔放な言動を繰り返すディノにワラは不快感を覚えるが、見えない傷に対して白い包帯を巻くことでその傷を癒すという彼のアイデアに共感し、彼と別れる。ワラは、親友のタンシオらとともに、「包帯クラブ」を発足させる。その活動内容は、心に傷を抱えた人のもとを訪れ、その人が傷を負った場所に包帯を巻くことで、その人の傷を癒すことだ。ワラは、アイデアの発案者であるディノも仲間に加えようとするが・・・。


名作『永遠の仔』の著者による最新小説。
僕は『永遠の仔』にも、そして『家族狩り』にも、かなり心揺さぶられた人間なので、この人が書く新作をとても楽しみにしていた。

その世界観は、いつもながらの天童ワールド。弱者にそっと寄り添い、他人には何もしてあげられないことを百も承知で、それでもただその傷を傷として認めてあげるだけで、少しでもその傷を癒せると信じて、人と繋がろうとする。天童作品の登場人物たちは、いつも弱くて、無力で、でもとても優しくて、そして、とても力強い。

時に「宗教的」だとか「偽善的」だとか揶揄される天童作品のメッセージだが、僕は基本的に彼のその真摯なメッセージに共感する。世界中には、傷を抱えた人間が星の数ほどいる。僕たちは、彼らに対して何もしてあげられないけれど、ただ彼らの存在を認識し、感じようとするだけでも、その傷を癒すパワーを持つことがきっとできる。「自分は傷ついている」ということを周囲の人に知ってもらえるだけで、どれほど僕たちが救われるか。自分の無力さを認めながらも、それでも世界に対して優しく寄り添おうとする作者の想いは、誰にも批判できるものではないと思うのだ。

でも、なぜだろう。この『包帯クラブ』を読んでいても、僕は正直、あまり心揺さぶられなかった。メッセージには共感する。読後感も悪くない。でも、『永遠の仔』や『家族狩り』のときのような心がゾクゾクと震えるような感動は、この小説からは得ることができなかった。

物語があまりにも寓話的すぎるのだと思う。ひとりひとりの登場人物から当たり前のように語られるそれぞれの傷。その見えない傷に包帯を巻くという彼らの行為。その行為が次々に効果を発揮していく現象。小説の中で描かれる全てが、ハッキリ言ってしまえばリアルじゃないのだ。

そんなこと言ったら、『永遠の仔』や『家族狩り』だって少しもリアルじゃなかったじゃないか?とおっしゃる方がいるかもしれない。その通り。前2作だって、完璧なフィクション。でも、そこには、物語の圧倒的な面白さがあった。重さがあった。前2作が、物語がメッセージを引っ張ってきた作品だとしたら、この『包帯クラブ』は、メッセージのために物語が後からくっついてきたような感じなのだ。少し厳しい言い方をしてしまえば、「物語に生命が感じられない」といってもいいかもしれない。

この『包帯クラブ』は、作者の力の入れ方で言ったら、6割・7割ぐらいだと思う。おそらく、小説を書いたというよりは、彼がいま最も強く感じていることを文章としてストレートに表現した、といった感覚だろう。そういう意味では、「見えない傷に包帯を巻く」というアイデアのみで小説を書ききる作者の才能には、改めて驚かされる。

天童荒太という人にとっては、この次に発表される長編が、おそらく分岐点になるのではないだろうか。再び『永遠の仔』のように、圧倒的なストーリーテリングのパワーを通してメッセージを伝えることができるのか。それとも、メッセージを伝えることが前面に出てしまい、ストーリーは二の次というような小説を書いてしまうのか。

この人にしか書き得ない、圧倒的な感動作を書いてほしいなぁ。
と、個人的には願ってます。
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by inotti-department | 2006-08-08 00:12 | book
『ゲド戦記』 ~息子は父を殺せたか?~
e0038935_13135134.jpg満足度 ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)

『ゲド戦記』(2006、日)
   監督 宮崎吾朗
   声の出演 岡田准一 手嶌葵

王である父親を殺して国を飛び出したエンラッドの王子・アレンは、ハイタカと名乗る大賢人と出会う。ハイタカは、世界の異変の原因を突き止めるための旅の途中だった。行動を共にすることになった2人は、ハイタカの古い友人・テナーのもとに身を寄せることに。テナーにはテルーという娘がいたが、彼女は、心に闇を持ち命を粗末にするアレンを毛嫌いし、心を開かない。一方その頃、ハイタカに恨みをもつ魔法使い・クモが、2人のもとに迫っていた・・・。


宮崎駿の息子が、ジブリでメガホンを取る。

観る前から「なんだかなぁ」という気持ちでいっぱいだったのだけれど、「せっかくだからお手並み拝見と行くか!」と劇場へ行ったら、いやぁ驚いた、超満員。たぶん、僕と同じ気持ちの人もいっぱいいたんじゃないかと思うけれど、理由はともあれ、大ヒットしていることには変わりはない。

ただ、「なんだかなぁ」という僕の気持ちは、結局劇場を出るときにも変わらなかった。「なんだかなぁ。つまんなかったなぁ。」そんな感じ。

『ゲド戦記』という物語は、ファンタジー・ファンの世界では、伝説的な超大作らしい。ジブリも映画化の権利を手にするのには、かなり苦労したとか。ただ、映画からは、その物語の面白さというものが、全く伝わってこなかった。

劇中、登場人物たちは、旅をつづけ、戦いをつづける。しかし、その旅の目的が見えてこない。戦いの理由が見えてこない。いや、目的や理由らしきものは、彼らの口からときどきセリフとなって語られてはいる。でも、それがアニメーションの中から、スクリーンの中から、少しも伝わってこないのだ。映画の中で描かれる世界にあまりにも魅力がないために、いくらストーリーが進んでも、心が躍らない。

でも、僕が最も残念だったのは、そんなことではない。せっかく宮崎駿の息子がメガホンを取るチャンスを掴んだのにもかかわらず、その映画が、”ハヤオ的世界”から全く脱却できていなかったこと。それが、すごく残念だったのだ。

ジブリの映画を観ると、いつも思う。どうしてみんな、”ハヤオ的映画”を撮ろうとするのか、と。その役割は、宮崎駿本人だけで十分だろう。世の中に、同じ役割の人間は2人はいらない。ましてや、それが息子なんだから、親父には逆立ちしても撮れないような意欲的な映画を作ってみんかい!と、僕は思ってしまうのだ。

冒頭、主人公のアレンが父親を刺し殺す。僕はそこに、宮崎吾朗という人間の覚悟を見た気がしたのだ。父親を倒して、自分だけの世界を表現するのだ、という覚悟を。でもそれは、どうやら間違いだったようだ。宮崎吾朗が作った世界は、父親が数十年かけて作り上げた世界の模倣でしかなかった。

この映画を、宮崎駿はどう見たのだろう?「よくやった」か「まだまだだな」か。いや、根っからのアニメ人である彼のことだ。おそらく息子に対しても、こんな風にしか思わなかったのではないか?

「おれの勝ちだ」と。
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by inotti-department | 2006-08-07 14:00 | cinema
   
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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