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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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<   2007年 01月 ( 11 )   > この月の画像一覧
『犬神家の一族』 ~レトロな雰囲気が素敵です。~
e0038935_0525836.jpg満足度 ★★★★★★☆☆☆☆(6点)

『犬神家の一族』(2006、日)
  監督 市川崑
  出演 石坂浩二 松嶋菜々子

信州の製薬王・犬神佐兵衛が亡くなり、一族の関心はただひとつ。それは、その莫大な遺産を手にするのは誰かということ。佐兵衛の3人の娘(松子・竹子・梅子)たちは、我こそはと張り切るが、佐兵衛の遺した遺言状には驚愕の内容が記されていた。「全ての財産を、野々宮珠世に譲る。但し、珠世は、松子・竹子・梅子のそれぞれの息子の中から結婚相手を選ぶこと」。そして、次々に恐るべき殺人が起こり始める。この怪事件に、佐兵衛の弁護士から捜査を依頼された金田一耕助が挑む・・・・。


市川崑監督が30年前に発表した名作を、自らの手でリメイクした『犬神家の一族』。

監督が同じというだけではなく、ストーリーはおろかカット割すらほとんど変更がないそうです。まさに、キャストのみを一新して、忠実に撮り直したという印象になっているそうな。とはいっても、僕はオリジナルを観たことがないので、1本の新作として楽しませていただきました。

30年前とセリフも構図も変わっていないのだから、当たり前といえば当たり前なのですが、非常にレトロな雰囲気です。「古臭い」とか「ダサイ」と言ってしまえば、ハイそれまで。でも、僕はむしろ好感を抱きました。なんだか、その古さが逆に新鮮に感じられたのです。言葉を選ぶとすれば、「レトロ」とか「クラシカル」という言葉がピッタリだと思います。死体を発見したときのあのバタ臭い芝居など、もうタマらないものがありますよね。

俳優のセリフ回しに関しても、同じようなことを感じました。現代の映画では、役者たちはより「リアル」で「ナチュラル」であることを求められる傾向にあります。それに対して、この映画の登場人物たちは、やたらと芝居が大げさというか、セリフをしっかりと演劇的に喋ります。深田恭子など、その最たるものでしょう。「ヘタだなぁ」と思った方も多かったでしょうが、あれはむしろ監督の狙いなのではないかと僕は感じました。

この映画、雰囲気はとっても素敵なのですが、肝心のストーリーがもうひとついただけません。金田一シリーズの中でも名の通った名作ということで、ちょっと期待しすぎていたのかもしれません。それだけに、ミステリーとしても、人間ドラマとしても、どうも詰めが甘いなぁと感じてしまいました。

非常に複雑な人物相関。「これでもか」と言わんばかりに謎をあおりますが、どうにも消化不良のまま終わってしまいました。あれだけ幅広くキャラクターを登場させながら、全くそれを生かせない真相。ひとりひとりの登場人物の心理描写についても、わかるようなわからないような物足りなさが残りました。感動もなければ驚きもなかった、というのが正直な感想です。

キャスティングの中では、松嶋菜々子と富司純子が印象に残りました。松嶋さんについては、結婚して子供を産んだことで、若き頃とはまたひと味違った艶のようなものが出てきた気がします。その佇まいの美しさだけで、映画に1本の筋を通す存在になっていたと思います。とても良い年の重ね方をしていますね。

富司さんに関しては、本当に存在感のある女優さんだなぁ、と改めて感じました。『フラガール』や『愛の流刑地』など、最近印象に残る役が多くて気になっていたのですが、この『犬神家の一族』での演技も素晴らしいです。この人、基本的に顔というか雰囲気が怖いので、ミステリーとか抜群に合いますね。印象的でした。

もう少しストーリーで楽しませてほしかったなぁ、と残念な部分もあるのですが、不思議とスクリーンから目を離させない独特の力を持った映画でした。30年前に名作と呼ばれた映画がそれほど特別なものに感じられなかったということは、それだけこの数十年で日本映画界が進歩したということなのかもしれません。きっと、この『犬神家の一族』も、たくさんのミステリー映画やホラー映画に大きな影響を与えた作品なのでしょう。
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by inotti-department | 2007-01-29 01:25 | cinema
『サンキュー・スモーキング』 ~切れ味鋭いブラック・コメディ~
e0038935_1221261.jpg満足度 ★★★★★★★☆☆☆(7点)

『サンキュー・スモーキング』(2006、米)
  監督 ジェイソン・ライトマン
  出演 アーロン・エッカート マリア・ベロ

タバコ業界を擁護する”タバコ研究アカデミー”のスポークスマン・ニック。タバコの有害性を非難する声が大多数である世間からは嫌われているが、その巧みな話術でタバコ業界を保護する役割を見事にこなしている。最近も、ハリウッド映画の中でタバコをクローズアップさせるという案が採用され、プライベートでは女性新聞記者と関係を持つなど、公私ともに絶好調。しかし、ある事件がきっかけで、一転窮地に追い詰められることに・・・。


健康への悪影響が指摘され、すっかり世間の悪者となっている「タバコ」。

そんなタバコをあの手この手で擁護する人間が主人公だというのだから、なんとも共感するのが難しそうな映画に思えるのですが、ところがドッコイ!これがまた、驚くほど爽快で痛快なコメディに仕上がっているのです。とても面白い映画だと思います。

何がいいって、主人公のキャラクター設定がとても上手なんですよね。弁のたつスポークスマンで、しかもタバコ業界を擁護するのが仕事、なんていうと悪徳弁護士みたいな存在をイメージしてしまいがちです。しかし、このニックが、それに反して不思議と憎めないナイスなキャラクターなんです。

子供に対する接し方への好感しかり、仕事の能力は抜群なのに女性へのガードはダメダメに甘いところしかり、愛すべき男なのです。また、トークの切れ味が実にシャープでユーモアにも富んでおり、言っていることは間違っていても腹立たしい気持ちに全くなりません。それどころか、応援したくさえなってしまいます。そう思わされている時点で、観客である僕も、彼の「情報操作」にやりこめられているということなのでしょうね。

タバコ業界の内幕をクールに見つめる「業界モノ」としても、十分に面白い映画だと思います。でも、僕はそれ以上に、「お仕事モノ」として楽しませてもらいました。

主人公ニックの仕事への向き合い方が、すごく僕にとって共感できるものだったのです。仕事の内容がどうこうということ以上に、自分の磨き上げた能力を信じ、それを発揮することに全力を注ぐ。息子のジョーイが、あれだけ世間から叩かれているにもかかわらず父親を尊敬しているのも、そんな姿にカッコよさを感じていたからだと思います。僕も同じようなことを感じました。

ニックの最後の選択も、そういう考え方が根底にあるからこそのものなんですよね。すごく痛快で、とても共感しました。「おれは喋りで生きていくんだ!」そう言い切れるものがあるっていうのは、仕事人としては最高に素敵なことだと僕は思います。だからこそ、ニックの仕事の内容が正義であろうが悪であろうが、観る人は応援したくなるのだと思います。

練りに練られた緻密な映画とは全く思いませんが、娯楽映画としても社会派映画(僕は娯楽映画だと思いますが)としても、いろんな楽しみ方ができる上質の映画です。個人的には、オープニング・ソングにもハマリました。劇場で見逃した方は、ぜひDVDでどうぞ。
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by inotti-department | 2007-01-27 01:47 | cinema
『愛の流刑地』 ~深いんだか、浅いんだか。~
e0038935_22495552.jpg満足度 ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)

『愛の流刑地』(2007、日)
 監督 鶴橋康夫
 出演 豊川悦司 寺島しのぶ 長谷川京子

3人の子供を持つ主婦・入江冬香が、男との情事の最中に殺された。「首を絞めて殺した」と自首したのは、作家の村尾菊治。2人は、長く不倫関係にあった。もともと冬香は菊治の著書の大ファンで、知り合いの編集者の紹介で知り合った。菊治は冬香に強く惹かれ、繰り返し彼女の暮らす京都を訪れては、限られた時間を惜しむように激しく体を重ねあった。やがて、冬香が「殺して」と懇願するようになり、ついに事件は起こった・・・。


観てきました、『愛ルケ』。別に、寺島しのぶの裸やらあえぎ声やらが見たくて劇場へ行ったわけではなかったのですが、いやぁ脱ぐこと、脱ぐこと(笑)。R-15指定とのことですが、「そうなると16歳ならOKなんだなぁ」と、なんだか変なことでドキドキしてしまいました。

冒頭から飛ばします、この映画。きっと、「いつ脱ぐんだぁ?」なんて気持ちで観に行った方も多いと思うのですが、なにせ開始30秒からいきなりですから。まだみなさん覚悟が出来ていなかったのか、劇場がちょっとザワザワしているのが面白かったです。

ちょっと不謹慎な感想になってしまいますが、僕はこの映画を観ながら、この冒頭のセックスシーン含め終始笑いながら観てる感じでした。別に、ムッツリスケベだからニヤニヤ笑ってた、という意味ではありません。なんだか、コントみたいに思えてしまったのです。

僕は渡辺淳一という作家の小説を読んだことがないので、この映画がどの程度原作に忠実なのかも知りませんが、もし本気でこの映画のセリフが小説の中でも描かれていたとしたら、失礼ながらあまりにも陳腐だと言わざるを得ません。それぐらい、この映画、セリフがヒドイ。

実は観てから数日経っており、既に忘れつつあるのですが、例えば「先生、いけません」とか「ください」とか、「これはこっちを笑わせようとしているとしか思えん!」っていうナイスなセリフが連発なのです。こりゃ、コントでしょう。

製作側としては、愛の深さを描いたつもりなんだと思います。裁判などという形式的なシステムでは、到底計ることのできない愛というものの本質。殺意とか、嘱託殺人とかそういうことではなく、究極の愛の形としての殺人。「どうだ!」と言わんばかりに自信満々です。

でも僕には、この映画が描いてみせた愛はすごく浅くて薄っぺらなものに思えました。ひたすら体を重ね、相手に首を絞めさせる愛。なんだかカッコつけているけれど、結局形ばかりにこだわって、男女の心の深いところまでは描けていないような気がしたのです。

象徴的だったのは、検事を演じた長谷川京子の存在。彼女自身は、いつになく色気を漂わせながら、熱演していたと思います(棒読み気味のセリフ回しはさておき)。ただこの役、もっと重要な役どころになり得たと僕は思うのです。検事として菊治を激しく問い詰めながらも、心の底では同じ女性である冬香の生き方に共感する彼女。この女検事の心理描写が、終盤きちんと描かれていなかったのが、どうにも納得できません。ここを丁寧に描ければ、もっと幅広く、そして奥深い愛の映画になったと思うのですが。

なんだか不満ばかり書いてしまいました。ただ、主演2人が文字通り体を張って熱演していることには、敬意を表さなければなりません。そして、若干古くさいものの、真面目で骨太な演出にも好感が持てます。

ひょっとすると、僕がもっと年を重ねれば、また違った感想を持てるようになるのかもしれません。
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by inotti-department | 2007-01-22 23:19 | cinema
『プラダを着た悪魔』 ~女優がみんな素晴らしい!~
e0038935_12163325.jpg満足度 ★★★★★★★★☆☆(8点)

『プラダを着た悪魔』(2006、米)
 監督 デビッド・フランケル
 出演 メリル・ストリープ アン・ハサウェイ

一流大学を卒業し、人気ファッション誌「ランウェイ」のアシスタントに就職したアンディ。しかし、編集長のミランダは、誰もが恐れる鬼編集長。無謀な注文を次々に命じられ、アンディは最初まともに応えることができない。しかし、懸命の努力で次第にミランダの信頼を勝ち取り、服装のセンスも認められるようになる。けれども、仕事が順調になるにつれ、私生活や友人関係に亀裂が入りはじめ・・・。


「女性なら誰もが楽しめる・・・」という売り込みコピーにも負けず、男性代表として観てきました。ターゲットを絞った宣伝戦略には賛成しますが、このコピーにはどうやら少し間違いもあったようです。この映画、女性だけでなく、男性でも十分に楽しめる映画だと思います。

エンタテインメントとして、ライトコメディとして、とてもレベルの高い映画です。ストーリーは冷静に考えるとツッコミどころも多いのですが、テンポがとてもいいので余計なことを考えさせません。音楽やファッションなどのセンスも見事で、映画のレベルを高めています。

そして、何よりも素晴らしいのが女優陣の演技です。先ほども言ったように、この映画は決して”女性の映画”ではないと思いますが、”女優の映画”であることは間違いありません。それぐらい、メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラントの演技が3人とも素晴らしいです。

まずは、鬼編集長ミランダを演じたメリル・ストリープ。ご存知、アカデミー賞に10数回ノミネートされている、名実ともにアメリカNo.1の名女優です。この人は、本当に凄い女優さんですね。前半のミランダは、とにかくひたすらムチャクチャで、ただただムカつきます。でも、そのやり方があまりにも豪快なので、かえって気持ちがいいぐらいです。実はこの前半で、観客のほとんどの人はなんだかんだでミランダのことが好きになってしまうのではないでしょうか。僕もそうでした。

そして、真骨頂は、硬軟織り交ぜた後半のミランダ。仕事ひと筋で家庭を犠牲にしてきた女の哀しみ、そしてそれでも強く生き抜くことを決意した女の強さ。その両方を、まなざしひとつで、それこそ顔のシワの作り方ひとつで見事に表現していました。しかも、重くならないように、ストーリーの邪魔にならないように、あくまでもサラっとテンポよく。これは、そんじょそこらの女優にできる芸当ではありません。

ネタバレになるので深くは言いませんが、車を去ったアンディに気付いたときの一瞬の戸惑い、そしてその後すぐにいつものカリスマ編集長の顔に戻る切り替えの演技などは、もう圧巻のひとことでした。今回の演技で、本年度のゴールデン・グローブ賞最優秀主演女優賞(助演でないかい?とは思うのですが)を受賞したようです。納得。当然アカデミー賞のノミネートも確実でしょう。

でも、それでも僕はこの映画は、アン・ハサウェイの映画だと思っています。メリル・ストリープのような技術はありません。でも、メリルの名演技を引き出しているのも、対照的なアン・ハサウェイのフレッシュでストレートな魅力だと思うのです。ミランダを尊敬しながらも、違う生き方を模索しようと葛藤する若い女性の生き様を、見事に演じきっています。

また、ダサくてトロいOLと、ファッショナブルで有能なアシスタントの両方を、どちらもかわいらしく魅力的に見せることができるのも、彼女の女優としての幅の広さを示していると思います。今後が楽しみな女優さんです。

そしてもうひとり忘れちゃいけないのが、第一アシスタントを演じたエミリー・ブラント。この人がまた素晴らしい!前半はただただ性格の悪いお局という感じなのですが、嫌味がないギリギリのところで表現しているので、この人も観客に嫌われません。

中盤からは、この人物の隠れた魅力がどんどん明らかになっていきます。実は凡人であることを自分では百も承知で、それでも夢に向かって必死に食らいついていく逞しいエミリーの生き方。ある意味、実は容姿にも才能にも恵まれているアンディ以上に、このエミリーこそ最も感情移入しやすいキャラクターかもしれません。

また、中盤以降のエミリーとアンディのひねくれた友情は、この映画のスパイスになっています。ラスト、この2人の間にひとつエピソードを挿んでくれた監督に感謝。最後のエミリーのセリフは、この映画の中では最高のセリフであり、アンディにとっては最高の褒め言葉でしょう。

女優について語るだけで、これだけの長さになってしまいました。おそらく見る人にとって、面白さを感じる視点は変わってくるのでしょう。僕自身、「仕事と私生活」という語りふるされたテーマにも、改めていろいろ感じる部分がありました。それは、女性だけでなく男性だって同じだと思います。

女性だけでなく、男性の方々にも、ぜひ観ていただきたい映画です。
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by inotti-department | 2007-01-20 12:53 | cinema
『武士の一分』 ~キムタクが”意外な”好演~
e0038935_16214730.jpg満足度 ★★★★★★★★☆☆(8点)

『武士の一分』(2006、日)
   監督 山田洋次
   出演 木村拓哉 檀れい 笹野高史

藩主の食事の”毒見役”を仕事とする下級武士・三村新之丞。ある日、いつもの通り毒見をした新之丞は、そのまま倒れこんで意識を失う。なんとか一命をとりとめた新之丞だが、その代償に視力を失ってしまう。新之丞を愛する妻の加世は、三村家の存続のために、藩の有力者・島田に藩主への口添えを頼み込むが、島田はその引き換えに加世の体を求める。それを知った新之丞は・・・。


山田洋次の時代劇3部作最終章。主演に木村拓哉を抜擢した渾身の一作は、さすがに見事な快作に仕上がっています。とても面白い映画だと思います。

夫婦愛と武士の誇りをメインテーマにした、すごくシンプルな映画です。名作『たそがれ清兵衛』のような深みこそないものの、エンタテインメント性という意味では、3部作の中でもピカイチではないでしょうか。

起承転結といいますか、ストーリーの展開が非常に明確で、メッセージもストレートに心に響きます。適度に笑いどころもあり(笹野高史の好演によるところも大きいですね)、もちろん泣きどころもたっぷり。大人から子供まで、きっと誰がみても楽しめると思います。もしも映画があと4時間も5時間も続いたとしても、ずっと楽しく観られるだろうなぁという、なんともいえない安心感があります。それが、山田洋次という名匠の力なんだと思います。

山田映画への絶対的な信頼とは裏腹に、僕が心配していたのが主演の木村拓哉。別に嫌いなわけではないのですが、巷でも言われているように、彼の演技がいつも一緒だというのは僕も同感です。魅力的な俳優だとは思うのですが、決して上手い役者ではない、というのが僕のキムタク評。

ところがドッコイ、『武士の一分』の木村拓哉のなんと素晴らしいこと。下級武士の誇り高き生き様を、見事に表現してくれました。映画を観終えた今となっては、三村新之丞をこんなに魅力的に演じられるのは木村拓哉だけだ!なんていう気さえします。

少し分析してみると、彼がもともと持っている”サムライ”的側面が、見事に役とマッチしたんだと思います。現代劇だと妙に鼻につく”カッコつけ演技””ヒーロー演技”も、時代劇の中で刀なんか持っちゃうと、ビックリするぐらい自然なのです。もともと、良くも悪くも、素のキャラクターも演技も”硬い”人(”真っ直ぐ”と言い換えてもいい)です。その硬さ、真っ直ぐさが、サムライの生き様とピタリと折り合ったのだと思います。

木村拓哉という俳優の本質を見抜いたキャスティング。山田洋次、恐るべし!ですね。

良い演技を見せているのは、キムタクだけではありません。ヒロインの檀れいも素晴らしいです。彼女の場合、演技がどうこうというより、もうその佇まいが完璧なのです。別にエロオヤジ的発言をするつもりはないのですが、着物の着こなし、ほんのり汗をかいたうなじの色香など、彼女もまた時代劇を演じるために生まれてきたような女優さんかもしれません。もちろん、現代劇を演じるであろう次回の出演作にも要注目です。

桃井かおりや坂東三津五郎はさすがベテランの貫禄!として、嬉しい発見は、笹野高史の好演。飄々とした演技でさんざん笑わせてくれるその存在感は、この映画の効果的なスパイスになっています。しかも、それでいて、締めるところは締める真っ直ぐな演技。これまた見事なキャスティングです。

予定調和な展開に、物足りなさを感じる人もきっといるでしょう。でも、僕個人としては、こういう真っ直ぐな本流映画に対しては細かいケチをつけずに素直に楽しめる映画ファンでいつまでもいたいなー、なんて思います。
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by inotti-department | 2007-01-14 16:51 | cinema
『暗いところで待ち合わせ』 ~意外と侮れない奇妙な寓話~
e0038935_21382839.jpg満足度 ★★★★★★☆☆☆☆(6点)

『暗いところで待ち合わせ』(2006、日)
   監督 天願大介
   出演 田中麗奈 チェン・ボーリン

幼いときの事故が原因で視力を失ったミチル。父親を亡くしひとりぼっちになった彼女の部屋からは、駅のホームが見渡せる。そのホームで、ある男性が線路に突き落とされ命を落とす事故が起こる。その直後、ミチルの部屋にひとりの青年が忍び込む。アキヒロというその青年は、ホームでの転落事故の重要参考人としてテレビで報じられている男だった。彼は、ミチルの目が見えないのを利用して、彼女の部屋にじっと身を潜めるが・・・。


なんとも不思議な味わいのある映画です。「傑作だ」とは少しも思いません。ツッコミどころも満載です。でも、なんだか奇妙な余韻が心に残る、なかなかユニークな作品だと思います。

前半は、あまりの静かさ、退屈さに、「これはまいったな・・・」と思わずにはいられませんでした。何度記憶を失いそうになったことか。なにしろ、アキヒロはミチルに自分が部屋に侵入していることを気付かれるわけにはいかないので、ひたすら黙ってジーッとしているのです。とにかく会話がない。ストーリーに変化がない。最初の1時間が、僕には10時間に感じられました。って、それは言い過ぎですね。

でも、この物語は、この関係性こそが全ての出発点なんだと思います。盲目の女性の部屋にそっと忍び込んだ殺人犯(正確には違いますが)。この設定のユニークさが、この映画を支えています。

ところが納得いかないのが、アキヒロの身の潜め方がけっこういい加減なこと。そんなに動いたり食べたり荒い息してたら、すぐ気付かれるっつーの。ましてや、目の見えない人は耳が人一倍敏感になるという話もよく聞きます。「どうせそんなムチャするんなら、とことんやらんかい!」そんなツッコミを心の中でいれているうちに、映画は意外な方向へ。

なんとビックリ、ミチルがあっさりとアキヒロの存在に気付いてしまうのです。これには本当にビックリしました。僕は勝手ながら、物語はこの設定を保ちながらラストまで進んでいくのだろうと確信していたからです。アキヒロは気付かれていないつもりでも、実はミチルはずーっと前から気付いていて、知らないフリをしていた。え、いつから知ってたの?と驚くアキヒロ。なーーんて展開だろうと勝手に予想していたのですが、いやはや大ハズレ。

そして、ビックリと同時にガッカリもしました。「あ、終わったな」と。ここで気付いちゃうんじゃ、もうこの映画に見るべきものはないな、なんて勝手に見切りをつけてしまいそうになりました。

しかし!

この映画、ここからが侮れないんです。後半の怒涛の展開。登場人物が少ないので、途中で予想はつくのですが、ミステリーというかホラーというか、前半とは打って変わった動きある展開に突入します。

といっても、この映画に緻密さというのはカケラもないので、引き続きツッコミどころは満載ですけどね。そんな犯行じゃ100%駅員に見られてるだろー!とか、動機の説明は全くなしかい!とか。

でも、そんなところにケチをつけるタイプの映画じゃないんですよね。奇妙な出会い方をした主人公2人の関係性の変化。ストーリー展開のガサツさに比べ、この描写のなんと細やかなことか。終盤に回想として描かれる、「お母さん!」と窓際で泣き叫ぶミチルの姿をアキヒロが駅からじっと見つめている姿。このあたりの厚みある描写の巧みさは見事のひとことです。

女優陣が好演しています。主人公の田中麗奈も良いのですが、それを上回る素晴らしさなのが宮地真緒と井川遥。2人とも、とても印象に残る演技を披露しています。また井川遥については、彼女自身の成長もさることながら、この役に彼女を起用した監督のセンスに脱帽です。

ただ、この映画についてどうしても納得いかないのが、主人公アキヒロが中国人と日本人のハーフであるという設定。そして、その役に中国人俳優(でしょうか?違ったらごめんなさい。)を起用したこと。これだけは謎でした。何か最後に意味が出てくるのかな?と思って観ていましたが、少なくとも僕には、この役が日本人でない利点というのは感じられませんでした。

チェン・ボーリンという俳優がどうこう、ということではありません。ただ、日本映画の中に海外の俳優(日本を話せない俳優)を起用する場合には、それだけでそこに何らかの意味が発生してしまうのです。観客は、そこに意味や理由を求めてしまう。それは避けられません。

アキヒロの孤独を引き立たせるため、だとしたら、あまりにも安易な手法ではないでしょうか?アキヒロの日本語がカタコトであることは、この映画の面白さのポイントやテーマを考えると、かえって余計な要素だったのではないか?と感じました。もしも昨今のアジア映画ブームに乗っかっただけだとしたら、僕にはその発想はクエスチョン以外のなにものでもありません。
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by inotti-department | 2007-01-13 22:16 | cinema
『麦の穂をゆらす風』 ~人は武器をとってはいけない。~
e0038935_20574581.jpg満足度 ★★★★★★★★☆☆ (8点)

『麦の穂をゆらす風』(2006、英・愛・仏)
  監督 ケン・ローチ
  出演 キリアン・マーフィー 
      ポーリック・デラニー

1920年、アイルランド。人々は、イギリスによる強圧的な支配に苦しめられていた。テディとデミアンの若き兄弟もまた、仲間を次々にイギリス警察によって処刑されるなど、イギリスに対する憤りを深めていた。2人は、仲間とともに立ち上がり、イギリスに反撃する。やがて戦いは終わり、アイルランドは自由を勝ち取るが、テディとデミアンの意見が食い違いはじめ・・・。


非常に骨太な、実に見応えのある作品です。

戦争というものを悲劇性を、真正面からしっかりと捕らえている映画です。「反戦」というフレーズが声高に掲げられてはいませんが、だからこそ余計に、戦争というものの無意味さ、悲しさが絶望的なまでに強く伝わってきます。

戦争をテーマにした映画を観るたびに感じるのですが、なぜ人は、戦争に関わるとあんなにも残酷になれるのでしょう?なぜ簡単に、「他人を殺す」という行動を選択してしまうのでしょう?

それが、「戦争」という”装置”の最も危険な部分だと思います。「相手を殺してしまうのも、やむをえないよね」そんな許可を社会が個人に対して出してしまう、それこそが戦争の一番恐ろしいところなんだと思います。

この映画の主人公であるテディとデミアンの兄弟もまた、「戦争」によって人生の歯車を狂わせてしまいます。そして最後は、悲しい結末を迎えてしまうのです。

最初はある意味、迷いなく登場人物に感情移入できるストレートな映画になっています。明らかに理不尽で、決して許すことのできないイギリスの武力による制圧。「アイルランド頑張れ!」と、ついつい肩入れしてしまいます。ここまでは、おそらく誰もが一緒でしょう。

しかし中盤から、映画は方向性を見失い始めます。「イギリスを倒す!」それが何よりも優先されるようになるにつれ、本来守られるべきはずの社会的弱者たちが、「イギリスを倒すためには、あなたたちには我慢してもらわなくちゃならない」という粗末な扱われ方をされるようになります。裁判で有罪になった悪徳武器商人をテディたちが救おうとするシーンは、最も象徴的なシーンです。

そして、観ているこちらも、不思議な気持ちに襲われはじめます。「いったい、誰が正しいんだ?」と。反乱軍の秩序を保つために、親友を処刑するデミアン。「自由を勝ち取るためには、やむを得ない犠牲だ!」果たして本当にそうなのでしょうか?なんだか誰が悪いのか、わからなくなってきます。

その思いは、テディとデミアンの亀裂によって、いよいよ取り返しがつかないほど強くなります。たとえ完璧な自由ではなくても、これ以上の犠牲を出さないためにイギリスに歩み寄ろうとする兄。本当の自由を掴みとるため、さらに武器を取り、今度はまずアイルランド政府に襲いかかろうとする弟。おそらくどちらも間違っていないし、どちらも決して悪者ではないんです。しかし、物語は悲劇的な結末へ進んでしまいます。

もはや理想論でしかないのかもしれませんが、「やはり人は武器を手にしてはいけない」のだと僕は思います。どちらかが武器を取ってしまうと、必ず相手もまた武器を持ってしまう。これが、悲しいですが人間社会のサイクルなのだと思うのです。

どちらも間違っていなかろうが、明らかにどちらか片方が正義であろうが、やはり人は武器を取ってはいけない。武器による、暴力による解決を図ってはいけない。そんなことを改めて強く感じました。
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by inotti-department | 2007-01-11 21:28 | cinema
『リトル・ミス・サンシャイン』 ~負け犬だって、希望はある!~
e0038935_184888.jpg満足度 ★★★★★★★★☆☆(8点)

『リトル・ミス・サンシャイン』(2006、米)
   監督 ジョナサン・デイトン
       ヴァレリー・ファリス
   出演 グレッグ・キニア トニ・コレット

ミスコン優勝を夢見るオリーヴのもとに、少女たちのミスコン”リトル・ミス・サンシャイン”決勝戦出場決定の知らせが届く。一家揃ってミスコン会場のカリフォルニアへ向かうべくオンボロ車を走らせるが、家族内には問題が山積み。無職の父親、ヘロイン中毒のグランパ、喋らない兄、自殺未遂の叔父・・・。オリーヴは無事にミスコンに参加することができるのか!?


2007年1発目の劇場観賞です。いいもん見ました。今年もいい映画とたくさん出会えそうな予感を感じさせてくれる、嬉しいスタートダッシュとなりました。

とっても楽しい映画です。劇場へ行って、この家族と出会って、この映画を好きにならない人はいないんじゃないでしょうか。

といっても、素晴らしい人物が集まっている家族なわけでは全くなく。みんな全然ダメダメなんです。あ、みんなではないですね。オリーヴちゃんとお母さん(登場人物中、唯一の常識人。トニ・コレットのブレない演技が実はこの映画を支えています。)の女性陣は、マトモです。問題は、男性陣。ヘロイン中毒でエロ本大好きのおじいちゃん、家族が大嫌いな上にひとことも喋らないお兄ちゃん、自殺未遂で自信喪失気味のおじちゃん。

どいつもこいつもダメダメですが、僕が中でも「あ、コイツはダメだわ」と感じたのはお父さん。9ステップなる独自の成功理論を武器に、出版による一攫千金を狙ってるんですが、その理論がもういかにも怪しいんです。社会の中では完全に”負け組”なんですが、弱者揃いの家族の中では妙に”勝ち組”気取りなのもイヤな感じで。「こりゃ痛い目見ないとダメだな」と思って見てたら、案の定映画の中盤で痛い目を見ちゃったわけで・・・。

でも、この映画、全然暗さがないんです。とにかく、楽しい。笑える。けっこう悲しいエピソード満載なんですが、これっぽっちもイヤな気持ちにならない。それどころか、エピソードが重なるに連れ、どんどんハッピーな気持ちになってくる。どんどん、このダメ家族を応援したくなる。

「テーマは何だ?」なんて野暮なことを考えながら見るような映画じゃないと思います。でも、そこにはいろんなメッセージが詰まっています。僕が一番感じたのは、「勝ち組か負け犬か決めるのは、状況や環境じゃないんだな」ってこと。どんなに周りから”負け犬”に見えたって、自分たちが幸せなら、それはやっぱり”勝ち組”だってことなんです。

おじいちゃんのとっても素敵なセリフが心に残りました。「諦めない人は、”負け犬”にはならない」(正確な言い回しは忘れましたが)。その通りだと思います。少なくとも、映画の中で最後にこの家族が見せてくれたクライマックスは、決して”負け犬”のそれではなかったと思います。

さんざん笑って、ちょっと勇気をもらって、全然感動するような話じゃないのに、なぜかジワジワ涙が出てくる。そんな素敵な映画です。

アメリカでは、口コミでどんどん広がり、かなりのロングランヒットを記録したとか。こういう映画を求める気持ちは、きっと万国共通なんでしょうね。

しかし、よくよく考えると、映画がエンドロールを迎えても、状況は何ひとつ改善されてないような・・・・。
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by inotti-department | 2007-01-09 19:10 | cinema
<2007年観た映画の満足度一覧!>
10点満点で、満足度のみ載せています。
劇場へ足を運ぶ際や、DVD鑑賞の際の参考にしてみてください。

10点: 最高!文句なしの傑作!
9 点: 素晴らしい!絶対オススメ!
8 点: 面白い!観て損なし!
7 点: 満足!僕は好きです!
6 点: まあまあ。悪くはないが、不満もあり。
5 点: うーむ。不満いっぱい。
4 点以下: ダメだこりゃ。駄作。

<2007年7月公開作品>
・『夕凪の街 桜の国』        ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『傷だらけの男たち』        ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
<2007年6月公開作品>
・『アヒルと鴨のコインロッカー』   ★★★★★★★★★☆ (9点)
・『サイドカーに犬』          ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
・『キサラギ』              ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『大日本人』              ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
・『プレステージ』           ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『ゾディアック』            ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
<2007年5月公開作品>
・『パッチギ!LOVE&PEACE』  ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』  ★★★★☆☆☆☆☆☆ (4点)
・『しゃべれども しゃべれども』  ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
<2007年4月公開作品>
・『ラブソングができるまで』    ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『東京タワー』            ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『ツォツィ』              ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『バベル』               ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『クィーン』              ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
<2007年3月公開作品>
・『パフューム』            ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
・『ハッピーフィート』         ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
・『フランシスコの2人の息子』   ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『ホリデイ』              ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『あかね空』              ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
<2007年2月公開作品>
・『さくらん』               ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『カンバセーションズ』        ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『叫』                  ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
・『ドリームガールズ』         ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『ボビー』                ★★★★★★★★☆☆ (8点)
<2007年1月公開作品>
・『マリー・アントワネット』      ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
・『不都合な真実』           ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『ディパーテッド』           ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『それでもボクはやってない』   ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『魂萌え!』              ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『愛の流刑地』            ★★★★★☆☆☆☆☆ (5点)
<2006年公開作品>
・『エンロン』               ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『イカとクジラ』            ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
・『硫黄島からの手紙』        ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『敬愛なるベートーヴェン』     ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『父親たちの星条旗』        ★★★★★★★★★☆ (9点)
・『犬神家の一族』           ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
・『サンキュー・スモーキング』    ★★★★★★★☆☆☆ (7点)
・『プラダを着た悪魔』         ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『武士の一分』            ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『暗いところで待ち合わせ』     ★★★★★★☆☆☆☆ (6点)
・『麦の穂をゆらす風』        ★★★★★★★★☆☆ (8点)
・『リトル・ミス・サンシャイン』    ★★★★★★★★☆☆ (8点)
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by inotti-department | 2007-01-09 17:44 | ”2007年観た映画”リスト
2006年映画【年間ベストテン】発表!!
映画界では、ちらほらと2006年映画賞が発表されはじめています。

個人的には、米アカデミー賞のもつ雰囲気がすごく好きで個人的関心は高いのですが、なにぶん日本で公開されていない候補作が多いのが残念な限り。

ということで、本家本元の賞レースは置いといて、今回は個人的2006年ベスト10を発表したいと思います!

対象作品は、2006年1月~12月公開作品(洋邦画問わず)の中で、僕が公開当時に劇場で観賞した作品です。ということで、僕が観ていない名作・傑作は一切候補に入らないというなんともいい加減なベスト10ではありますが、それでは発表します。

第1位: 『ゆれる』
第2位: 『ブロークバック・マウンテン』
第3位: 『フラガール』
第4位: 『父親たちの星条旗』
第5位: 『マッチポイント』
第6位: 『ブロークン・フラワーズ』
第7位: 『プライドと偏見』
第8位: 『V・フォー・ヴェンデッタ』
第9位: 『リトル・ミス・サンシャイン』
第10位:『9/10 ジュウブンノキュウ』


こんな感じでしょうか。
それでは、簡単に1つずつ解説していきます。

第10位は、『9/10』。
ハッキリ言って、レベル的には全くベスト10入りできる水準にはありません。でも、なんでこの作品がランクインしているかというと、こういうベスト10って、1位から張り切って考えていると、8位ぐらいからどうでもよくなってくるんですね。8位も17位も大して変わらないというか。といっても、もちろんそれだけではなくて、渋谷でのレイトショー限定公開ということでこの作品を観ていない人も多いと思うので、紹介したかったんです。「9人だけで頑張ってきたはずの野球部。卒業以来の再会。思い出のタイムカプセルを9人で開けようとすると、なぜか鍵穴が10個・・・。」このアイデアの斬新さだけで、この映画の勝利は決まったようなものです。ぜひDVDが発売されたらチェックしてみてください。

第9位は、『リトル・ミス・サンシャイン』。
2007年最初に劇場で観た映画ですが、公開が2006年なのでランクイン。やっぱり僕は家族モノには滅法弱いんだな、ということを再認識させられました。この映画を観て、この家族を好きにならない人はいないんじゃないかな、と思います。

第8位は、『V・フォー・ヴェンデッタ』。
ジャケットとかすごくB級っぽいんで敬遠してた(してる)人も多いと思いますが、これ、メチャメチャ面白いです。騙されたと思って観てみてください。後半は、もう目が離せません。ぜひDVDで。

第7位は、『プライドと偏見』。
ラブストーリーで心に残るものって僕の場合あまりないのですが、これは昨年の今頃観て、もう1年ぐらい経っているわりには今でも印象に残っています。キーラ・ナイトレイ演じる主人公のキャラクターがすごく好きだったんです。気が強いので、実際に付き合ったりすると大変な女性だとは思いますが。お父さんもとっても良かったです。

第6位は、『ブロークン・フラワーズ』。
監督のジム・ジャームッシュも主演のビル・マーレイも大好きな僕としては、この作品を嫌いになれるわけがないです。かつての女から届いた手紙。「あなたの子供が・・・」。子供はいない。そして、差出人は不明。思い当たる節はちらほら。ね、面白そうでしょ?ぜひDVDで。って、そればっかり言ってるな。と同時に、これ大好きだった人は、この監督の他の映画もチェックしてみてください。特に『ナイト・オン・ザ・プラネット』は本当に素晴らしい映画です。ぜひDVDで。あ、また。

第5位は、『マッチポイント』。
ウディ・アレン、久しぶりの快作ではないでしょうか。シリアス調の展開は彼の王道ではないけれど、そのオシャレな雰囲気はやっぱり彼ならでは。そして、この作品のスカーレット・ヨハンソンは、2006年最高の存在感だったかもしれません。タイトルの付け方も素晴らしいです。

第4位は、『父親たちの星条旗』。
『硫黄島からの手紙』より、僕はこちらを推します。『硫黄島』がアメリカで評価が高いのは、全編日本語での映画作りへの珍しさ・評価もあるのでしょう。作品自体の質、ストーリー自体のオリジナリティとしては、断然『父親』が上です。当時全米を勇気付けた1枚の写真の裏に秘められた真実の物語。様々な視点をミックスさせた語り口の巧妙さには、脱帽の一言です。「硫黄島観たけど、父親観てない」という方、まだ間に合います。ぜひ劇場へ。

いよいよトップ3です。
第3位は、『フラガール』。
みなさん、見ましたでしょうか?素晴らしかったですよね。笑って泣ける、と世間では言われていますが、僕はあんまり笑った記憶は実はないんです。ハイ、中盤ぐらいからは、ひたすら泣いていました。真新しさこそありませんが、エンタテインメント性の追求という点では、最高の仕事なのではないでしょうか。今年の邦画ブームを象徴する一作です。

第2位は、『ブロークバック・マウンテン』。
この良作が『クラッシュ』に負けてアカデミー賞を逃したのが、いまだに納得できません。「ホモの映画でしょ?キモーい」と敬遠してる方、どうか最初の20分だけでも観てみてください。この映画がどれだけ美しい映画かどうか、わかると思います。究極のラブストーリーです。ただ、切ないです。あまりにも、切ない。

そして、栄光の2006年ベスト1。
第1位は、『ゆれる』。
夏に観たこの傑作が、僕はいまだに忘れられません。ミステリーとしても法廷サスペンスとしても楽しめるんだけど、この作品は家族、兄弟というものを正面から描ききった作品なんです。ムカつくし、嫉妬もするし、軽蔑もするし、負けたくないし、とことん憎いんだけど、でも、やっぱり好き。離れられない。それが家族なんだと思います。ラストは、いろんな風に受け取れると思います。ハッピーエンドじゃないのかもしれません。でも僕は、僕が感じたままに、その気持ちを信じたいなって思いました。ぜひDVDで。レンタルせずにいきなり買っちゃっても、ハズレなしです。

以上です。
難しいですね、こういうのって。

今年の傾向としては、世間でも言われているように、邦画に良作が目立ったと思います。僕もそう感じた1年でした。観たい映画をひとつずつ観てたら、半分以上が邦画だった。そんな1年は、僕が映画ファンになってからは初めてでした。ベスト10には惜しくも入らなかった作品の中にも、THE有頂天ホテル』『かもめ食堂』『嫌われ松子の一生』『デスノート 前編』『雪に願うこと』など、邦画の良作がたくさんありました。

2007年は、年末にベスト10を考えるときにもっとたくさん候補作が増えるように、1年間かけて1つでも多くの映画を劇場で観たいと思います。
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by inotti-department | 2007-01-08 10:07 | cinema
   
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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