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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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・メゾン・ド・ヒミコ(2005、日)  ★★★★★★★★☆☆(8点)
   監督 犬童一心
   出演 オダギリジョー 柴咲コウ 田中泯
<story> 塗装会社で働く沙織のもとを訪れた男・春彦。彼は、ゲイのための老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」の経営者である卑弥呼の恋人。そして卑弥呼は、沙織の父親。しかし、母親と沙織を捨ててゲイ・バーをはじめて以来、絶縁していた。春彦は、1日3万で「メゾン」でバイトしないかと沙織にもちかける。死んだ母親の入院費を捻出するために多額の借金を背負った沙織は、金に目がくらんで「メゾン」へ。しかし、卑弥呼は末期ガンで、余命あとわずかとなっていた。沙織は最初、ゲイを毛嫌いするが、次第に住人たちと打ち解けていく。そんな中、住人の1人ルビイが倒れる。「メゾン」では面倒を見切れないため、住人たちは悩む。一方、沙織は、父である卑弥呼を許せずにいた。沙織は、「メゾン」内に飾られた母親の写真を発見する。そこに写っている母は、40歳。母は、27歳で別れて以来、卑弥呼とは会っていないはず。なのに、なぜ写真が?沙織は、住人たちとクラブへ出掛け、踊りあかす。そこで、春彦は沙織にキスをする。惹かれあう2人は、「メゾン」でセックスを試みる。しかし、できない。春彦には、女性をどうやって抱いていいのかがわからないのだった。卑弥呼は、沙織に告白する。母の40歳の誕生日に、会ってプレゼントをあげた、と。沙織は思い出す。母が死ぬ前、ボケて自分のことを「卑弥呼」と呼んでいたことを。卑弥呼は、沙織に「あなたが好きよ」と告げる。時は流れ、お盆。ルビイは、結局息子家族に引き取られる。しかし、ゲイであることを隠して引き渡した住人たちへ、沙織は怒りを爆発させる。「ただ怖くて押し付けただけ。ゲイのエゴ。息子さんがこれからどれだけ苦しむと思ってるのよ!」沙織は、「メゾン」を出て行く。その後、卑弥呼は息をひきとる。沙織は、卑弥呼の荷物を全て預かり、「メゾン」をあとにする。塗装の仕事に戻る。沙織。そこに届いた知らせ。あるイタズラ書きが発見されたため、それを塗装することになったのだ。イタズラ書きの写真を見た沙織は、現場へ行く。そこは「メゾン・ド・ヒミコ」。春彦ら住人たちは、笑顔で彼女を迎え入れる。壁には、「沙織に会いたい!」と書かれていた。
<ひとことreview> 『ジョゼと虎と魚たち』の犬童監督による、新たな傑作の誕生。ゲイに対する差別、ノーマルとゲイの間に存在する壁という問題を真っ向から受け止めたうえで、温かい視線を注いでいる。春彦が、そして住人たちがゲイでなければ、沙織はもっと素直にスンナリと彼らと心を通わせることができたはずだ。そして、父である卑弥呼とも。表面的には、沙織は父のことを許せないまま永遠の別れを迎える。しかし、ラストシーン、沙織は再び「メゾン」を訪れた。彼女は、住人たちにもう1度会いたい、と素直に願ったから。その沙織の心の中に、おそらく父親に対するわだかまりはなかったはずだ。沙織の感情の変化は、そのまま僕たち観客、ひいては社会一般の人たちの視点と重なる。これはとても難しい問題だけれど、きっと乗り越えることもできるはず。映画は、そう優しく語りかける。沙織というキャラクターを表情豊かに演じきった柴咲コウは、キャリア最高の演技。そして田中泯の存在感は、圧巻のひとこと。
by inotti-department | 2006-02-21 12:48 | 映画ネタバレstory<マ・ヤ>
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
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