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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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『愛の流刑地』 ~深いんだか、浅いんだか。~
満足度 ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
『愛の流刑地』(2007、日) 監督 鶴橋康夫 出演 豊川悦司 寺島しのぶ 長谷川京子 3人の子供を持つ主婦・入江冬香が、男との情事の最中に殺された。「首を絞めて殺した」と自首したのは、作家の村尾菊治。2人は、長く不倫関係にあった。もともと冬香は菊治の著書の大ファンで、知り合いの編集者の紹介で知り合った。菊治は冬香に強く惹かれ、繰り返し彼女の暮らす京都を訪れては、限られた時間を惜しむように激しく体を重ねあった。やがて、冬香が「殺して」と懇願するようになり、ついに事件は起こった・・・。 観てきました、『愛ルケ』。別に、寺島しのぶの裸やらあえぎ声やらが見たくて劇場へ行ったわけではなかったのですが、いやぁ脱ぐこと、脱ぐこと(笑)。R-15指定とのことですが、「そうなると16歳ならOKなんだなぁ」と、なんだか変なことでドキドキしてしまいました。 冒頭から飛ばします、この映画。きっと、「いつ脱ぐんだぁ?」なんて気持ちで観に行った方も多いと思うのですが、なにせ開始30秒からいきなりですから。まだみなさん覚悟が出来ていなかったのか、劇場がちょっとザワザワしているのが面白かったです。 ちょっと不謹慎な感想になってしまいますが、僕はこの映画を観ながら、この冒頭のセックスシーン含め終始笑いながら観てる感じでした。別に、ムッツリスケベだからニヤニヤ笑ってた、という意味ではありません。なんだか、コントみたいに思えてしまったのです。 僕は渡辺淳一という作家の小説を読んだことがないので、この映画がどの程度原作に忠実なのかも知りませんが、もし本気でこの映画のセリフが小説の中でも描かれていたとしたら、失礼ながらあまりにも陳腐だと言わざるを得ません。それぐらい、この映画、セリフがヒドイ。 実は観てから数日経っており、既に忘れつつあるのですが、例えば「先生、いけません」とか「ください」とか、「これはこっちを笑わせようとしているとしか思えん!」っていうナイスなセリフが連発なのです。こりゃ、コントでしょう。 製作側としては、愛の深さを描いたつもりなんだと思います。裁判などという形式的なシステムでは、到底計ることのできない愛というものの本質。殺意とか、嘱託殺人とかそういうことではなく、究極の愛の形としての殺人。「どうだ!」と言わんばかりに自信満々です。 でも僕には、この映画が描いてみせた愛はすごく浅くて薄っぺらなものに思えました。ひたすら体を重ね、相手に首を絞めさせる愛。なんだかカッコつけているけれど、結局形ばかりにこだわって、男女の心の深いところまでは描けていないような気がしたのです。 象徴的だったのは、検事を演じた長谷川京子の存在。彼女自身は、いつになく色気を漂わせながら、熱演していたと思います(棒読み気味のセリフ回しはさておき)。ただこの役、もっと重要な役どころになり得たと僕は思うのです。検事として菊治を激しく問い詰めながらも、心の底では同じ女性である冬香の生き方に共感する彼女。この女検事の心理描写が、終盤きちんと描かれていなかったのが、どうにも納得できません。ここを丁寧に描ければ、もっと幅広く、そして奥深い愛の映画になったと思うのですが。 なんだか不満ばかり書いてしまいました。ただ、主演2人が文字通り体を張って熱演していることには、敬意を表さなければなりません。そして、若干古くさいものの、真面目で骨太な演出にも好感が持てます。 ひょっとすると、僕がもっと年を重ねれば、また違った感想を持てるようになるのかもしれません。
by inotti-department
| 2007-01-22 23:19
| cinema
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映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
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