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当ブログでは、「あの映画(小説)、一度観たんだけど、どういう話だったかが思い出せない・・・」とお困りの方のために、映画(小説)のストーリーを完全に網羅したデータベースを公開しております。詳しくは、カテゴリ内の「映画(小説)ネタバレstory紹介」をご参照ください。なお、完全ネタバレとなっていますので、未見の方はくれぐれもご注意ください。
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> 『サンキュー・スモーキング』 ~切れ味鋭いブラック・コメディ~
『サンキュー・スモーキング』 ~切れ味鋭いブラック・コメディ~_e0038935_1221261.jpg満足度 ★★★★★★★☆☆☆(7点)

『サンキュー・スモーキング』(2006、米)
  監督 ジェイソン・ライトマン
  出演 アーロン・エッカート マリア・ベロ

タバコ業界を擁護する”タバコ研究アカデミー”のスポークスマン・ニック。タバコの有害性を非難する声が大多数である世間からは嫌われているが、その巧みな話術でタバコ業界を保護する役割を見事にこなしている。最近も、ハリウッド映画の中でタバコをクローズアップさせるという案が採用され、プライベートでは女性新聞記者と関係を持つなど、公私ともに絶好調。しかし、ある事件がきっかけで、一転窮地に追い詰められることに・・・。


健康への悪影響が指摘され、すっかり世間の悪者となっている「タバコ」。

そんなタバコをあの手この手で擁護する人間が主人公だというのだから、なんとも共感するのが難しそうな映画に思えるのですが、ところがドッコイ!これがまた、驚くほど爽快で痛快なコメディに仕上がっているのです。とても面白い映画だと思います。

何がいいって、主人公のキャラクター設定がとても上手なんですよね。弁のたつスポークスマンで、しかもタバコ業界を擁護するのが仕事、なんていうと悪徳弁護士みたいな存在をイメージしてしまいがちです。しかし、このニックが、それに反して不思議と憎めないナイスなキャラクターなんです。

子供に対する接し方への好感しかり、仕事の能力は抜群なのに女性へのガードはダメダメに甘いところしかり、愛すべき男なのです。また、トークの切れ味が実にシャープでユーモアにも富んでおり、言っていることは間違っていても腹立たしい気持ちに全くなりません。それどころか、応援したくさえなってしまいます。そう思わされている時点で、観客である僕も、彼の「情報操作」にやりこめられているということなのでしょうね。

タバコ業界の内幕をクールに見つめる「業界モノ」としても、十分に面白い映画だと思います。でも、僕はそれ以上に、「お仕事モノ」として楽しませてもらいました。

主人公ニックの仕事への向き合い方が、すごく僕にとって共感できるものだったのです。仕事の内容がどうこうということ以上に、自分の磨き上げた能力を信じ、それを発揮することに全力を注ぐ。息子のジョーイが、あれだけ世間から叩かれているにもかかわらず父親を尊敬しているのも、そんな姿にカッコよさを感じていたからだと思います。僕も同じようなことを感じました。

ニックの最後の選択も、そういう考え方が根底にあるからこそのものなんですよね。すごく痛快で、とても共感しました。「おれは喋りで生きていくんだ!」そう言い切れるものがあるっていうのは、仕事人としては最高に素敵なことだと僕は思います。だからこそ、ニックの仕事の内容が正義であろうが悪であろうが、観る人は応援したくなるのだと思います。

練りに練られた緻密な映画とは全く思いませんが、娯楽映画としても社会派映画(僕は娯楽映画だと思いますが)としても、いろんな楽しみ方ができる上質の映画です。個人的には、オープニング・ソングにもハマリました。劇場で見逃した方は、ぜひDVDでどうぞ。
by inotti-department | 2007-01-27 01:47 | cinema
映画・小説・音楽との感動の出会いを、ネタバレも交えつつ、あれこれ綴っていきます。モットーは「けなすより褒めよう」。また、ストーリーをバッチリ復習できる「ネタバレstory紹介」も公開しています。
by inotti-department
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